日本人が「競歩とウォーキングに向いている」理由とは?

日本人が「競歩とウォーキングに向いている」理由とは?

日本人が「競歩とウォーキングに向いている」理由とは?

ウォーキングは道具も専用グラウンドも特別な技術も必要のない、とても手軽な運動として、多くの人に親しまれています。でもやはり、そこはスポーツ。怪我をしないため、効率良くトレーニングをするため、そして何より楽しく歩くための「ウォーキング」を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」6月3日放送より)


日本人が「競歩とウォーキングに向いている」理由とは?



◆「まずは正しい姿勢と歩き方から!」
〜ウォーキングドクター デューク更家さん

── どれくらい歩くと健康に良いでしょう?

通説では「1万歩が目安」とされていますが、正直あまり感心しません。1万歩といえば約40分。そんな長い距離を歩くと疲れが残ってしまいます。それなら10〜20分くらいで1万歩分の効果を得られる方法がないかということで、僕は歩きながら手を上げたりクネクネ動くような「デュークズウォーキング」を考えました。体を動かすぶん、普通に歩くよりもエネルギーを消費できますし、やりだすとけっこうおもしろいんですよ。

一番大事なのは歩く前の正しい姿勢です。目線はまっすぐ前に、背筋を伸ばして、膝も曲げないように立つ。上にも下にもぶら下がっているような感じですね。そんな姿勢で歩くだけで人生が変わります。一番変わるのは目線です。小さな乗用車からトラックに乗り換えると目線の高さが違うので、急に偉くなったような気分になるでしょう。あんな感じです。

── 正しい姿勢ができたら、次は歩き方ですね。

正しい姿勢を保ったままレールの上を歩くように1本のラインで歩いてみましょう。両足をまっすぐ前に出して2本のラインで歩くと安定感がありますが、外側の筋肉しか使えません。それだとO脚になったり腰の骨が開いて腰痛になったりします。平均台くらいの幅(靴幅2つぶんくらい)のライン上を意識して歩いてみて下さい。

着地はかかとから。単純に歩くだけなら、つま先のほうが楽な場合もありますが、健康法としてウォーキングをするのであれば、かかとのほうが効果的です。かかと、小指、親指の順にスムーズに体重を移動させていくと、ふくらはぎの筋肉を使えます。ここは下半身の血液を循環させるポンプの役割もすることから第二の心臓とも呼ばれる大事な筋肉です。

それから僕らの世代は小学校の体育で「手を大きく振って歩く」と習いましたが、あれは振りすぎです。歩幅と手の振り幅のバランスが悪いので肩こりになったりします。お腹よりも肘を前に出さないようにしましょう。

── やってみると……歩くだけでも意外と難しいですね。

こんな歩き方を意識すると1000歩で汗ばんできて、人によっては足に軽い痛みを感じるかもしれません。そうしたら無理をせず、回復するまで楽な歩き方に切り替えましょう。そしてまた元気になったら姿勢を正して歩き出せばいいんです。歩数を目標にすると達成感はありますが、効果は歩き方次第。だから最近は「1万歩が目安」と言う人も減って、万歩計も歩数計と呼ばれるようになっています。


◆「日本人に競歩とウォーキングが向いている理由」
〜ウォーキングプロデューサー、元オリンピック「競歩」代表選手 園原健弘さん

── 競歩のフォームって独特ですよね。

競歩は歩くことを競うので走ったらダメ。でも歩くことと走ることの違いって難しいですよね。歩くことの定義のひとつは「両足のどちらかが必ず地面に着いていること」です。だから両足が地面から浮いた瞬間、競歩では失格になります。

逆に、走ることを「跳ぶ」と言う地方があったり、トレイルランニングでは下りを「フライ」と呼んだり、走るということは空中に浮かぶ動作なんです。競歩ではそうならないよう、一歩一歩どちらかの足を必ず地面につけて進みます。

一般的な歩行のスピードは時速4〜5kmくらい。東京マラソンなら制限時間が7時間なので、時速6kmでずっと走り続ければ制限時間内にゴールできる計算になります。ところが競歩は時速12〜14km。この速度を実現し、さらにエネルギー効率も追求した合理的な歩き方が、あのちょっとユーモラスな競歩独特のフォームです。

── 普通に歩くスピードの約3倍も出てるんですか!?

