2016年「プロ野球ドラフト会議」1位指名選手を完全予測!

2016年「プロ野球ドラフト会議」1位指名選手を完全予測!

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 即戦力と目される超大物から将来が有望な高校球児まで、逸材の中から誰を選ぶのか!? 各チームの思惑を徹底検証!

 10月20日のドラフト会議まであとわずか。「2週間を切った時点で、プロ志望届の提出期限も過ぎたというのに、今年は1位指名の確定情報がほとんど出てこなかった。これは実に珍しい。例年なら、どこの球団が誰を獲りにいくのかが、各紙の一面を飾る頃だったんですが……」(スポーツ紙のベテラン記者)

 いったい、何が起きているのか。別のスポーツ紙記者が言う。「昨年の段階からすでに高い評価を受け、一時は12球団すべてが1位指名するのではないかとまでいわれていた今年のドラフトの超目玉、創価大の田中正義を指名するかどうかで、各球団がギリギリまで迷っているようなんです」

 186センチ90キロの恵まれた体格を持つ田中は、打者の手元でホップする最速156キロのストレートが最大の魅力。「江川以来の逸材」ともいわれているが、この春に右肩の違和感から戦線を離脱。秋季リーグには復帰登板を果たし、スピードも戻ってはきたが、それが“完全復活”なのかどうかで、評価が真っ二つに分かれているのだ。

 2016年のドラフトは、どうなるのか。本誌取材班は、水面下の動きを探るべく、徹底取材を敢行。すると、各球団の思惑が見えてきた。

 まず、田中を指名することが確定的なのが、楽天、中日、日本ハム、ソフトバンクの4球団。「楽天と日ハムは毎年、その年のナンバーワンと目される目玉選手に必ず名乗りを上げていますからね。それが球団のスカウト方針のようです」(前同)

 例を挙げるなら、楽天は田中将大、松井裕樹。日ハムはダルビッシュ有、斎藤佑樹、菅野智之、大谷翔平など、競合必至の選手を指名して交渉権を獲得してきた実績がある。今年も、その方針にブレはない。今シーズンは投手不足に泣き、最下位に沈んだ中日が田中の獲得に名乗りを上げるのは分かるが、少し意外なのはソフトバンクだ。

 たとえば、昨年のドラフトの目玉だった高橋純平や、今やエースに成長した武田翔太など、即戦力より将来有望な高校生を指名する印象が強いソフトバンクだが、「今季は優勝を逃したこともあり、先発ローテーションの強化が至上命題となりました。どうやら今年は、即戦力の大学生投手中心に指名する戦略のようです」(ソフトバンク担当記者)

 投手層が厚く見えても、最多勝投手の和田毅や、先発ローテーションの中田賢一、攝津正も30代半ば。若き大黒柱となりうる即戦力の補強は急務なのだ。

 さて、田中に次ぐ16年ドラフトの目玉と目されるのが、生田目翼(流通経済大)だろう。最速155キロの速球とキレのあるスライダーが武器の好投手で、複数球団からの1位指名は確実ともいわれていた。しかし、ここにきて、各球団のスカウトからの評価は下降気味。ヒジや肩などの故障で、戦線離脱したことが大きく響いている。

「この故障の原因には、腕の力に頼った投球フォームが影響しているのかもしれません。各球団のスカウトも、その辺を懸念していますよ」(スポーツ紙デスク) また、野球専門誌『野球太郎』の編集長・持木秀仁氏によれば、「生田目は身長174センチ、76キロと、大型選手が中心の今の投手にしては体が小さいんです。プロの目から見ると、少し物足りないものがあるのかもしれません」

 当初の評判では、複数球団の競合が必至とみられていた生田目だが、現状では、熱心に視察するロッテ以外に指名する球団が現れるかどうか、といったところだ。

 田中、生田目の評価が分かれるのとは対照的に、軒並み評価を上げているのが、ちはや佐々木千隼(桜美林大)と柳裕也(明治大)。最速153キロの速球と多彩な変化球で首都大学リーグの連続無失点記録を作った佐々木、巧みな投球術で大学通算300奪三振を達成した柳。ともに即戦力レベルの投球術を身につけている、と評価も高い。

