全国各地に「白糸の滝」がある理由とは?

「白糸の滝」全国各地に存在

全国各地に「白糸の滝」がある理由とは?

全国各地に「白糸の滝」がある理由とは?

全国各地に「白糸の滝」がある理由とは?

山と水に恵まれた日本には、北は礼文島の礼文から、南は西表島のピナイサーラの滝まで、数えきれないほどの滝があります。猛暑の夏こそ「滝」を眺めて、天然の涼を楽しみたいですね。今回は日本の滝から世界の滝までさまざまな「滝」の魅力を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2017年7月15日放送より)


※写真はイメージです。



◆「気軽に行けるおすすめの滝といえば!」
〜TVチャンピオン2 滝通選手権 優勝 森本泰弘さん

── 滝の魅力ってどのへんにあるのでしょう?

滝には高さ、水量、形などいろんな特徴がありますが、私が一番大切だと思うのは環境です。周囲の崖の形とか、緑がどれだけ豊かかとか、どれくらい自然を楽しめるかが重要だと思います。崖に格好いい岩があるだけでかなり雰囲気が違いますし、でも崖ばかりで緑がないとおもしろくありません。水が流れ落ちるだけが滝じゃないんです。

日本で一番落差がある滝は富山の称名の滝で、その落差は350mもあります。すごい迫力なんですが、あまりに高いので真下まで行くと上が見えません。そういう意味では東京都の奥多摩にある百尋ノ滝が40mで、これくらいだとちょうどいい感じです。逆に低いほうは……というと、滝の定義が5m以上とされているので、5mの滝が全国にたくさんあります。

── 水の形というのはどういう意味ですか?

先ほどの百尋ノ滝だと、単純にまっすぐに落ちているので直瀑(ちょくばく)と呼ばれます。称名の滝なら途中が何段にもなっているので段瀑(だんばく)です。渓流瀑(けいりゅうばく)は普通の滝よりも傾斜が緩く、斜めにサーッと流れ落ちるような滝。途中でいくつかの筋に分かれる分岐瀑(ぶんきばく)もあります。こんなふうに滝にもいろんな形があるんです。

直瀑は力強いので男性的と言われます。分岐瀑は優しい感じなので女性的です。ただ、直瀑でも百尋ノ滝は水量がほどほどで、霧状になっているため音も静かですから、男性の中でも草食系といったところでしょうか(笑)。滝は自然の景色ですが、動きがあるので生き物のような印象を受けるんです。

── 森本さんが見てきた中でおすすめの滝といえばどこでしょう。

迫力なら尾瀬の三条の滝。ここは水量日本一の滝で、尾瀬ヶ原と呼ばれる湿原の水がすべてこの滝に落ちていきます。高さも90mあるのでものすごい轟音で、雪解けの5月頃には2kmも離れた場所まで音が聞こえてくるほどです。逆に静かな滝なら白山スーパー林道の途中にある姥ヶ滝。滝の角度が浅いので雄大でも女性的な優しさがあります。

日光の一番奥にある隠れ滝は落差10mもない滝ですが、その名のとおり奥まったところに隠れているので目の前まで行かないと見えません。夏に浅い沢をザブザブと歩いて渡るのは気持ちいいですよ。長野県の米子大瀑布は70〜80mの滝が2つ並んで落ちているのですが、駐車場から歩いて40分くらいです。片方の不動滝は真下まで行けます。


◆「世界のすごい滝をご紹介しましょう」
〜写真家 高砂淳二さん

── 世界のすごい滝ってどんな感じですか?

ブラジルとアルゼンチンの国境にあるイグアスの滝は世界三大瀑布のひとつ。特に滝の一番奥まったところは「悪魔の喉笛」と呼ばれていて、あまりにすごい水量が落ちているので、舞い上がる水飛沫が少し離れた街からも望めるほどです。そこに太陽の光が当たると虹が出来るのですが、崖の上の展望台から見ると360度の丸い虹になることもあります。この光景は本当に感動的でした。

同じく南米のギアナ高地には約1kmもの落差があるエンジェルフォールがあります。水量は決して少なくないのですが、あまりに落差があるので途中で霧になってしまい、下に滝壺がないというめずらしい滝です。現地で実際に見ると大きすぎて距離感がつかめず、1kmという高さも今ひとつピンときません。でもよく見ると落ちてくる水のスピードがやけにゆっくりなので、やっぱり高いのだろうなと思いました。

── 滝の写真を撮った場所で印象的だったのはどこですか?

