期待の新進女優・山下聖菜「私にしかできない“何か”を見つけられたら」

期待の新進女優・山下聖菜「私にしかできない“何か”を見つけられたら」

幻想奇譚 白蛇伝」で主演を務める新進気鋭の女優・山下聖菜

デビューから舞台を中心に活動している注目の若手女優・山下聖菜が主演を務める舞台「幻想奇譚 白蛇伝」は、中国の著名な民話をベースにした純愛物語が展開される壮大なファンタジー。

「ミュージカル忍たま乱太郎」をはじめ、2.5次元ものからサスペンスまで幅広いジャンルの作品を手掛けている菅野臣太朗が、美しい歌と音色、ダンスや中国武術などを織り交ぜながら妖(あやかし)と人間の許されぬ恋を描いていく。

山下が演じるのは、愛に生きる白蛇の化身・白娘(パイニャン)。劇中では、身分違いの恋に落ちていく白娘の人間界での姿と、それを懸命に隠そうとする“もう一つの姿”を披露する。女優として経験を積み、着実にステップアップしている彼女の作品への思いを中心に、休日の過ごし方や好きな食べ物、これからの目標などを聞いた。

――まずは、自己紹介からお願いします!

山下聖菜、18歳です。福岡県出身で、中学3年生の時に上京してきました。今年の春に高校を卒業して、今は大学に通っています。

――プロフィールの「特技」欄に、ダンスと殺陣が書かれていますね。

ダンスは小学生の頃からやっていて、殺陣に関しては上京してきてから始めました。両方とも大好きです!

――芸能界に興味はありましたか?

実は、全くなかったんです。事務所の方にスカウトしていただいた時も、自分の中では別の夢がありました。

――別の夢とは?

ウエディングプランナーになりたいなと思っていました。

――その夢もいいですね〜。では、女優をやってみようと思ったきっかけは?

スカウトされた後、事務所の先輩方がお仕事をされている現場を見学させていただきました。その時にものすごく魅力を感じて。やってみようという気持ちになりました。

――デビューは、人気演出家の西田大輔さんの3作品を一挙に上演する舞台シリーズ「FromChester Copperpot」の「NEW WORLD」という作品でしたけど、それまでに舞台を見たことはあったんですか?

一度も見たことがなかったんです。だから、未知の世界でした。初めて見た時に、お客さんとキャストの方たちが一体となっている空間が異空間と言いますか、不思議な感じがしたんです。その何とも言えない世界にハマり込んでいきました。

――いざ、自分が“出る側”になった感想は?

やっぱり、最初は戸惑いました。せりふを覚えるということも初めての経験だったので、台本を頂いたときに「私はやれるんだろうか?」って不安な気持ちに。でも、稽古が始まって、他の役者さんたちとお芝居をする中で、楽しさがどんどん増していって、本番は楽しく演じることができました。

――舞台の魅力は?

一つの作品でも、一回も同じものがないところ。お客さんの反応によって、私たちの演技も変わっていくんです。「あれ? このシーン、昨日は全然笑いが起きなかったけど、今日は皆さん笑ってるな」とか。日によって全然違うので面白いです。本番中に、目の前に座っている方の泣いている顔が見えたりもしますし。

――結構、冷静ですね。

お客さんの顔って、意外と見えるんですよ。共演者の方と、客席のリアクションについてお話することもよくあって、それが次のお芝居につながったりするんです。

――今回、主演される舞台「幻想奇譚 白蛇伝」は、中国民話がベースになっていますね。

そうなんです。私が演じる白娘は蛇なんですけど、登場するキャラクターの中で一番人間らしいなって。とても素直に生きている感じがします。純粋で真っすぐなところが魅力的。その真っすぐさをしっかりと表現できたらいいなと思っています。

――演じる上で心掛けている点は?

自分が思ったことを信じる、信じたいという白娘の気持ちには私も共感するんですけど、今回は自分と重ねるということではなく、演出の菅野さんが描く世界観に沿ったものをつくっていきたいなと思っています。

――菅野さんからは、どんな白娘像を求められていますか?

