「みをつくし料理帖」実力派女優・黒木華でも“眉”のコントロールには苦戦!

「みをつくし料理帖」実力派女優・黒木華でも“眉”のコントロールには苦戦!

「みをつくし料理帖」で主演を務める黒木華

5月13日(土)スタートの時代劇「みをつくし料理帖」(NHK総合)で、黒木華が腕一本で料理人として身を立て奮闘していく天涯孤独の女性・澪を演じる。NHKドラマ初主演となる彼女にドラマへの意気込みを聞いた。

――このドラマの話が来た時の感想は?

原作がすごく人気のある、愛されている作品ですので、いろんな人に『華ちゃんがやるんだね』と言ってもらえましたね。だから『私で大丈夫かな』とも思いましたけれど、そのために自分で料理をしたり、柳原(尚之・紀子)先生という和食の先生のところにお伺いして、勉強していました。

――もともと料理はする方ですか?

鍋とか煮物とか、和食は作るんですが、自分自身に作るものが多かったので、ドラマ出演のためにきちんと教えていただきました。先生のところでは基礎的なことはもちろん『はてな飯』や『とろとろ茶碗蒸し』など、ドラマに出てくる料理の練習をしました。カツオを最初からさばいたりもしました。

――その出来栄えは?

ブリはさばいたことがあったんですけれど、カツオは初めてで、もう5、6本さばきました。自分でもすごく食べましたし、周りもおいしいとってくれました。実際の撮影ではお客さん役の方用にたくさん作らないといけないので、それはもちろん先生が作ってくださっています。それもやはり、おいしいです(笑)。

――ドラマでは出汁(だし)の取り方が大きなトピックになりますが、その練習も?

はい、ありがたかったです。自分で出汁を取るって、時間がない中、料理を作っているとなかなかできないことなので。そういう基礎的なことを知ることによって家で試すこともできたので、あらためて、すてきだなって思いました。劇中ではカツオ節を本当に削るんですが、粗く削って出すとやっぱり香りがいいですし、すごく細かいことで、こんなに味が変わるんだなって思うことがたくさんありますね。お米も、研ぎ方でつやっとしたり。今和包丁を使っているんですけれど、『自分の力ではなく、包丁の力で切る』いうことを意識すると、野菜もすごく美しく仕上がりますし、そういう細かいところがすごく勉強になりました。

■ 料理と、演技には共通的も

――実際に自分に作る料理と違って、撮影での料理に難しい点は?

盛り付けは難しいですね。あと、江戸時代ということで、板場に座って料理をするということが一番難しかったです。普段座って料理はしないので(笑)、そこは大きく違いました。。体重の掛け方だったり…あと、撮影では撮られるための料理をしなくてはいけないのに、必死になってしまって笑うのを忘れてしまったり、お芝居と料理を同時にする難しさはありますね。

――澪という女性をどう捉えて演じられていますか?

『下がり眉』が特徴で、頼りなさそうな子なんですが、芯はすごくしっかりとしていて、料理に対しての強い気持ちもあります。過去にいろいろ抱えているけれど、それを乗り越えられる力と周りの人に助けてもらう運のある、強い女の子だと思っています。

――お芝居で気をつけているのは?

下がり眉ですね。私、そんなに下がっていないので、鏡で下がってるかな?と確認したり。でもこれは(澪の)アイデンティティだと思いますし、台本にも何度も書かれているので、そこは意識しています。

――料理と演技で似ていることはありますか?

『料理は料理人の器量次第』というセリフがあるんですが、演技も役者さんの気持ちの持ちよう次第な部分があると思うんです。丁寧に時間をかければかける分だけ良いものになるという所は少し似ていると思います。サボろうと思えばサボれるけれど、多分それが味に出てしまうというか…。お芝居にも出てしまうのかな、と思います。

――劇中「食は人の天なり」という、「口から摂るものだけが人の体を作る」という意の言葉も登場しますが、演じていてそれを実感することはありますか?

はい、やっぱり食べるものって大事だと思います。ロケ弁とかコンビニのお弁当など、外でお弁当を食べることがすごく多いのですが、そうすると何となく温かいものを食べたくなりますし、疲れていると私、おいしいものを食べに行きたくなるんです。口に入れる物っていうのは、やっぱり少しでも自分が欲していたり、どういう風になりたいか、というものにつながることだとすごく思います。

■ 私は多分、人と出会える運がすごくいい

――黒木さんも、澪と同じ大阪のご出身ですよね。ドラマでは食に対する東西の考え方の違いが出てきますが、ご自身が上京時に実感されたことは?

初めて東京に来た時に、たまたま駅のそば屋さんに入ったのですが、お出汁がすごくしょっぱかったのが衝撃でした。『何で!?…』って(笑)。今は、人に『ここがおいしいよ』と教えてもらったところに行くようにしています。関西の方は基本的に薄味なので。あと、色みを大事にするとか、そういう違いはあるかもしれないですね。

――先ほど澪が人に助けられるという話が出ましたが、ご自分自身、出会いで感謝しているものはありますか?

私は多分、人と出会える運がすごくいいんです。自分自身には何もなくて、本当に助けてもらってここにいるので。最初はもちろん野田(秀樹)さんとの出会いがいちばん大きいですし。そういうのは結構感じたりします。プライベートでは、清水葉月さんという女優さんととても仲がいいです。ライバルなんですけれど、嫌な関係ではなく、ただ単純にお互い頑張り合える関係性で、いつも一緒にご飯を食べています。清水さんと出会えたことは、私の中では大きい出会いでした。同じ仕事をしている友人が少ないので、清水さんと仕事の話はよくしますね。あとは大学や高校の友人が多いです。あと東京に出てきて初めてアンサンブルとして出た芝居で、仲良くしてくださった先輩の女優さんがいて、その人とは今でも交流があり、会わなくてもつながっていられる人の一人です。

――お店「つるや」に集う人々も擬似家族を形成していきますが、キャストの方とのチームワークはいかがですか?

はい、和気あいあいとやっております。小日向(文世)さんといることが多いので、よく話し掛けてくださいますし、ムードメーカーで場を盛り上げてくださいます。家族感? 出て…きた、かな?(笑)。撮影が朝から夜までやる事が多く、夕方を越すくらいからだんだんみんな疲れてきて『(小声で)疲れたね、もうちょっと頑張ろっか』って言い合う感じとかは、家族っぽくなってきたかもしれません。小日向さんがお父さんという感じです。

――最後に、思い出の一皿を教えてください。

母の料理は何を食べてもおいしいんですけれど、実家に帰って割とリクエストするのは餃子ですね。父と私と弟で餃子を包んで、母が焼いて、家族で食べるんです。餃子は一人ではあまり作らないので(笑)。それはいつも頼んで、何となく食べ過ぎちゃう品ですね。自分で作るものも、母の味にちょっと似ていると思います。『こういうの作ったよ』って言ったら、『じゃぁ今度帰った時作って』と言われますし。最近はこの作品のお陰で出汁をとってペットボトルに入れているんです。やっぱり出汁をとるとおいしいな、と思って。割とそんなに難しくないということに気づいたので、使い切っても、また作りたいと思います。

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