「ストレートとフォークが武器の田中は故障のせいもあるのか、カーブやスライダーなどの横に変化する球はあまり投げないんですが、佐々木や柳は横に変化する球を自在に投げることができる。プロで通用するかという観点からは、佐々木や柳のほうが上という評価もあるくらいです」(前同)

 佐々木を指名するとみられるのは、阪神、巨人、ヤクルトの3球団。いずれも投手陣の建て直しが急務のチーム。佐々木のような安定感のある投手は必要不可欠だろう。すでに、阪神では金本監督自らがクジを引くことが決まっており、昨年の山俊に引き続き、「ヤクルト対阪神」のクジ引き合戦が再現されそうだが、そこに巨人が割って入る形だ。

 一方、柳の1位指名を決めたのはオリックスとDeNA。特にDeNAは、地元・横浜高出身である柳をなんとしてでも獲得したいところだろう。

 競合の可能性がある目玉選手以外にも、注目すべき選手は大学生・社会人の投手に多い。山岡泰輔(東京ガス)、小野泰己(富士大)、黒木優太(立正大)、浜口遥大(神奈川大)といった選手がそれに当たるのだが、そんな“隠れた逸材”の一本釣りを狙う球団もある。それが広島と西武だ。

 広島は「多くの広島ファンがカープへの入団を願っている」(前出の持木氏)という地元・広島市出身で、瀬戸内高時代には甲子園にも出場した山岡を1位指名する予定。一方の西武は、小野の獲得に乗り出した。「今年の夏に高校生左腕・寺島成輝の獲得に動いたとの情報が出ましたが、事情が変わりましたからね」(前出のスポーツ紙記者)

 その事情とは、エース・岸孝之のFA権行使が濃厚だということ。もし岸が移籍するとなれば、その穴埋めとなる即戦力の補強が最重要課題なのだ。「また、西武は13年の山川穂高、14年の外崎修汰、15年の多和田真三郎と、3年連続で富士大の選手を指名し、いずれも一軍で活躍しています。西武と富士大の間には太いパイプがあるようです」(西武担当記者)

 圧倒的に投手に注目が集まる今年のドラフトだが、西武は野手にも着目する。「西武は失策101とリーグ最低を記録しました。かつて名セカンドとして名を馳せた辻発彦新監督としては、野手の補強もしたいところでしょう」(前同)

 野手で注目すべきは、吉川尚輝(中京学院大)と京田陽太(日本大)の遊撃手2人。どちらも俊足巧打と堅実な守備が売り物の逸材だ。「ショートが固定できていない中で、ピタリとはまる選手です。西武は吉川、同じくショートが固定できずにいるヤクルトは京田を狙っているといわれています」(スポーツ紙デスク)

 さて、今年のドラフトで注目すべき選手は、大学生・社会人だけではない。“高校BIG3”と呼ばれる寺島成輝(履正社高)、高橋昴也(花咲徳栄高)、藤平尚真(横浜高)の3人に、甲子園優勝投手である今井達也(作新学院)も、1位指名候補だ。

「BIG3の中では寺島の評価が高まっています。藤平は制球に少し難があるんですが、寺島には両コーナーに丁寧に投げ分ける制球力があります」(持木氏) 寺島は巨人と阪神、高橋は楽天、オリックス、日本ハム、藤平はロッテ、今井は楽天がリストアップ。本命候補の抽選次第では、1位指名も十分にありえる。

 また、地元出身の有望な高校生をしっかりと育てるというのも、地域に密着したチームの特徴。たとえば、東邦高の藤嶋健人は中日、広島新庄高の堀瑞輝は広島が熱い視線を送っている。ここまでが本誌の分析によるドラフト予想だが、前出のベテラン記者は言う。「まあ、ドラフトに関しては、当日までなら、どんな嘘も許されるというのが球界の常識。今回の取材データも、実は各球団の“陽動作戦”かもしれませんよ」

 ドラフト会議当日、本誌を片手にテレビ中継を楽しんでみてはいかがか?





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