「バイオハザード:ヴェンデッタ」深見真×小林裕幸SP対談!(後)

「バイオハザード:ヴェンデッタ」深見真×小林裕幸SP対談!(後)

映画「バイオハザード:ヴェンデッタ」深見真(写真右)と小林裕幸(写真左)対談の後編

5月27日(土)より公開のフルCGアニメーション映画「バイオハザード:ヴェンデッタ」から、脚本の深見真、原作監修のカプコン・小林裕幸の対談をお届け。後編の今回は、シリーズの人気女性キャラ・レベッカが今作に登場するまでの経緯や、アクションシーンの秘密、前編からさらに過熱した深見の「バイオ」愛などを語ってもらった。

【インタビュー前編「『バイオハザード:ヴェンデッタ』深見真×小林裕幸SP対談!(前)」より続く】

――ゲームシリーズからクリスとレオンに加え、人気の女性キャラであるレベッカ・チェンバースも出演します。

小林裕幸(以下小林):深見さん、レベッカを描くのはどうでした? レベッカが出る初代「バイオハザード」(以下“1”) と「バイオハザード0」は遊んでくださっていると思うのですが、そこから空白の歴史があって、今回いきなり出るキャラですから。

深見真(以下深見):レベッカを出すことについては、小林さんから話があったんですよね。舞台版の「BIOHAZARD THE STAGE」でも出ていたこともあって。

小林:まず「今作でも女性キャラを出したい」という要望が制作側からありました。「バイオ」のCG映画の女性キャラは、1作目にクレア、2作目にはエイダが出ていて、違うキャラクターを出したいということで最初はジルを出す話だったです。ただ、ジルは設定が複雑で、今回のシチュエーションだと出しにくいキャラなので、「ややこしいからやめてください」と(笑)。

(※「バイオハザード」のCG映画作品は「バイオハザード ディジェネレーション」(2008年)、「バイオハザード ダムネーション」(2012年)が製作されており、今作の「バイオハザード:ヴェンデッタ」が3作品目)

深見さんのお話の通り、舞台版の「バイオ」が2015年にあったのですが、そこにレベッカを登場させていました。その際、S.T.A.R.S.を出た後の彼女の設定を、新たに作っていたんです。BSAAなどの特殊部隊に入れると他のキャラと同じような設定になってしまうので、彼女はウイルスの危機から人々を守るために、裏方として研究側でクリスやレオンをバックアップさせようと。よく映画やドラマにある、“大学教授が刑事やFBIに協力する”みたいな立ち位置がいいんじゃないかと思い、設定を入れ込みました。

(※S.T.A.R.S.…レベッカやクリスが所属していた、ラクーン市警の特殊作戦部隊)

深見:今回、小林さんがその舞台版の設定をいろいろと教えて下さり、今作に出しやすい立ち位置のキャラだったので使わせていただきました。ですので、舞台も見に行きましたよ。

小林:一回作った設定は有効活用しないと(笑)。

深見:そこからは、白衣で登場するなどの細かい部分もとんとん拍子で決まっていきました。

小林:今回、レベッカはやたら衣装が変わりますよね(笑)。ウエディングドレスもあるし。

深見:“1”をオマージュした衣装もありますね。

小林:そうですね。S.T.A.R.S.っぽい服も着せていますし、着替えが多いです。レベッカはスタッフみんなに好かれているので出番が増えましたし、マーザさんも気に入ってシャワー後に髪がぬれている描写を入れたりもしています。

深見:たぶんあれは大変でしたよね(笑)。

小林:髪をぬらすだけで別のCGモデルを作らなければいけないので、よくやったなと(笑)。

物語でレベッカは、ピンチになって血がかかったり、ウイルスの危機にさらされたりするのですが、その表現の加減はうるさく言いましたね。「うちの女優なのであまり血をかけないでください」とか、「顔を汚さないで」とか(笑)。

深見:マーザさんの作ったレベッカはかわいいですよね。ちゃんと年齢を重ねているように見えて、それでいてかわいらしいという。実在感もあって、すごくいいモデリングだと思います。

小林:実は、最初は心配していたんです。登場人物の中では若いキャラなのですが、つるつるの肌のキャラってクオリティーが上がりにくく、初めの頃はすごくCGっぽさが出てしまっていたんです。最終的にはぐっとクオリティーが上がり、いいバランスで落ち着いたので良かったなと思います。

深見:脚本会議の時にも、「ウエディングドレスを着せたら『なんだこれ?』と思われて興味を引けるんじゃないか」など、レベッカに関してはいろいろなアイディアが出ました。