アイスランドは滝がものすごくたくさんあります。雨も多いし、全体にズドーンと大きな岩の様な形をしているので、雲に覆われた山から流れてきた水が、あっちこっちで水道の蛇口をひねったかのように滝として流れ落ちているんです。中にはアクセスが楽な滝もあるので、クルマであちこち見て回るのは楽しかったですね。

アイスランドで特に良かったのがセリャラントスフォスです。ここは滝の裏側に回れるので、天気が良ければ滝越しに沈んでいく夕日が見られます。夕日の逆光を浴びた滝はとにかく美しいのひとこと。ただしビショビショになりますが(笑)。

それからゴーザフォスも良かったですね。「ゴーザ(神の)フォス(滝)」という名前なんですが、迫力よりもなんとも言えない神秘的な雰囲気を感じさせる滝でした。なんだかわからないけど風景に圧倒される……そういう印象の滝なんです。写真家的にも構図が決まりやすく、足を水に入れながら撮ったりしたのが今でも忘れられません。


◆「全国に白糸の滝があるのにはある理由が」
〜元 千葉県中立央博物館 地学研究科 吉村光敏さん

── 滝って人工的に作られることもあるんですか?

一般的に滝は自然の産物ですが、実は人工的に作られた滝もあります。千葉県では「川廻し」、長野県で「瀬替え」といって、蛇行している川をトンネルや堀切で繋げてしまい、水が流れなくなった土地を田んぼにする新田開発が江戸時代に盛んに行われていたんです。その繋げたところは高低差があるため滝になります。

近年、この川廻しや瀬替えによって滝になった場所が観光スポットとして人気です。道の駅にも「瀬替えの郷」と名乗っているところがありますし、ハート型の影ができると評判の濃溝の滝も川廻しによって作られたトンネルの滝です。ちなみに千葉県内だけで川廻しによって生まれた滝が330ヵ所もあります。

── なるほど、昔の新田開発で……。

現代では観光開発のために滝が作られるケースもあります。庭園に滝を作りたいと思ったら、泉の下を掘り込んで段差を作れば、岩の上をすだれのように水が落ちる玉簾の滝みたいにできるんです。こういう滝は観光地の旅館の庭にけっこう作られていて、長野県の軽井沢にある白糸の滝が一番有名ですね。

本来、白糸ノ滝は富士の裾野にある天然の滝で、すぐ隣の音止めの滝が曽我兄弟の仇討ちの物語に登場することもあって、昔から有名な滝でした。ところが明治の初め頃、滝に「白糸の滝」と名付けるのがブームになったんです。これはまだ電力がなかった時代に、滝が水車を回す貴重な動力源だったため、全国で滝のリストを作ることになり、政府が「ちゃんとした名前を付けること」と命じたのがきっかけでした。

政府がそんな命令を出したのは、それまで山や滝の名前は公に登録されていなかったからです。公に名前を登録するのは税金を取り立てるため。だから税金の対象にならない山や滝は地元で呼ばれる名前があっても、いくつも名前があったり、いつの間にか名前が変わったりしていました。それをちゃんと決めさせたら、白糸の滝という名前があちこちで使われたんです。

軽井沢の白糸の滝が作られたのは昭和8年頃で、観光開発のためでした。浅間山の伏流水が湧く泉が2つあったので、その間の尾根を切り崩し、泉の下を2m50cmほど掘り込んで滝にしたのですが、昔の人が作ったからかなかなかの出来映えで、今も観光地として人気を博しています。人工の滝だからといって侮れないと感心させられます。


TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。7月22日(土)の放送のテーマは「夜釣り」。お聴き逃しなく!



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聴取期限 2017年7月23日 AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage

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