Da-iCE工藤大輝ロングインタビュー「極光」が照らす現在地

Da-iCE工藤大輝ロングインタビュー「極光」が照らす現在地

Da-iceの工藤大輝

人気5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEのリーダー工藤大輝が初のソロ写真集「-極光-」を6月28日に発売する。元ショップ店員であり、ファッションにも造詣が深い彼らしく、ハイブランドからお手頃な国内ブランドまでサラリと着こなした私服写真が80ページにわたって収められ、男女問わずファッションのお手本になる完全セルフプロデュース作となっている。しかし、これはただの写真集の枠に収まるものではない。今回話を聞くにつれ、今作に対する彼の驚くほどのこだわりが明らかとなった。

■ オール私服コーディネートに込められた思い

――そもそもなぜ写真集を出そうと考えたんでしょう?

30歳までに何か形にしておきたくていろいろな事情を鑑みて写真集がベストかなと思って自分で企画し始めました。

――そうなんですね。全編私服というのも面白い試みですね。

ありがとうございます。スタイリストさんをつけて、良い服を着てっていうこともできたんですけど、その時に僕が着ていた物を残すことに意味があるのかなと思って今回はそうしました。

――“30歳の記念として”という意味合いが強いから、写真集だろうがなんだろうが、より自分を出し切れる形にしたかったと。

そうですね。5年後とかに今の自分を振り返るときに「ああ、こんな感じだったな!」って思える物を作っておきたかったっていう感じですね。

――スタイルブック的な側面もあるのかなと思ったんですが。

でも、スタイルブックほどいろんな服を組み合わせてはないので、「スタイルブックって言う?」「でも、スタイルブックじゃないよねぇ?」みたいな話をスタッフとして結局やめました。でも、半々ぐらいのちょうどいい塩梅になってると思います。最後のページにクレジットを載せてるんですけど、そこでその時に着てたブランドを知ってもらえたらいいかなっていう感じで、基本的に本編は写真集っていう形になってます。

■ 服選びはかなりアナログです

――宣材写真にも様々なブランドの服が写ってますね。

ユニクロさんだったりポピュラーなブランドも入れたんですよ。前にファンの人から「真似しやすいようにユニクロとかを使ったコーデも見たいです」って言われたのが頭に残ってたので、この機会に入れてみようと。あとは仲のいいショップの人と喋って「こういうのがいいんじゃない?」ってアドバイスをもらったりして、ショップを歩き回りました。青山から代官山まで行ったり来たりして。

――Acne Studiosなんかも青山にお店がありますよね。

Acne Studiosは元々めっちゃ好きで、“迷ったらAcne”みたいな感じはあったんですけど、そればっかりでも面白くないので間を取りました。

――資料にも「真似しやすいスタイリングを意識した」と書いてあります。

僕は元々好みが所謂ダンスボーカルグループのメンバーらしくないというか、ストリートを着るみたいな感じではなく、ミニマルで男女関係なく着れそうな服がどちらかというと好きなんですよ。女性からも「大輝くんのスタイリング、参考にしやすいです」と言っていただけるので、今回もそういう感じになりました。

――パッと見た印象だとヨーロッパのブランドが多いですね。

そうなんですよ。その辺のブランドで好きなのがすごく多いですね。

――ここ何年かで盛り上がってきたブランドも多くて。

CMMN SWDNとかもそうですね。昔から見てたんで、売れてきてうれしいです。多分、スウェーデンが好きなんです。

――服はいつもどうやってチェックしてるんですか?

インスタとか、サイトを見つつ、ブランドから検索をかけて、小規模でやってるショップに行くのがすごく好きですね。大きな百貨店は最終手段で、基本は1LDKぐらいの大きさでやってるお店に行って…実際に1LDKっていう名前のお店も好きですけど、そこで店員さんと喋ってっていうのが多いですね。アナログです(笑)。

――ネットを参考にしつつも、最終的には足で稼ぐと。

極論言ってしまえば百貨店でもデパートでも売ってるんですけど、1点1点に対する情報量が違う気がするので、なるべくそういうショップに行くようにしてます。

――ブランドの背景も知っておきたいタイプですか?

割りとチェックしてます。僕のライフスタイルとあまりにもかけ離れてると、着てても説得力がないから避けるっていうのはたまにあります(笑)。

■ 太田さんの写真の温度感が無い感じが欲しかった

――今回、服のセレクトは相当大変だったと思います。

これは大変でしたね。2、3週間かけて少しずつ集めていって、やりたい格好とシーンをなんとなく想像して、「北海道の海は寒いからコート着ないとヤバい」とか計算しながら買っていきました。なので、厳密に言うと、100%自分が好きなものというよりはシーンに合わせたという感じですね。

――カメラマンは太田好治さんですが、これはどの段階で決まっていたんでしょう?

僕が企画書を書いた時点で太田さんにお願いしたいということは言っていました。基本的にいつもDa-iCEのジャケ写は太田さんにお願いしてるんですけど、太田さんが撮っている他のバンドさんの写真の質感がすごく好きで、僕もそういうふうに撮ってほしいなと思ったんですよ。そこで、敢えていつもやってくれている人にグループではできない写真を撮ってほしくて、太田さんにお願いしました。

――独特な質感ですよね、柔らかい感じとか。

あとは温度感がなかったり。

――太田さんとは事前にどんな話し合いがあったんですか?

