坂上忍ママ「詐欺犯返り討ち」緊迫の一部始終

坂上忍ママ「詐欺犯返り討ち」緊迫の一部始終

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 日本中で年間400億円超の被害が出ている「特殊詐欺」事件。高齢者を狙う犯罪者との対決の一部始終!!

 テレビで、その顔を見かけない日はない売れっ子といえば坂上忍(49)。5月16日、彼が司会を務める昼の情報バラエティ『バイキング』(フジテレビ系)の中で、こう話し始めたのだ。「私ごとなんですけどね、先週、うちの母親が悪いヤツを捕まえたんですよ」

 こう切り出した坂上は、母親が有名デパートのスタッフを名乗る男からの電話で始まるカード詐欺を、間一髪でかわし、警察に通報。“だまされたふり”をすることで、翌日、自宅に張り込んだ刑事とともに犯人逮捕のお手柄を立てたことを手短に伝え、「お母ちゃん、グッジョブ!」と誇らしげに親指を立てて見せたのだった。

 この事件で一躍ヒロインとなったのが、彼の母親である坂上淳子さん(76)。幼少時から“天才子役”として活躍した坂上をステージママとして支え、現在も彼の個人事務所社長を務めるかたわら、新宿・歌舞伎町で会員制スナックを経営する淳子さんが、本誌独占で“緊迫の36時間”の一部始終を語ってくれた。

「その男から最初に電話がかかってきたのは、5月10日の午前10時頃ですね。その時間帯、私は自宅でテレビを見ながら仕事関係の電話番をしていることが多いんですが、あの電話も、そうした中でかかってきたものだったんですよ。“新宿の伊勢丹デパートの者ですが、坂上淳子様でいらっしゃいますか。実はあなたのカードを当店で使おうとしている女の方がいるので、確認のためにお電話をさせていただきました” 男の人の声で、そんなようなことを言うんです。

 続けて“坂上様はニコスカードをお持ちですよね”と言うから“いいえ、持ってません”と答えると、“そうですか。女性は買い物に、そのカードを使い、今はトイレに行っているのですが”と言う。突然で何のことかと戸惑ったんですが、私はお中元、お歳暮はいつも伊勢丹から贈っているし、電話の男の話し方もきちんとしているし、そのときはまったく疑っていなかったんです。

 その男は“木村”と名乗っていたけれど、私が念のために連絡先を教えてくれというと、すぐに電話番号を教えてくれて。実際にかけてもちゃんと通じるんです。そういう意味では、すごく用意周到というか、手が込んでますよね」

 変な電話だなとは思ったものの、さほど気にも留めずにいた淳子さんに、2回目の電話がかかってきたのは、お昼前のことだった。

「最初の電話の1時間半後くらいかしらね。このときは新宿のデパートの何とか管理センターみたいなことを言ってましたね。で、さっきとは別の男の声で“先ほどクレジットカードの件で電話があったと思いますが”と前置きしてから、“実は坂上様の銀行のキャッシュカードも危険にさらされている可能性があります。すぐに暗証番号を変えないと危険です”みたいなことを言うんですよ。そりゃあ、“先ほどクレジットカードの電話があったと思いますが”と言われれば、こっちも確かにそうだってなっちゃいますよね。

 それで、“ひいては、私どもで暗証番号を変えるお手伝いがしたいと思います。被害が出る前に一刻も早く番号を変えないといけませんから”と畳みかけてくるんです。私も、確かに暗証番号は変えないとまずいと思ったので、そのまま相手の話を聞いていたんですね。で、これは私の大ミスなんだけど、問われるままに、うっかり暗証番号を教えちゃったの。すると“よろしければ、暗証番号を変えるための手続きを、こちらで代行いたします。ですので、今すぐそちらにキャッシュカードを取りに伺います”って言って、電話が切れたんです」

 ずっと、“何かが変だな”と感じていた淳子さんは、そこで一度、冷静に考えてみたのだという。

「よく考えると、私のカードの暗証番号を変えるのに、“向こうがわざわざうちに来る”。それも“今すぐ”に。それで、これは絶対におかしい!となり、すぐに荻窪警察署に電話したんです。もともと私の住む東京・杉並区は振り込め詐欺などを防止するための広報活動に熱心で、70歳以上のお年寄りの家に婦警さんから“気をつけてくださいね”とよく電話がかかってくるんです。私も電話機の前に荻窪署の電話番号を大きく書いた紙を貼ってあるくらいなんですよ。それで電話をすると警察の人が“すぐにそちらに向かいます”と」

