鈴木おさむ×「2016年の週刊文春」著者・柳澤健 「森友学園問題、黒川検事長…文春がいまだにメディアをリードしている理由がわかる」

TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。1月25日(月)のお客様は、放送作家の鈴木おさむさんと「2016年の週刊文春」著者の柳澤健さん。「女子高生コンクリート詰め殺人事件」で週刊文春が行った当時未成年だった犯人の実名報道の話題から、「メディアと法律のあり方」の話へ…。
??この日の放送内容を「AuDee(オーディー)」でチェック!

(左から)鈴木おさむさん、柳澤健さん



◆法律が悪いと言えるのはメディアの人間だけじゃないの?(柳澤)

鈴木:(「2016年の週刊文春」を)読んでいてめちゃくちゃ頷いてしまいました。あと、この本には「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の話が出てきます。あのとき……当時の週刊文春は花田紀凱編集長ですよね。で、あのときにやったことが、「罪を犯した少年の実名を出した」ということ。

柳澤:実名報道をしたということですね。少年法といって、未成年の人間が罪を犯したときに、その少年と特定できるものを報じてはならないという法律があるんです。ただし、それに対する罰則はないんですよ。

例えば、神戸連続児童殺傷事件もそうですね。小さい子どもを殺して首を切って、中学校の校門にそれを置いたという、とんでもなく猟奇的な殺人がありましたけど、彼が典型的ですよね。少年法があるがゆえに、名前が絶対に世間に出ない。いまだに出ないわけですよね。

だから、17、18歳くらいの人間は、自分が少年であるからどんなに悪いことをやってもたいしたことにはならないと、たかをくくっているわけですよね。そんなことでいいの? メディアは法律があるからってそこで思考停止していいの? 法律が悪いと言えるのはメディアの人間だけなんじゃないの? というふうに週刊誌の人間は思っています。

で、当時の記者が大変な思いをして、少年4人の実名を聞き出してきた。詳しくは本を読んでほしいのですが、警察官に実名報道の意義を説明した上で、犯人がこの少年かどうか、違うかどうか、というのをルールを破らずに確認したんです。

鈴木:警察もこの凄惨な事件を許せないっていうのがあって、本当にドラマのワンシーンを観ているかのような下りですね、あれは。

柳澤:あれはすごいですね。

◆被害者の遺族への取材…ベテラン記者ですら聞けないこともある

鈴木:その前に遡っていくと、被害者のお父さんの家の前に記者とかマスコミが来るんですよね。

柳澤:要するに被害者の家族の話はみんな聞きたいわけですよ。

鈴木:で、いい時間になって帰るんですよね。そのなかで週刊文春の記者だけが残っていると、お父さんが出てくると。「チャンスだ!」といって聞くべきところなのですが、お父さんがマスコミや記者たちが落としていった吸い殻をほうきで掃くっていうくだりがあって、文春の記者はその背中を見て(話を)聞けなかった、という話があって。

柳澤:数々の修羅場を潜り抜けてきたベテラン中のベテランの記者なんですけど、その彼ですら聞けないということもあるんだなと思って、しみじみすごい記者だったんだな、と
思いましたね。

◆週刊文春の歴史はいろんな人の覚悟やその歴史でもある(鈴木)

柳澤:例えば、黒船が来航して、「大変だ! 植民地にされちゃう」というのがあって、明治維新が始まるわけですよ。黒船来航というファクトと明治維新というファクトの間がどのように結ばれているか、ということを考えていくのが、年表を作っておくと考えやすいので。僕の場合は、とにかく自分で年表を作りながら考えていく、というのが基本ですね。

鈴木:絶対揺るがないファクトをまず立てて、そのなかで何が起きていたのかということ……。

柳澤:そうですね。ファクトとファクトの間の結ぶ説明を考える。

鈴木:それにしても2016年ってすごい年でした。

柳澤:すごい年でしたね。週刊文春が圧倒的にメディアをリードした年といえるんじゃないですかね。でも、今でもそうなんじゃないですかね。黒川検事長(の賭け麻雀問題)や森友学園の事件……文書の改ざん問題で自殺した赤木さんの手記も週刊文春に載ったわけですから、週刊文春がいまだにぶっちぎってメディアをリードしているのはなぜか? ということが、僕の「2016年の週刊文春」を読めばわかるように書いたつもりです。

鈴木:売上的には(アンジャッシュ)渡部(健)君の不倫騒動とか芸能系のものになってしまうんだけど、読んでいくとやっぱり政治スクープの攻防……政治家とのスクープの歴史というのがけっこう出てきて、いろんな人の覚悟やその歴史でもあるなっていうのを感じますね。

柳澤:そうですね。

*   *   *

今週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……
2月3日(水)近田春夫さん×下井草秀さん(編集/ライター)
2月4日(木)秋元康さん×福山雅治さん
がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!

----------------------------------------------------
??文藝春秋の根本思想は“好奇心”? この続きは「AuDee(オーディー)」でチェック!

スマホアプリ「AuDee(オーディー)」では、スペシャル音声も配信中!
★ダウンロードはこちら→ https://audee.jp/about
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00〜26:00
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/speakeasy/

関連記事(外部サイト)

×