全然打ち合わせはしてないですね。普通に喋りながら撮り始める、みたいな感じだったので、個人的に仲良くさせていただいてるのもあってすごくラクでしたね。

――僕のなかで太田さんは、事前の打ち合わせですごく熱い思いを伝えてくれるイメージなんですけど。

あはは! 撮ってる最中にそういうことは起きました。「この木のこの影から顔出して! 絶対いい感じだから」「あ、わかりました…!」みたいな(笑)。

――あはは! ロケ場所に選ばれたのは東京と地元の北海道ですが。

僕、最初は地元に行く気がなくて、「京都に行きたいな」とか言ってたんですけど、あまりにもかけ離れてるということで地元に落ち着いたんですよ。でも、地元に帰って写真を撮るっていうのは変な感じがしますね。僕はそこまで「地元で必ず撮りたいです!」みたいなことは言ってなくて。でも結果的にすごくいい感じになりました。

――ロケーションのセレクトから完全セルフプロデュースということで、苦労も多かったんじゃないかと思います。

 でも楽しかったんで、そこまで苦労は感じてないですね。ただ、最初に企画書風なものを立ち上げて、色んな人に送るまでが大変でした。

――そんなところから自分で動いてたんですね!

自分から言わないとやってくれないと思ったんで、「言っとこう」と。それが1年半前でした。

――普通は逆ですよね。「あいつ、ケツ叩かないと曲作らないから」みたいな。

あはは! そうですね! これはうち特有のスタイルで、自己プロデュースしつつ、自分でプレゼンをかけていくっていうのが定番というか。自分から動くことで「ああ、いいじゃん」って言ってくれる人が集まってくるので、そのスタイルに則ってやった感じです。

■ 30歳の自分を表す言葉として、一番合っていた。

――タイトルが「-極光-」という意味深なものになってます。

まずは漢字にしたかったんです。「○○フォトブック」とかは違うなって。あと、極光ってオーロラのことなんですけど、調べたらオーロラってそもそもかなりレベルの高いところまでいかないと肉眼では白くしか見えないんですよ。それを知って、僕もそういうヤツなのかなと。ステージに立っているときは別ですけど、自分が輝いているというつもりは一切なくて、ファンの方々のフィルターを通して「あの人はすごい」って思われてる。そういう意味も踏まえてこのタイトルにしようかなと。あとは、オーロラの常に揺らいでいて定まっていないところも僕に似てるなと思って。

――30歳の自分を表す言葉としてこれが一番合ってると。

現状はそうだと思います。ハタチのときだったら絶対言ってないですね。

――ハタチだったらなんてタイトルにしたと思います?

いや〜、多分、KUDO TAIKI's Photo Book Specialなんとか…みたいにしてたかもしれないですね(笑)!

――(笑)。そう言えば今作について、ブログでも意味深なことを書いてましたね。「ひとつひとつに意味がある」とか。

そうですね。今回は写真の他に僕が書いた詩も載っていて、付属のメイキングDVDの後ろに引いてあるBGMも僕が作っているんですけど、そのタイトルも「極光」なんですよ。ということは……あとは察してくださいっていう感じです!

――それは気になりますねぇ。

僕も早く言いたいです! でも、鋭いファンの子は気付くかと思います。

――ファンの人には必ず手に取ってもらいたいですね。

僕はアイドルの写真集をよく買うんですけど、写真集を見ると普通はハッピーになると思うんですよ。でも、「-極光-」の場合はハッピーにはならない気がします、質感とか温度感的にも。テーマ的にも消えて無くなりそうなところを切り取ってるし、今見るのももちろんいいんですけど、半年ぐらい経ってからまた見直してみて欲しいですね。表紙も僕の顔のアップではないんですよ。逆光になった僕の影が写ってるだけっていう(笑)。

――まるで風景写真みたいな。

これにはちゃんとした意図があって。これは書店だと写真集ゾーンに並ぶじゃないですか。あのゾーンっていろんな人の顔のアップがたくさんあるんですよね。この表紙ならそういうなかで目を引くっていうのもありますし、僕がアイドルの写真集を買う時ってそれをレジまで持っていくまでが恥ずかしいんですよ。なので、今回もそれと同じ現象が起こると思って、文庫本みたいに格好つけてレジまで持っていける表紙にしたら買いやすいんじゃないかと。

――そこまで考えたんですか。

「顔がわからないから買わないじゃん」っていうのもあったんですけど、僕のことを知っていて買いに来る人のほうが多いんじゃないかなと思って。なので、今回は振り切らせていただきました。

――現段階ではまだ制作途中ですが、満足できる内容になってますか?

満足してます。いろいろ言ったらキリがないんですけど、やれることは全部やったかなっていう気はしてます。

――これで心置きなく30歳を迎えられますね。

そうですね。そう思います。

この記事の続きを読む

関連記事(外部サイト)