【漢字トリビア】「告」の成り立ち物語

【漢字トリビア】「告」の成り立ち物語

【漢字トリビア】「告」の成り立ち物語

「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「告げる」、「告白」「通告」の「告」。神への祈りの文である祝詞を入れる器を木の枝に懸け、神に申し告げる、訴える、という意味をもつ漢字です。



「告」という字を古い字体で見てみると、「牛」という字の下に「口」と書いてあります。
「牛」の部分は木の小枝をあらわし、「口」は神への祈りの文・祝詞を入れる器を描いているといわれます。
そこから「告」という字は、その器に願いごとを書いた文を入れ、木の枝に懸けて神に「申し告げる」「訴える」という意味をもつようになりました。
特に、戦争や病気、たたりと考えられるわざわいがある場合は、特別なまつりを行いましたが、それ自体を「告」と呼び、祝詞をご神木に掲げておくのです。
神はいつでも、その祈りに気づいてくださると信じていたのです。

農作物の無事を、一族の健康を、争いごとのない平和な村を。
神の前にひざまずき、いにしえの人々は一心に祈ります。
彼らは、それらの願いすべてが、自分たちの力だけではかなえられないということを知っていました。
そのかわり、できることには努力を惜しまず、あらゆる恩恵に感謝を忘れず、おのおのの持ち場をきちんと守ります。
決意を胸に、そんなまっすぐな想いを神へと告げるのです。
科学技術も先端医療も、情報網ももたない丸腰の人間だからこそ、人々は謙虚な気持ちで神々の力を借り、つつましい幸福に喜びを見出してきました。
そのすべてを手に入れつつある私たち現代人に、神々は、同じように手をさしのべてくれるでしょうか。

ではここで、もう一度「告」という字を感じてみてください。

「告」という漢字が示すのは、覚悟を決めて神に向かい、恐れ多くも自分たちの願いを申し告げる様子。
神聖な儀式に、うそ偽りが入り込む隙はありません。
都議会議員選挙の告示は、六月二十三日。
私たちに向かって告げられる候補者たちの言葉が真実かどうかは、自分自身でしっかりと見極める必要があります。
選挙という機会を通じて、まずは都民一人ひとりが、わくわくするような東京の未来を思い描いてみる。
そうすればあなた自身が、変わってゆくかもしれません。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。


*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『〔白川静の絵本〕サイのものがたり』(白川静/著 金子都美絵/編・画 平凡社)

6月24日の放送では「佐」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。


<番組概要>
番組名:「感じて、漢字の世界」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/


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