実は時速8kmを超えると、歩くよりも走るほうが楽だったりまします。これは筋肉の先にある「腱」の働きが理由で、走るときは時速8kmを超えたあたりから腱がゴムのように伸び縮みするので、エネルギー消費量を抑えて効率的に進めるんです。

ところが歩くときは腱を伸び縮みさせる動作がないので、ずっと筋肉だけで前に進まなくてはいけません。だから競歩はマラソンよりもエネルギー消費量が多い、とても過酷なスポーツなんです。躍動感がないので見た目ではその過酷さがわかりづらいのですが、レース中の心拍数は180にも及びます。

ちなみに日本は競歩がとても強いので、2020年の東京五輪ではぜひ現地で応援して下さい。リオ五輪でも銅メダルを獲得している有望種目です。マラソンでアフリカの選手が強いのは、先ほどの腱が強くて長いから。この特徴は草原で狩りをしていたルーツにあると思います。その点、日本は農耕民族なので、腱のバネはそこまで強くありません。でも、だからこそ筋肉をしっかりと動かす競歩は向いています。そういう意味ではウォーキングも日本人に合った運動だと思います。


◆「各地の名所をウォーキングで楽しもう!」
〜(株)スカイソフト 代表 西田忠夫さん

── ウォーキングにおすすめの場所ってありますか?

都内でしたら、私がよくウォーキングしているのは皇居の周りです。皇居外苑の二重橋、伏見櫓の見えるあたりから、桜田門、外を回って半蔵門、さらに回り込んで乾門、北桔梗門から東御苑に入るコースなら、重要文化財を見ながら花を愛でることもできます。

それから今年はNHKの大河ドラマで『おんな城主 直虎』が放送されていますが、関東では世田谷の豪徳寺が井伊家ゆかりのお寺です。境内の一番奥には歴代彦根藩主の墓所があることもあって、とても大勢の人で賑わっています。こちらもウォーキングするのにもってこいです。

また、6月になりましたが、この時期なら葛飾区の堀切菖蒲園もおすすめです。ちょうど今が花菖蒲の見頃ということで「菖蒲まつり」も開催されています。ここはめずらしい品種の花菖蒲(約200種6000株)も見られるので、ぜひ注目してみて下さい。

── 東京以外ではどんな場所があるのでしょう?

神奈川でしたら箱根まで足を伸ばすと、いろんなコースでウォーキングを楽しむことができます。たとえば金時山から足柄峠を越えるコース。それから金時山を越えて乙女峠から仙石原へ戻ってくるコース。このへんはウォーキングしている人がけっこういます。富士山がとても綺麗に見えるので楽しいですよ。

鎌倉の紫陽花も6月の風物詩ですね。長谷寺、明月院などが有名です。横須賀にもしょうぶ園があります。ここはかなり大きな公園なので、半日くらいかけてゆっくりと花菖蒲を楽しんで下さい。さらに同じく横須賀の神奈川歯科大学に行くと、世界三大花木のひとつ、ジャカランダが見られます。咲いている6月上旬のごく短い期間なので、咲いているかどうかを事前にネットで調べてからお出かけ下さい。

旅先でしたら、滋賀県の彦根城がとても立派なお城で、彦根駅から天守閣まで歩いたら意外なくらいハードなウォーキングでした。高知城や弘前城などにも行きましたが、城めぐりは自然とウォーキングになりやすいですね。クルマで現地まで行っても、駐車場に止めた後はどこもけっこう歩きます。


TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。6月10日(土)の放送のテーマは「多摩川」。お聴き逃しなく!


<番組概要>
番組名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage


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聴取期限 2017年6月11日 AM 4:59 まで

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