ティーチャ「この年になると、お金よりも健康だなってつくづく思いますよ」

ティーチャ「この年になると、お金よりも健康だなってつくづく思いますよ」

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 81歳にもなって、実の娘とお笑いコンビを組んで、舞台に立たせてもらえるんだから、こんなにありがたいことはないですよ。

 だいたい、月に10本、舞台に呼んでもらって、その後は必ず飲み会ですね。同じ舞台に立っている、30代くらいの芸人さんたちの輪に交じってドンチャン騒ぎ。30代の芸人さんといっても、私は娘とコンビを組んで、まだ8年ですから、先輩もたくさんいます。彼らのおじいちゃんと同じ年だったりするんですけどね(笑)。彼らとお笑いの話や、下ネタを話していたら、あっという間に終電の時間ですよ。

 少しでも、飲み会の時間を長くしようと、千葉から都内に引っ越したぐらい(笑)。今は、千葉のときに比べて40分くらい長く飲めますね。私の血液は、芋焼酎でできているって娘にツッコまれるほど、飲み会が好きですね。家族から休肝日を作りなさいって言われるので、その日はこっそりマッコリを飲んでいます。

 飲み会で酔っぱらっても、杖がわりの娘がいてくれますからね。娘は、同じマンションの隣の部屋に住んでいるんですよ。といっても、娘が酔い潰れることもあって、私が介抱したりすることもあるので、安心はできないですが(笑)。

 そもそも、芸能活動自体は、もう60年近く前のことですが、トリオを組んでやっていたんですよ。ただ、なかなか売れなくてね。時代も、今と違ってお笑い冬の時代でしたから。途中であきらめて、家の仕事を手伝うことにしたんです。

 それでもやっぱり人前に立つような仕事がしたいなと思って、教員になったんです。私の授業は、最初の15分はネタを見せる時間と勝手に決めて、好き勝手に生徒たちを笑わせていましたよ。保健体育なら、授業が遅れてもそんなに文句は出ないだろうと、大学に入り直して、保健体育の免許も取りました。そんな生活を続けて、晴れて定年になったので、喜劇の劇団に入って、また芸能活動を復活させたんです。やっぱり、人前に立って、人を笑わすのが好きなんですよ。

 当初はひとりで活動していたんですが、娘もコミックバンドをやっていて。彼女のステージに友情出演とかさせてもらって、コントとかやったら、ウケたんですよね。それで娘とコンビを組むことになったんです。

 実の娘とコンビを組むなんて大変だろうな、なんて思われる方も多いんですが、まったく逆なんですよ。普通のコンビだと、片方だけに仕事が続いたりすると、雰囲気が悪くなるっていうけど、私たちの場合は、親と子どもですから、ピンの仕事をしても、娘も喜んでくれるんです。逆に、娘にピンの仕事がくれば、親としては嬉しいばかりですからね。

 こうして、今、自分が好きなことができているのは、健康な体のおかげ。小学校上がる前は、体が弱くて病気もしましたけど、その後は、体を壊したのは食べ過ぎぐらい(笑)。

 今は、どこも悪いところありません。悪いのは性格だけ(笑)。娘からは、耳が遠くなったって言われますけど、娘がガミガミ言っていても、少し離れれば聞こえないので、ちょうどいいぐらい(笑)。丈夫な体に産んでくれた親に感謝ですね。

 この年になると先立つものは、お金じゃなくて、健康だなってつくづく思いますよ。定年になって、毎日、家にいて死ぬのを待つだけでは、しょうがないでしょう。

 健康の秘訣はなんですかってよく聞かれますけど、特に何かをしているわけでもないんですよ。強いて言えば、自分が、飲みたいだけお酒を飲むことですかね。うちは、長生きの家系で、親戚も90歳くらいまで生きた人が多いんですよ。

 いつ舞台で倒れてもいいように娘が介護福祉士の資格を取ってくれたので、好きなだけ舞台に出たいですね。舞台があると毎朝起きるのが楽しいんですよ。ただ、もしものときは、娘の負担にならないようできるだけ、楽屋まで行ってから息をひきとりたいですけどね(笑)。

撮影/弦巻 勝

ティーチャ
1935年1月24日、東京都生まれ。A型。大学卒業後に建設会社に就職するも、芸能界への憧れから27歳で退職。「新宿松竹文化演芸場」の劇団に入り、トリオを組んで喜劇、演芸の世界で活動する。ほどなくトリオを解散し、実家の家業を継ぐ。41歳で一年発起し、教員免許を取り教師に。65歳で定年を迎え、再び芸能の世界へ。『ポリグリップ』のCMなどに出演するなど活躍し、08年12月からは実の娘・サッチィーとお笑いコンビ『めいどのみやげ』を結成。現在も都内の舞台を中心に活動中。

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