特撮ヒーローカメラマン・大島康嗣インタビュー「すべての仕事で大事なのは人間関係。相手の呼吸や距離感が分かるように良好な関係を築く」
2023年02月23日 12時00分日刊大衆

大島康嗣(撮影・弦巻勝)
僕は55年に渡り、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』といった特撮ヒーローを撮り続けてきました。その中で感じていたのは、やっぱりヒーローは、いつの時代も子どもの“憧れ”でなきゃダメ、ということ。
時代の変化に合わせて、ヒーローも変わってきましたが、“カッコイイ”という点においては、時代に関係なくブレていない。そのカッコよさを写真で残さなきゃいけない。常にそう思いながら、シャッターを切り続けてきました。
もともと僕は、前の東京五輪があった年に講談社に入社し、『少年マガジン』の巻頭グラビアの担当になりました。その仕事の中で、放送が始まった『ウルトラマン』の撮影現場に行くことになり、その日から特撮カメラマンとしてのキャリアが始まったんです。
ところが、現場に行っても、撮影スケジュールが流動的で、何も撮れない日が多々あるんですね。
そこから学んだことは「忍耐力」。僕からしたら写真を撮るというのは“狩猟”と同じ。そこには必ず獲物がいるわけですから、どうしたら狩れるのかということを考えました。
そこで導き出した答えは、撮影スタッフとコミュニケーションを取ること。あいさつはもちろん、差し入れなんかも持っていって、カメラマンや照明の方とできるだけ交流するようにするんです。すると、今日はもう撮れないかなって日でも、“照明残すから撮っていいよ”なんて協力してくれるようになってくる。
現場に行っても、なれなれしい態度じゃダメで、丁寧な言葉で接しなきゃいけない。そういうことを繰り返しているうちに、相手の呼吸や距離感も分かってくるし、こちらが欲しい写真が撮れる良好な関係が生まれてくるんです。
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