びっくりするぐらい真っすぐでいいと言われています。ちょっとした迷いも見せてはいけない。それは、私も感じていた部分で、迷いが生まれた瞬間に白娘ではなくなってしまうんです。

――本番が近付いてきて、ますます稽古にも熱が入りますね。

今回の作品では、初日からすべての動きをつけた稽古だったんですよ。演じる側としては、その方が物語の全体が見えてくるので、その後に細かくお芝居を作っていく過程でやりやすくなるんです。それは、すごくありがたかったですね。

――せりふ覚えは苦労しないタイプですか?

一年前に演じた役のせりふをまだ覚えていたりはするんですけど、覚え方はどちらかというと効率が悪いかもしれません。まずは、台本を最初から最後まで全部読むんです。その後にせりふを書いたり、自分で読んで録音したりして。

どんどん段階を踏んでいくんですけど、ある程度進んだら、今度は自分のせりふの部分だけを声に出して読んで、また録音。それを繰り返し聞くんです。

書くこともそうですし、せりふを繰り返し聞いたり、声に出すと頭に入りやすい気がしますね。先輩方からいろいろ教えていただいたので、一つ一つ試しながら自分に合うやり方で覚えています。

――今回の稽古中、共演者の方から学んだことはありますか?

秋夢乃(あき・ゆめの)さんの佇まいが、ホントに女性らしいんですよ。うらやましいくらいすてきなんです(笑)。ぜひ、自分でもまねしたいですね。

――劇中では、殺陣のシーンが多いと聞きました。

そうなんです。かなり多いので、毎日居残り練習(笑)。先輩方に付き合っていただいています。どう構えたら格好良く見えるのか。動きが止まった瞬間の姿がすごく重要なんですが、そこが決まらないときれいに見えないので、アドバイスをいただきながら自分でも勉強しているところです。

――では、作品の見どころをお願いします。

純粋に「愛」というものが大きなテーマとしてあります。妖(あやかし)も人間も、それぞれに対していろいろな思いを抱いていて。捉え方によって、見え方も変わってくると思います。

白娘は人間を大切に思っている妖。大きな壁にぶつかる妖と人間の恋模様は、とても切ないです。根本的に悪い心を持っているキャラクターがいないので、感情移入できる役が多い作品。ぜひ、劇場に足を運んでいただけるとうれしいです。

――ちなみに、舞台の時のルーティンは何かありますか?

今年の3月に出演した舞台の時に初めてゆず茶を飲みました。現場にあったもので、ジャムのようなものを溶かすタイプ。飲んだらすごく気持ちが落ち着いたんです。これはいいなと思って、毎日本番前と舞台が終わった後に飲んでいました。

――好きな食べ物は?

おばあちゃんが作ってくれる黒豆です。お正月は、そればっかり食べています(笑)。どうやって煮ているのかは分からないんですけど、市販のものと何かが違うんですよ。いつか、自分でも作れるようになりたいですね。

――お料理はするんですか?

レシピを見ながらたまに作ります。時間があればですけど(笑)。料理は好きです。自信があるかどうかは…、自分で食べてみておいしいと思うぐらいのレベルではあると思います(笑)。

――苦手な食べ物は?

海藻全般。小さい頃から苦手です。家のおみそ汁は私だけワカメが入っていません(笑)。

――お休みの日は何をしていますか?

朝起きた時の気分次第で変わります。急に買い物に行きたくなったり、何の目的もなく2、3時間ぐらいブラブラ歩くこともありますよ。この前は一人でスカイツリーまで歩きました。

地上から「高いなぁ」って言いながら見上げて。結局、展望台には行かず、そのまま帰りました(笑)。いつも前もってスケジュールを立てないので、外出しない日はずっと家でDVDを見て過ごすこともあります。

――今後の目標は?

他の方のお芝居を見ていていつも思うのが、見ている人を引き込んでいく演技はすごいなということ。ついつい見てしまいますもんね。一つひとつの動きやせりふで引きつけられるようなお芝居ができるようになりたいですし、私にしかできない“何か”を明確に見つけられたらいいなと思います。

デビューからずっと舞台に出演しているので、映像作品にも興味があります。どういうふうに作っていくのか分からないので怖さもありますけど、いつか挑戦してみたいですね。

取材・文=月山武桜

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