みね子、おかえり!「ひよっこ」じいちゃん・古谷一行にインタビュー

みね子、おかえり!「ひよっこ」じいちゃん・古谷一行にインタビュー

「ひよっこ」でみね子(有村架純)の祖父・茂を演じる古谷一行にインタビュー

連続テレビ小説「ひよっこ」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)で、6月9日にはみね子(有村架純)が上京して以来、初めて帰省するシーンが描かれた。

ヒロインが新天地で経験する、新たな出会いや出来事を楽しむ一方、劇中に故郷・茨城で暮らす谷田部家の様子が登場すると、安心感を覚えるとの声も多い本作。

そんな谷田部家を支える、みね子の祖父・茂役の古谷一行にインタビューを行った。

──本作にはどのような感想を持っていますか?

脚本の岡田(惠和)さんも仰っていましたが、素晴らしいロケーションがこの作品の支えになっていると思います。それから、岡田さんも現場のスタッフも、すごく丁寧に作っているんです。そういう積み重ねが、いい作品を生んでいると思いますね。

みね子が東京で出会う子たちのキャラクターも、しっかり作られていますよね。いばっている子がいて、でもその子がいい面も持っている。そういうキャラクターがせりふを話すから、会話が面白い! トランジスタラジオ工場に女の子(豊子=藤野涼子)が閉じこもるシーンは泣けました。

──「朝ドラ」は「虹」(1970年)以来のご出演ですが、オファーを受けた時の心境を教えてください。

約50年ぶりの出演ですから、楽しもうと思いました。(「虹」は)まだ劇団にいるころでしたから、自分もずいぶんと変化しています。年齢を重ねてきたのだなと、あらためて感じましたね。

──本作に出演されて、周囲の反響はありますか?

放送が始まってからは、学生時代の友人たちからも連絡が来ますね。「麦わら帽子がよく似合うね」とか、「あんなにかわいい架純ちゃんと仕事ができて、いいですね」とか(笑)。あとは、「毎朝見て、元気をもらっています」というメッセージも多かったですね。

──みね子が生きる時代とご自身の過ごされてきた時代はちょうど重なりますが、思うところはありますか?

僕が俳優を志して俳優座の養成所に入ったのが20歳の時で、ちょうど東京オリンピックのころでした。実(沢村一樹)たちが「すずふり亭」に行くエピソードがありますが、僕も貧乏だったのに、六本木の洋食店で舌平目のムニエルかなんかを食べていたのを思い出しましたね。

一方で、そば屋にも通っていました。お金はないけど1杯じゃ足りないから、つゆだけ残して「そばを入れてくれ」と言ったりもしていましたね(笑)。

──劇中で、宮本信子さん演じる鈴子が「東京、嫌いにならないでくださいね」と話しますが、古谷さんも当時、同様の思いを抱いていましたか?

僕は六本木で俳優の勉強をすることに夢中だったから、あまり集団就職してくる子たちに意識は向いていなかったかな。

でも、集団就職で上京してきて、稼いだお金のほとんどを田舎に送るのは、大変だったと思いますよ。気持ちが強くないとできないと思います。そういう意味では、みね子はのんびりしているようだけれども、しっかりしているのだと思いますね。

──茂はどんな人物ですか?

茂は寡黙な男ですが、口を開くとユーモアもある。孫3人を含めて家族をとても愛していますし、実のいない谷田部家で、大黒柱にならないといけない、弱みを見せちゃいけない、と思っています。そのあたりをベースにして芝居していますね。

聖火リレーのシーンで「村の重鎮も見守っています」って紹介されて、「分かってるじゃないか」って言うところなんかは、ちゃめっ気もありますよね。

──茂は「若いころはモテた」という設定ですが、そのあたりは意識しましたか?

それは全然しませんよ! おじいちゃんが色っぽい必要ないでしょ(笑)。これまで俺が演じてきた役に色っぽいものが多いから、そう(設定に)書いてあるだけだと思いますよ。

──茂の半生について、想像されましたか?

元気のいい人だったんだと思いますね。息子の実が青年団の団長をやっていたという設定が出てきますが、おそらく茂もかなり活発な青年で、村を引っ張っていた時期もあったんだと思います。

──有村さんの印象はいかがですか?

彼女は素晴らしいです! 「こういうシーンだから、こうしてやろう」っていう意識をせずに作品を作っているところが、すごくいいと思います。ナチュラルに、自分が感じたことを芝居に出してくるんです。だから、リアリティーのある芝居になっていますよね。

彼女が出演している映画「リトル・マエストラ」(2012年)を見ていた時にも、「いいな」と思っていました。いい仕事をいっぱいしていると思います。

それから、彼女に「せりふが多くて大変だよな」って言ったことがあるんです。そうしたら、「いや、じいちゃんの方が少ないせりふで表現しなくちゃいけないから、大変だと思う」って、優しいことを言ってくれたこともあるんですよ。

──みね子を送り出す茂は、どのような気持ちなのでしょうか?

田舎で伸び伸びと高校生活を送っていた子が、東京に行ったら大変な目に遭うだろうなというのは分かっているわけですよね。でも、元気に、健やかにいてほしいと思っているわけです。

だからこそ、茨城で待っている茂も「大黒柱として、じいちゃんも頑張るよ」と思っています。茂はみね子に、「おまえは働き者だ、真面目に働いでれば、お天道様は、ちゃんとおまえのこど見でる」という言葉を贈るよね。そういうところが、なかなか泣けますよ。

──息子役を演じる、沢村一樹さんと峯田和伸さんの印象を教えてください。

一樹くんとは稲刈りのシーンで初めて会いまして、背が高いから近寄ってほしくなかったですね(笑)。架純ちゃんにも優しいですし、爽やかな印象です。岡田さんも言ってたけど、(過去の出演作で)僕が金田一耕助で、彼が浅見光彦でしょう? どんな探偵一家だってね(笑)。

峯田くんはね、…おかしい!(笑) 「奇跡の人」(2016年、NHK BSプレミアム)で彼の芝居を見た時には、「この人なんなの! 絶対話題になるな」と思いました。セットでは、次のシーンのせりふをずっと喋っているのね。

「集中できないからやめろ!」って言うんだけど(笑)。彼も一生懸命やっていますね。

──最後に、あらためて本作の見どころを教えてください。

僕らが作るのは、みね子のベースである、温かい家庭の部分です。愛されて育った普通の女の子の成長物語だから、視聴者の方も感情移入しやすいんじゃないかと思います。

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