東出昌大が語る落語の滑稽味「これを知らなきゃもったいない!」

東出昌大が語る落語の滑稽味「これを知らなきゃもったいない!」

番組の冒頭では、東出昌大がテーマとなる落語の注目ポイントを語る

NHK Eテレで7月31日(月)より4回にわたって放送される「落語ディーパー!〜東出・一之輔の噺(はなし)のはなし〜」(7月31日、8月7日、21日、28日夜11:00-11:30)は、落語の楽しさと魅力を分かりやすく伝えるバラエティー。

毎回「目黒のさんま」などの名作落語を題材に、東出昌大と真打ち・春風亭一之輔、二ツ目・柳亭小痴楽、柳家わさび、立川吉笑と落語研究会出身の雨宮萌果アナウンサーが落語トークを繰り広げる。

芸能界で“落語マニア”として知られている東出にインタビューを行い、収録を終えた感想や、現代の“落語ブーム”への思いを聞いた。

■ これ以上ないくらい幸せな時間

―― 一之輔師匠と初共演されて、印象はいかがでしたか?

もともと一之輔師匠の落語が好きだったんです。今落語会において一之輔師匠は無二の存在なので、好きな落語家さんと、落語を紹介できる番組ができて、これ以上ないくらい幸せな時間でした。

――収録を終えていかがですか?

落語家の方々は、芸に関することはなかなか話しづらいと思うのですが、この番組に関しては皆さん口を割ってくださって。たくさん話してくださるので、一之輔師匠も二ツ目さんたちの熱意や、勢いを見ながらすごいニヤニヤしていらっしゃいましたね(笑)。

――観覧の方々の反応はどうでしたか?

1回目の収録は、お客さんがみんな落研(落語研究会)の子たちだったんです。

落語家さんたちは、自分たちが落研だったときに「俺の方がうまくはなしができる」と学生ながらに思っていたらしくて(笑)。だから「落研の客は1番嫌だ」って、この前仰っていたんです。

2回目の収録は落語をあまり知らないお客さんも多かったので、収録を楽しんでいただけていればいいなと思いますね。

■ 落語は“古典芸能”ではない

――江戸時代から明治時代・大正および昭和初期に作られた「古典落語」と、近年に作られた「新作落語」のどちらがお好きですか?

収録中に落語家さんたちが「今の新作が、30年40年たてば古典になるかもしれない」と語っていらして。古典と新作は分けてほしくないとおっしゃっていたので、そういうものなのかなと思います。

僕も落語を決して古典芸能を鑑賞しようとして見るのではなく、本当にお笑いだと思って見ているので、一概にどっちが好きとは言えないですね。

――落語を普段聞いていない人に、お薦めのはなしは何ですか?

この番組の第1回のテーマになっている「目黒のさんま」は分かりやすいはなしなんじゃないでしょうか。毎年、東京・目黒で行われている「目黒のさんま祭り」などを通して、中身を知らない方でも演目に親近感があると思うので。

どういうはなしだったのかということを知って、納得するだけで新しい世界が見えてくるのかなと思います。

――最近、落語を聞いていて、新たな発見などはありましたか?

もうお亡くなりになった昭和の名手の方々の落語を聞いていて、「こういう古い日本語があったのか」という発見がありました。今の世代の方はもちろん、古い方のはなしも最近聞くようになっています。

――落語を面白いと思うきっかけになったはなしは何だったんですか?

僕は古今亭志ん朝師匠の「三枚起請」を1番最初に聞いたんです。「三枚起請」っていうのは、女郎にだまされた男が3人出てきて、その女郎に寄ってたかって「俺らのことを騙したな! 俺ら全員に唯一無二だって言いやがって!」みたいなことを言うはなしなんですけど、それをCDで聞いてすぐ映像で見たんです。

志ん朝師匠は、“ミスター落語”だとか“落語の教科書”といわれている人で、CDでも聞きやすいし、映像でも見やすくて入りとして良かったんだと思います。

■ いろんな楽しみ方ができるのが、落語の魅力

――CDで聞くはなしと、ライブや寄席で目と耳で聞くのはやはり違いますか?

やっぱり、寄席や独演会で生で見るものに勝るものはないです。CDや音源を何回も聞いているうちにどんどん頭の中に情景が浮かんでくるので、そういう聞き方に慣れていると、落語家さんが座布団の上にちょこなんと座っている映像を見ているだけで楽しめると思うんです。

入り口はさまざまでも、ライブで見てみてほしいなと思いますね。

――今回の番組も含めて「超入門!落語THE MOVIE」(2016年、NHK総合)など新しい試みの落語番組が増えてきていますが、どのように思いますか?

そういう番組をきっかけに、落語全体を好きになるのもいいことだと思いますし、そういう番組だけを好きになるのも、もちろんいいと思います。テレビで見るんだったら「落語THE MOVIE」などの方が、一人の落語家さんが座布団の上で話すより見ていて分かりやすくて面白いという方もいますよね。

でも本当に、“名人上手”といわれる方々の落語って、見ているだけでブワーッと本のように情景が浮かぶので、そういう楽しみ方をされても面白いんじゃないかな。

…まぁ正直なんでもいいのかなと思っています(笑)。落語ってなんでもいいのが取りえだと思うので。

――番組を通して、どのように落語が広がっていってほしいと思いますか?

落語の中にでてくる古き良き雑多な人間関係だったり、ずぼらなやつのはなしだったり、そういうところに滑稽味を感じて、「あぁ、のどかだなぁ」と思えるところが僕にとっての魅力なんです。

今本当にお忙しい人が多いと思うので、今後この“落語ブーム”というか、落語という文化が定着して、それによって日常の中で深呼吸できる人が増えればいいなと思います。

落語って本を正せばくだらないお笑いなので、この番組も肩の力を抜いて見ていただきたいと思います。

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