「働かずに食う」時代到来? ベーシックインカムって何?

「働かずに食う」時代到来? ベーシックインカムって何?

「働かずに食う」時代到来? ベーシックインカムって何?

中西哲生と高橋万里恵がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。7月18日(火)の放送では、欧米を中心に注目を集めるベーシックインカムについて、経済キャスターの鈴木ともみさんに伺いました。



そもそもベーシックインカムとはどういったものを指すのでしょうか。
「所得保障制度のひとつです。政府が私たちの生活を最低限保障するために、年齢や性別などに関係なく一律で現金を給付する仕組みのことを言います。今の日本では、特定の条件のもとで社会保障を受ける形になっています。例えば若い頃に年金はもらえませんし、失業保険は失業した人のためのもの。生活保護も特定の人たちのための保障制度です。一方、ベーシックインカムはすべての人が平等に給付を受けられる制度です」とのこと。

鈴木さんによれば、ベーシックインカムが注目を集める背景に、AIの活用やIOT化により、人間の労働そのものが失われる時代を迎える可能性があるという現状があるそうです。そこで、失業した人たちも生活できるような社会保障の仕組みとしてベーシックインカムが注目されていますが、メリットやデメリットは。

「メリットは国民が最低限の生活を国からの給付金によって保障されるという点です。個人の収入が増えることで、企業は雇用の調整がしやすくなります。雇用の流動性が生まれれば生産性が上がることになります。働く人たちも収入中心に考えず、自分の望む仕事を選びやすくなります。ベーシックインカムは世帯ではなく個人を単位にしており、子どもの数に応じて給付されるため少子化対策につながるという意見もあります。日本は特に社会保障制度が複雑ですが、ベーシックインカムは社会保障の形を一本化してわかりやすくすることにも繋がるとも言われています。デメリットは、まず財源をどうするか。現時点でも将来の年金をどうするかという議論を抱えています。また、保障があると逆に働く必要がないと感じる人も増えて、労働生産性が下がってしまうという見方もあります。財源を確保するために増税したり、急激な物価上昇に繋がってしまえば、生活するのが困難になり本末転倒です」と解説する鈴木さん。

1982年から35年間にわたってベーシックインカムに近い制度を導入しているのが、アメリカはアラスカ州。鈴木さんによれば、そこでは1歳以上の赤ちゃんを含む住民全員に、年間で日本円にしておよそ11万円から22万円を支給しているそうです。石油から得た収益の一部を住民に給付するという独自の制度で、増税ではなく天然資源で資金を確保したセーフティネットです。支給額は石油の値段によって変動します。最近ではFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグさんもアラスカを訪れ、ベーシックインカムの導入に賛成する意見を述べたそう。

2年前実際にアラスカを訪れたという鈴木さんは、「通常アメリカやヨーロッパではチップを払う習慣があります。そのチップは重要な収入源で受け取るのが当たり前なんですが、アラスカではホテルで部屋の清掃のとき、枕元にチップを置いておいたところ、そのお金が清掃の後も残っていたんです。働く人達が心に余裕を持ちながら働いているんですね」と考えたそうです。

一部の国ではベーシックインカム導入に向け、社会実験もスタートしているそうで、「フィンランドは今年から2年間の導入試験を始めています。カナダのオンタリオ州でも、これから3年間にわたって支給されるということですが、公式な結果はいずれも先ということです」と話していました。


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聴取期限 2017年7月26日 AM 4:59 まで

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【番組概要】
番組名:「クロノス」
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜8:55
パーソナリティ:中西哲生(月〜木)、速水健朗(金)、高橋万里恵
番組Webサイト:http://www.jfn.co.jp/ch/

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