奥華子、新アルバムは「今の自分を全て詰め込んだものになっています」

奥華子、新アルバムは「今の自分を全て詰め込んだものになっています」

シンガーソングライター・奥華子がインタビューに応じた

昨年メジャーデビュー10周年の集大成ともいうべき全曲ツアーを成功させ、今年新たなスタートを切ったシンガーソングライター・奥華子が、5月17日(水)に9枚目のアルバム『遥か遠くに見えていた今日』をリリース。

“いま”の彼女にしか届けられない珠玉の14曲が収録された本作を、本人による解説で紹介しつつ、5月27日(土)に始まる弾き語り全国ツアーの意気込みを語ってもらった。

――今回のアルバムは完成してみてご自身としてはどのようなアルバムになったと思いますか?

そのときそのときに出来たものを入れていくという感じで、テーマというものをあえて置かずに、今の自分を全て詰め込んだものになっています。

アルバムのタイトルを決める段階で、今回のアルバムはどんな感じかなと考えたとき、一貫しているなと思ったのが、人っていつまでも生きていられるような感覚でいるから、後回しにしてしまったり、後悔したり、その繰り返しなんだろうなと。

でも、そうじゃなくて、人生には限りがあるからこそ、一瞬一瞬を大切に生きたいというメッセージがどの曲にも入っていると思います。最初から考えていたコンセプトというわけではないんですが、結果的にこのアルバムを象徴する内容になっています。

――なるほど。それではせっかくなので、1曲ずつご紹介いただけますか。まずは「Rainy day」をお願いします。

今回のアルバムでは、この曲だけインディーズ時代に作った曲で、少し昔の曲なんです。ライブではよく歌っていたんですけど、私にとってもすごく大切な曲ですし、ファンの方も“影の人気曲”だったので、なかなか簡単にはCDにできないなと。

でもやっと自分の納得いくものになったといいますか、バンドと一緒に録音したんですけど、すごくすてきなメンバーと作れて、納得のいく曲になりました。

――1曲目に入っているということは自信の表れということですか?

そうですね。とても納得のいく形になったので、1曲目に持ってきたのは自信の表れと言ってもいいかもしれません。一発目に勝負曲を持ってきた感じです。

――なるほど。では、「恋のはじまり」はどういう曲でしょうか?

これは曲と歌詞が一気にできました。すごく短い曲ですけど、アレンジも自分で完結させていて、「恋のはじまり」というタイトルもそうですが、全部で1つのメッセージになっています。耳心地がいいという意味でも気に入っている曲です。

――確かにすごく耳に残りますよね。3曲目の「愛という宝物」をお願いします。

これはラジオのオフィシャルGREENキャンペーンソングということもあって、「エコと愛」というのをテーマに曲作りをしました。エコや愛ってかなり大きなテーマなんですけど、実はとても身近で共通している部分があって、それをうまく融合できないかなと思い、この歌詞を書き始めました。

すごくハッピーな曲ですし、アレンジもかなり爽やかなギターサウンドになっていて、自分でアレンジもしたんですけど、奥華子にしては珍しい爽やかな曲ですね(笑)。

――それは意識的に爽やかな感じにしたのでしょうか?

そうですね。やっぱりキャンペーンのテーマもテーマですし、そのために作った曲なので暗い曲だとまずいだろうなと。ですから、なるべく明るく、その中に込めるべきメッセージは込めて、という感じです。

――そして、4曲目の「プロポーズ」はCMでもたくさん流れていてファンの多い曲ですよね!

そうですね、これは「MAST」さんのCMソングで、もともと“幸せの入口に”というテーマで新しくCMが変わるとき、そのテーマ曲として作りました。

自分なりに幸せの入口をテーマに作った曲なんですけど、最初サビの部分がメインに使われていたのですが、CMのおかげで大変な反響を頂いたので、本当にいい曲にしたいなと思いまして、かなりアレンジにもこだわって曲を作りました。

――反響はどういったものが多かったですか?