――衣装やモデルなど、レベッカはかなりこだわられているんですね。

深見:衣装といえば、自分は「バイオ」シリーズの衣装が大好きなんですよね。ゲームで“隠し衣装”があるじゃないですか。あれを出すのが大好きで(笑)。

小林:(笑)

深見:「解禁の条件厳しいな〜」とか言いながらプレイしています(笑)。「バイオハザード5」(以下“5”)の衣装がバリエーション的にも一番好きで、シェバのOL風衣装とかで遊んでいました。

――さすが、シリーズの大ファンなだけありますね(笑)。ゲームから登場するキャラクターだけでなく、今作は敵役のグレン・アリアスなどオリジナルキャラクターも登場します。

深見:アリアスは新キャラクターだったので、どうするか手探りでのスタートでした。

小林:アリアスは“サイコ”な面を持っていますが、深見さん的にどう味付けをしたんですか?

深見:そうですね…彼はただの“サイコ”キャラではなく、ちょっと悲しい感じも背負っているじゃないですか。

小林:奥さんへの愛情もありますしね。

深見:新たに設定などを作りださなければならないので、新キャラクターは新キャラクターなりの難しさがあるのですが、やっぱりカプコンさんのキャラクターを使うときは大変なんです。例えば「ウェスカーが出てきて死にます」という話はできないじゃないですか(笑)。彼には彼のドラマがあるので出しにくいですし、過去に登場した他のキャラを勝手に悪役にしたりというのもすごく難しいので。

(※ウェスカー…多くのゲームシリーズに登場する、「バイオ」の最重要人物の1人)

一方、アリアスは「悪役が出てきて悪いことをやって、そいつを倒したら終わり」という、アクション映画として今回のお話が終わるためのキャラになります。映画としての完成度を背負ってもらうキャラクターになるわけなので、自分はアリアスにすごく思い入れがあります。

小林:アリアスは敵としてすごく強いですよね(笑)。

深見:自分は格闘技やカンフー、銃撃戦などアクション路線の「バイオ」が好きなので、そういった面を背負ってほしいという意図を込めて描写しました。悪役が強い点が最近のバイオの魅力だと思いますし、軍隊格闘技風のバトルがあるのも「バイオ」らしさだと思うので、そういう要素を描きたいなと。そこから、アリアスはとても強くなりました。

小林:冒頭の洋館での戦闘シーンからして、ただ者ではないですよね。

深見:「バイオハザード4」(以下“4”) 、“5” 「バイオハザード6」(以下“6”) と、必ずどこかで格闘戦が入りますよね。あれが自分はすごく好きなんです。接近戦になった時の体術のパターンが“4”ぐらいからだんだんと増えていって、“6”でその要素が極まるんですが、その場面だけ見ていたいくらいパターンが豊富になっていて(笑)。ちょっとプロレスっぽい技だったり、カンフーっぽかったりと、キャラクターごとにも特色が出ているんです。

そんなゲームのアクションを少し思い浮かべながらト書きにいろいろと書いたのですが、辻本(貴則)監督( ※辻本監督の“つじ”の字は一点しんにょう)とアクション監督がそれを何倍にも膨らませてかっこいいシーンに仕上げて下さったので、ゲームファンとしてもアクション映画ファンとしても大満足です(笑)。今作では“6”の体術をさらに過激化させたようなシーンがあるので、楽しみにして欲しいですね。

小林:クリスとアリアスのバトルシーンは見ものですね。特に後半のバトルはみなさん驚くんじゃないでしょうか(笑)。

――あのバトルシーンはアクションファンもおなかいっぱいになると思います! では、最後に読者へメッセージをお願いできますか?

深見:バイオファンなら必ず満足してもらえる作品に素晴らしいスタッフが仕上げて下さったので、ゲームをプレイしたファンはもちろん、ただ単にアクション映画が好きという方でも楽しめると思います。いろいろな方に見ていただければ嬉しいです。

小林:僕自身映画がとても好きなのですが、今作は異なるジャンルの映画に関わっているさまざまな方々に参加していただき、それぞれのエッセンスが詰まった盛りだくさんな作品になりました。「バイオ」が好きな方はより楽しめますし、「バイオ」を知らないまま1つのオリジナル映画として見ていただいても、ホラー・アクション・ドラマで十分満足していただける作品になっております。絶対おもしろいと思いますので、だまされたと思って見てください!(笑)

深見:(笑)。

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