 だが、警察が来る前に、電話の男が訪れてきた。

「インターフォン越しに、“キャッシュカードを取りに伺いました”と言うんです。これは絶対ドアを開けちゃダメだと思って、“今、ちょっと手が離せないの”と言うと、男は意外にあっさり帰っていったんです。その直後に荻窪署の私服刑事さんが2人来てくださって。事情を話すと“また男が戻ってくるかもしれないから”ということで、しばらく私の家で張り込みをすることになったんです。2回目の電話があってから、男が現われるまでの時間は10分ちょっと。最初から、私の家の近くで仲間がスタンバイしていたんでしょうか。それを思うと、ちょっと怖いですよね」

 刑事たちは3時間ほど待機し、午後4時くらいに引き揚げていったのだが、再び5時半頃、また、男から電話がかかってきたという。「また“今すぐ伺います”と言うんですが、私は、お店に行かないといけないので、“今から出なくちゃいけない”と伝えると、男は“では明日の午前10時に伺います”と。それで、また荻窪署に電話をして、翌日も刑事さんがうちで張り込みをすることになったんです」

 振り込め詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺などに代表される「特殊詐欺」とは、不特定多数の者に対して電話、FAX、メールなどの通信手段を用いて現金などをだまし取る詐欺のこと。「今年2月の警察庁の発表によれば、2016年の特殊詐欺の被害額は406億3000万円と2年連続で減少したものの、認知件数は1万4151件で前年比2.4%の増加。被害者の約8割を占めるのが65歳以上の高齢者です」(全国紙社会部記者)

 坂上ママ、淳子さんのケースは、まさにそれだったわけだ。二段構えの「銀行カード詐欺」に、どう立ち向かったのか。本人の話を続けよう。

「犯人は翌11日の午前10時に来ると言っていましたが、実際に来たのはお昼頃でした。荻窪署の刑事さんは前の日とは違う2人でしたが、午前9時にはうちに来て待機を開始。犯人を現行犯逮捕するための打ち合わせを3人でやりました。逮捕するためには、私の銀行カードを犯人が実際に受け取る必要がある。なので、受け渡しの瞬間には玄関近くの、バスルームに向かう廊下に潜んでいる刑事さんたちに聞こえるように、私が大きな声を出すことになったんです。緊張感でドキドキだったかって? いや、そうでもなかったです。刑事さんが一緒にいてくれる安心感があったからと思いますが」

 約束の10時から2時間後の正午頃、チャイムが鳴った。淳子さんはすぐに、対応に向かった。

「出ると若い女なんですよ。黒のパンツスーツに白ブラウス、黒のカバンという、いかにもきちんとした会社員らしい格好はしてるんだけど、5センチはあろうかというつけ爪にクルクルの付けまつげ、幽霊みたいに白く塗った顔に真っ赤な口紅という姿を見て私、思わず笑い出しそうになっちゃった。あ、この子アルバイト? って(笑)。もうバレバレ。それで、まずは彼女が出してきた書類に銀行名と私の名前を書き込むと、“それではキャッシュカードをお預かりします”と女が言うから、私は“はい、これがカードです”と、わざと大きな声を出したんです」

 カードが女の手に渡った刹那、淳子さんの脇をすり抜けて2人の刑事が飛び出す。「12時○分、容疑者を確保!」 現行犯逮捕。ドラマのままに、刑事に手錠をガチャッとはめられた女は、能面のような表情のまま、その場で固まっていたという。捕まった女は、いわゆる“受け子”だったようだが、特殊詐欺はなかなか逮捕に至らない。

 警視庁からは、「最近では、キャッシュカードをだまし取る手口が急増しています。どんな名目でもキャッシュカードを自宅に取りに行くことはありません。間違いなく詐欺ですので、すぐに警察署への通報をお願いします」との回答があった。

 今回のお手柄で警察から報奨金として金一封が贈られた淳子さんは、「まさか自分が、こういう体験をするとは」と言いながらも、「詐欺に引っかからないためには、一度立ち止まってみることが大事だと思います。それで少しでもおかしいと思ったら、すぐに警察に電話をすることですね」と話してくれた。

 見事、詐欺犯を返り討ちにした淳子さん。さすがは坂上忍ママ! 犯人は相手を間違えたようである。

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