ファンの方もそうですが、CMなので奥華子を知らない方もSNSで「MASTのCM曲イイよね」という感じでつぶやいてくださっているのを見かけました。それはすごくうれしかったですね。

――では、5曲目「彼女」をお願いします。

もともと「あなたの好きな私」というタイトルにしようかなと思っていたくらい、珍しく自分が相手を振る曲なんです。「あなたの好きな私にはもうなれない」という、心変わりを歌っている曲で、好きだった気持ちははこうやって消えていくんだっていうのを歌いたかったんです。

自分が振られてしまう切なさより、自分が振る切なさってあると思うんです。それを歌っているのですが、私としては珍しくピアノを弾いていなくて、ギターとドラムと、ストリングスカルテットという編成になっています。あえてシンプルにしてみたのですが、それがうまくいったという印象です。

――ある意味では挑戦的な曲ということですか?

挑戦ということではないですが、普段からピアノは“相棒”なので最初入れようと思ったんですけど、なくてもいいかもね、と考えるようになって。むしろない方がいいかもって感じで、引き算を重ねて完成したという曲です。

――いろいろ削いでいったら絶妙な曲に仕上がったのですね。続いて「365日の花束」はどうでしょう?

この曲は、タイトルを最後に付けたんですけど、「いつでも貴方なら大丈夫だと思っていた馬鹿だよね」という、本当は幸せだったのにその当時は気付かなかったという、今回のアルバムを象徴する1曲です。

奥華子は「失って気付く大切さ」という感情をずっと歌ってきたんですけど、そういう面ではどストライクな曲ですね。毎日が幸せなのに、日常的過ぎてその幸せに気付かなかったり、何か特別なものを求めてしまっているなというのを恋愛ソングにしたくて作りました。

――そしてアニメのテーマ曲「キミの花」ですね。

こちらはTVアニメ「セイレン」(TBSほか)のオープニングとして、台本を全部読ませていただいて作りました。アニメのオープニングということで、明るい曲になっています。

高校生が恋をしていくというストーリーなんですけど、人を好きになったときのドキドキだったり、何とも言えない気持ちだったりを曲にしようと思いました。この曲は割とすぐ歌詞も曲も浮かんできて、アレンジもスムーズにいった曲ですね。

――それはすごい! ちなみに詞と曲ではどちらが先に完成することが多いでしょうか?

私の場合、歌詞から先に作るということはほぼありません。たまに意識して歌詞を作ってからメロディーを合わせることもあるんですけど、基本はメロディーを先に作り、そこに鼻歌のようにして歌詞を載せていって、だんだん歌詞を作っていきます。

――歌詞は歌詞で何作かストックしておくということもあるのですか?

それはないですね。でも、たまにこのフレーズいいなとか、心に残った言葉とかを書き留めておくことはあります。

――ありがとうございます。「ほのぼの行こう」はゲームの宣伝でもよく聴きました。

これは「牧場物語 3つの里の大切な友だち」(ニンテンドー3DS)というゲームソフトのイメージソングとして作らせていただいたんですけど、牧場を作ったり、自然の中で過ごす人たちの生活だったり、今の自分からしたら非日常なんですけど、人間の一番あるべき姿というか。

自然と共生して動物たちと一緒に暮らす、というイメージをしながらアレンジもすごく楽しんで作りました。

――歌詞もとてもほのぼのしていますよね。これも「牧場物語」の資料映像を見て書かれたんですか?

そうですね。シリーズ20周年ということで、すごく人気のある作品なので、ファンの方も大切にされていると思ったので、みんなに納得してもらえるようなイメージソングになるように、ゲームの世界観を大事に作らせてもらえたらと思って作りました。

――続いて、毎朝流れていました「じゅん散歩」(テレビ朝日)のテーマソング「思い出になれ」はどうでしょうか?

これはシングル曲なのですが、シングルの候補として何曲か作った中で、これだね!となって決まった曲なんですけど、男性目線での失恋ソングです。ちょっと強がりな「思い出になれ 思い出になれ」って繰り返していて、本当は思い出にはできないんですけど(笑)。曲調はちょっと明るくて、歌詞は切ない感じが好きで作っていた曲ですね。ハモリとかも普段はあまり入れないんですけど、これはコーラスを入れています。

――では、「キミの花」と両A面でシングル化もされている「最後のキス」はどうですか?

