黒木華、甘酸っぱくて大人味の「みをつくし料理帖」を味わう

黒木華、甘酸っぱくて大人味の「みをつくし料理帖」を味わう

土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」で主演を務めている黒木華

NHK総合にて放送中の「みをつくし料理帖」(毎週土曜夜6:05-6:43)は、江戸時代に、黒木華演じる大坂生まれの女料理人・澪が、料理の腕と天性の味覚で人々に認められていく様子を描く時代ドラマ。

本作でNHK初主演となる黒木にインタビューを行い、作品に懸ける思いや料理人を演じる上での苦労などを聞いた。

■ 料理と真っすぐに向き合う澪を尊敬しています

――澪のどのような部分に魅力を感じましたか?

澪はつらい過去もありますが、周りの人々に助けられて、人との出会いを自分のパワーにしてどんどん成長していくんです。そこがすごくすてきだなと思います。

女性でありながら大坂で務めていた料理店「天満一兆庵」の旦那さんに認められた舌を持っていて、料理を通して成長していく姿にすごく元気をもらえました。

芯の強さだったり、料理に対して譲れない気持ちは見習わないといけないと思っています。私はちょっとさぼりがちなので、澪ちゃんの真っすぐ料理と向き合う姿勢を尊敬しています。

――役作りでどのようなところを意識していますか?

時代物なので、着物の所作には気を付けています。今作は特に料理をするシーンが多いので、普段の生活に染みついている、手慣れた手つきや動きはどうやったらできるんだろうと考えながら演じています。

澪を表す言葉で、“下がり眉”というせりふがすごくよく出てくるんです。

原作を読んだ時に、澪のアイデンティティーだしかわいらしい部分だなと思ったので、撮影の時は意識して眉を下げたり、鏡を見て練習をしていました。

――澪のように、黒木さんも関西から東京に出てきて感じたことはありますか?

今の時代はそんなに違いはないと思いますが、東京に来て初めてそばを食べた時に、(関西に比べて)しょうゆの味が濃くてびっくりしました。

ドラマの中ではもっと顕著に上方と江戸の違いが描かれています。水の味が違うので、それに合わせてだしを変えたりとか…

■ ギョーザは心を感じる母の味

――普段自炊することは多いですか?

煮魚や煮物を作ったりします。あと、最近はないんですが、仕事以外のことを考えず無になりたい時に、シフォンケーキを夜中に作ったりしています。買ってくるご飯はすごく楽だし時々食べたくなりますが、健康のことを考えて最近は自炊をしています。

――料理のシーンでは撮影前から練習を積んでいたそうですが、どんなことをしていましたか?

本当に基礎の、だしをひくことやお米を炊くことから教えていただきました。大根のかつらむきをたくさん練習したことは、普段の生活でも使えるので勉強になりました。和包丁の持ち方や盛り付け方もこだわって撮影しているので、そこにも注目してほしいです。

――おいしそうな料理がたくさん登場しますが、食べるシーンではどのようなことを意識していましたか?

私は料理を作って出す側なので、残念ながら食べるシーンは少ないんです。でもどの料理もおいしいので、つい口に入れ過ぎてせりふが言えなくなることがないように気を付けています。

おいしそうに食べることは大事だと思うんですが、実際に料理がおいしいので努力をしなくていいんです。そこはすごく楽です。

――澪の原点はおかゆの味ですが、黒木さんの原点になっている食はありますか?

実家に帰って、母の料理を食べると落ち着きます。

母の味で育っているので、味付けが自分に合うんですね。きちんとおいしいものが分かるように、両親がいろんなものを食べさせてくれたことに、感謝しています。

――何かお気に入りの料理はありますか?

身内が言うのもなんですけど、母は料理が上手で、何でもおいしいんです。中でも、実家に帰ったら必ず作るギョーザが、みんなで作る時間も含めて好きですね。

いつもは普通の具材なんですが、私が撮影の関係でお肉が食べられなかった時には、豆腐と野菜のギョーザを作ってくれて、母の気遣いを感じてうれしかったです。

■ 登場するキャラクターが色鮮やかに描かれています

――共演されている方々とのエピソードなどはありますか?

種市役の小日向文世さん、ふきを演じている蒔田彩珠ちゃんとは「重版出来!」(2016年、TBS系)の時も一緒だったので、今回共演できてとてもうれしいです。

小日向さんは、「今好きな人いないの?」って聞いてきたり、たわいない世間話をたくさんしてくださるので、お父さんというよりはお母さんのような距離感です。

種市のように温かく見守ってくださっているので、すごく安心しますし、お芝居での掛け合いも楽しいです。

彩珠ちゃんのことは私がすごく好きで、妹のように感じています。受験生なので勉強を頑張っていて、よく「お互い頑張ろうね!」って言い合っています。

「重版出来!」の時は2回のゲスト出演のみだったんですが、今回は終わりまでずっと一緒にいられるので、私も彩珠ちゃんのお芝居に対する真っすぐさを見て、あらためて勉強させてもらっています。

彩珠ちゃんは、慣れてきて、気を抜いてしまいそうになる部分にも真剣に取り組んでいるので、見ていても話していても気持ちがいいです。

芳(よし)役の安田成美さんは、「ずっと見ていたいな」と思うくらい本当におきれいです。サバサバしていて明るい方なんですけど、お芝居に入ると病弱な芳になるんです。澪は芳のことを大人の女性として尊敬していて、母のように思って見ているんですが、私も同じ目線で安田さんのことを見ています。

小松原役の森山未來さんは、まだそんなに撮影をご一緒していないんですが、色気があって、時代劇に出たことがないというのは信じられないくらい、佇まいが美しいです。舞台で拝見した時もオーラと華があったので、小松原を演じるのにぴったりだなと思います。

――澪を突き動かす「食は人の天なり」という言葉がありますが、黒木さんにとってはどんな言葉が糧になっていると思いますか?

私の中で「役者さん」という人生が始まったのは野田秀樹さんのおかげなんです。2011年に「南へ」という舞台に出た時に、役に対して悩んで何が正しいかよく分からなくなってしまったことがあったんです。

そんな時に、「周りの人が『こうしたらいいよ』と言ってくれるかもしれないけど、女優さんは自分で考えなくちゃいけないからね」と言われたことをすごく覚えています。

野田さんには、自分自身がどういう選択をして考えていかなきゃいけないかということと、結局は自分にちゃんと責任があるんだということを教えていただきました。

■ 小松原と源斉、あなたはどっち!?

――澪は、小松原と源斉(永山絢斗)の間で気持ちが揺れていますが、黒木さんはどちらの男性が好きですか?

私は小松原さんが好きです!

原作に、両思いだったのに澪のために諦めるところがあって、大人で切ない恋にキュンとしたので小松原さんが好きですね。

ドラマでは、まだ恋を自覚していない段階なので甘酸っぱい恋として見てもらえると思います。藤本有紀さんの脚本が本当にかわいらしくて、ちょっと色っぽくて。こんな淡い恋もいいなと思いました。

森山さんも永山さんも本当に格好良くて、「2人とも、時代物の似合ういい男だな!」 と思いながら見ています。皆さんにもそういうお2人の姿も楽しんでもらえると思います。

この記事の続きを読む

関連記事(外部サイト)