そうですね。両A面の「キミの花」が奥華子としては珍しく明るくて今までと違う曲調だったので、もう1曲は王道の奥華子ソングにしたいなと思いました。THE失恋ソング、失恋バラードという感じにしました。

ずっと温めてきた曲で、メロディーは結構前から出来ていたんですけど、曲はある程度作ってもなかなか納得いく感じにならなかったんです。でも、この両A面シングルに向けて何とか仕上げたいなという思いで作りました。そのおかげで思い入れも強いですし、とても奥華子節な失恋ソングになりました。

――特に奥さん的に納得いった部分はどこでしょうか?

「我が侭言ってみたり すぐに喧嘩出来たのは どんな明日も あなたがいると思っていたから」というのは、今回のアルバムのテーマにも当てはまりますよね。

――確かにピッタリですね! 次は11曲目「Mail」をお願いします。

恋愛ソングは世の中にもたくさんあるんですけど、それをメールという行動一つに絞って、そこだけにスポットを当てて作った曲なので、かなり“狭い”曲なんですけど、だからこそより掘り下げて作ることができた感じです。

そこから見える2人の関係性もあるのかなと。でも、曲は自分の思いももちろんあるんですけど、聴いてもらった人にどう感じてもらうかなので、こちらから限定はしたくないんですけど、シンプルで力強い感じになったかと思います。

――メールが視点の曲というのも新鮮な印象ですよね。では「アイスクリーム」はどうでしょうか?

今じゃなきゃダメ、ということを表す象徴としてのアイスなんですけど、ラーメンでも冷めたらおいしくないし、アイスだと原形をとどめないと言う意味で、恋愛でも仕事でも今!っていうタイミングはあると思うんですけど、そういう意味で作りました。

――確かにそう言われるとアイスクリームって“今”を象徴していますね。13曲目は「スタンプラリー」ですね。

これはメッセージソングのような感じで、今回のアルバムの中では最後の方に作った曲なんです。明るい感じで、恋愛ソングではないメッセージソングを作りたいなと思って作った曲ですね。

――メッセージ性の強い歌詞も印象的ですね。では、ラスト14曲目の「遥か遠くに」をお願いします。

これも最後の方で収録しているんです。弾き語りが奥華子のスタイルなんですけど、どうしてもその弾き語りで録りたい!という思いで作った曲で、今回のアルバムタイトルにも通じていて、今だから歌える曲をと思っていて、自分の今をさらけ出した曲になっています。

――奥さんの今が詰まっているんですね。そして奥さんはデビュー12年になられると思いますが、デビュー当時と比べて今と音楽観が変わったなと思われますか?

デビューしたときは、路上ライブでとにかく目の前の人の足を止めたい、ということしかなかったんですけど、今はCDで全国各地で聴いてくださる目に見えない人にも届けなくちゃという思いもあります。

関わってくれているたくさんの人たちの顔が浮かびます。本当に自分だけの力じゃなくて、全国のお店の人にCDを置いてもらうことのすごさ、大切さ、1曲ラジオでかけてもらうことの大変さを当時はあまり分かっていなかったんですけど、今の方がすごく分かるし、感謝の気持ちは全然違いますね。そこが一番変わりました。

――5月27日(土)から約半年間にわたって全国ツアーが開催されますが、意気込みをお聞かせください。

アルバムを持ってツアーというのは久しぶりです。ずっと10周年ツアーとかスペシャル全曲ライブだったので。またここからスタートだなという新しい気持ちで、自分の代名詞でもある弾き語りに自分自身また挑戦していきたいです!

――頑張ってください(笑)。最後にファンの方にメッセージをお願いします。

切ない曲から明るい曲まで14曲いろいろな曲が入っているんですけど、何かこう自分の人生と照らし合わせながらしみじみ聴いてもらえるアルバムになったと思うので、いろいろな年代の方に聴いてもらいたいですね。よろしくお願いします。

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