渡部秀インタビュー―「科捜研」の裏側から「仮面ライダー」への思いまで

渡部秀インタビュー―「科捜研」の裏側から「仮面ライダー」への思いまで

「科捜研の女」で物理研究員・橋口呂太を演じる渡部秀にインタビュー

京都府警科学捜査研究所(通称:科捜研)の研究員たちが事件に挑む、沢口靖子主演の連続ドラマ「科捜研の女」(テレビ朝日系)が10月19日(木)夜8時よりスタートする。10月15日(日)夜9時からは2時間スペシャルの放送も決定した本作に、天真爛漫(てんしんらんまん)な研究員・橋口呂太役として前シーズンから加わった渡部秀にインタビュー。役柄との共通点や現場での裏話などを聞いた。

――渡部さんにとって2シーズン目が始まりますが、今のお気持ちはいかがですか?

前シーズンは途中参加で1クールしか演じていないので、まだ「科捜研」歴は浅いのですが、沢口靖子さんにはこの間「もう何年もやっているみたいだね(笑)」と言っていただき、なじめてきたのかなという安心感があります。また、今回は初めて2クール参加させていただくので、気合を入れて頑張らなければという気持ちです。

――シリーズの頭からの参加ということで、気持ちの上での違いはありますか?

そんなに変わりはないのですが、やはり心機一転して最初から入るというのは大きいです。今度は途中参加ではなく、科捜研のメンバーとして1話がスタートするので、身も引き締まりました。あとは新しいことにも挑戦できたらと思っているので、呂太のいろいろな面を見せていける台本になっていると思います。

――今回あらためて呂太という役と向き合う上で、意識している部分などはありますか?

作家の方の意図はなるべくくみ取っていきたいと思います。オンエアではあまり伝わらないかもしれないですが、実は(台本上では)呂太のせりふの末尾にはハートマークが付いているものもあるんです。やはりそこには作家さんの意図があると思うので、しっかりとくみ取れるように気を付けています。

――いわゆる“オネエキャラ”でもないのに、ハートマークは珍しいですね。

このハートには愛嬌(あいきょう)が込められているので、呂太の憎めない感じは意識して演技しています。ただでさえ呂太は敬語が使えない“タメ口キャラ”なので、嫌みのない“愛されキャラ”を作っていきたいなと思っています。

――そんな呂太ですが、渡部さん自身と似ているなと思う部分などはありますか?

似ているところ…ノリですかね(笑)。結構僕も行き当たりばったりで「まあ何とかなるっしょ」というタイプなので、そこは呂太と似ているかと思います。あとは、興味ないことはすごく興味ないし、興味あるものにはすごく興味を持つという、好奇心を示すものがはっきりしている性格という部分も共通していると思います。

――渡部さんは他人との距離感の詰め方が上手な印象があるのですが、呂太もそんな部分がありませんか?

そうですね…僕は他人に近づこうとは逆に思っていないのかもしれないです。普通に接しているうちにいつの間にか距離が近くなっていたというパターンです。僕もどちらかといえば独りの方が好きですし、呂太も人が好きというよりは呂太のすることに周りが興味を持って近づいてくることが多いと思います。近づくうまさより、近づかれる魅力を持っているのが呂太なのかなと。

――そうすると呂太を演じるのも自然にやれている感じですかね?

僕は呂太ほど明るくはないですが、僕から敬語を取れば彼になると思います(笑)。

――呂太をこれまで演じてきて、お気に入りのシーンがあれば教えてください。

今回のスペシャルで呂太はドローン操作係として外に出ているのですが、そのシーンはぜひ見ていただきたいです。ドローンを生で見るのは初めてでしたが、ドローンの空撮映像は臨場感あるものに仕上がっていたのでぜひ楽しみにしてください。

――「科捜研の女」といえば鑑定や科学捜査の場面が特徴ですが、そういったシーンを演じる上で意識している部分はどこですか?

呂太は、普段はふざけているように見えますが鑑定の時には真面目にしっかりとやっているので、そこのメリハリは意識しています。ああいった性格だから浮いて見えてしまうけれど、科捜研に入るだけの腕もあった上で、やる時はちゃんとやるという。呂太っぽさ全開の“呂太ワールド”な面と、その中にもある確かな腕という、そのバランスは意識しています。

――試験管の振り方やパソコンの操作など、細かい所作は指導を受けたりもされましたか?

特にそういった技術的なことの指導はなかったです。テクニカル面を意識するとそこに矛盾が生まれる時もあるので、目の前の鑑定を真剣かつ呂太なりにやっています。そうする中で、例えば試験管を振ったり机の上の物をどかしたりと、自然に生まれた動作は役柄があってのものだと思うので採用するようにしています。

――沢口さんをはじめ役者の大先輩方がいる現場ですが、現場では演技や他のことなどお話をされたりしますか?

特に現場では話さないです。あうんの呼吸というか、相手がしたいことをお互いにくみ取って演じています。僕は普段から、発する能力よりも受け取る能力が高い人の方が役者として優れていると思っていて。やはりベテランの皆さんはそういったことをずっと続けてこられて嗅覚やキャッチする力が優れてらっしゃると思っているので、僕としてはすごく演技しやすい環境でありがたいです。

――渡部さんと年が近いところでいうと、石井一彰さんや山本ひかるさんがいらっしゃいます。

石井君は8つ年上なんですが、仲いいです(笑)。先輩後輩感がなく、よく一緒に帰ってご飯に行ったりしています。すごく他人を受け入れてくださる懐の深い方で、こんな生意気な適当人間の僕のことも受け入れてくれる優しい方です。

ひかるちゃんは同じ事務所ということもあり、仲がいいです。科捜研の部屋での撮影でちょっとした待機時間ができると、僕だったら物理の部屋というようにそれぞれがセット内の自分の役柄の部屋に戻るんです。でもひかるちゃんはそれが受付の方にあるデスクになるので、いつも僕の物理の部屋に来て、一緒にくだらない話をしています(笑)。

――1話では科学研究所の研究員役として中川大志さんが出演されます。

年下というのもあるし、すごく刺激を受けます。役柄的にも呂太と関わってくる人物で2人の関係性が描かれるので、1話は特に面白くなっています。

――中川さんにも先日インタビューさせていただいて、東京とは違う撮影のスタイルに戸惑ったとおっしゃっていたのですが、渡部さんはいかがですか?

大きくは違わないですが、いろいろと細かいところでは確かにあるかもしれないです。ずっと京都でお仕事をされているベテランのスタッフさんも多く、東京ではあまり味わえない空気もあったりして、それが心地よかったりします。僕は今東京に半分、京都に半分という生活スタイルなので、互いの地に刺激があって良い気分転換になります。

――京都では、行きつけのお店などもできましたか?

行きつけと呼べるほどのお店はないですが、ご飯屋や飲み屋に、観光地もある程度は行きました。石井君とはよく魚料理屋や焼き肉店に行きます。

――Instagramには京都の地ビールの写真を投稿されていましたね。

あれはうちの方が京都にいらっしゃった時に、祇園でご飯を食べた時のものです(笑)。見たこともない立派な個室で、スッポンやのどぐろをいただいて…貴重な経験でした。

――今後、京都で撮影がある時は共演の方にも紹介できますね。

そうですね。大阪も朝ドラ(「純と愛」2012-2013年、NHK総合ほか)をやっていた時に半年間通っていたので、京都と大阪はある程度覚えました。関西の観光だったら割と案内できると思います。

■ 「仮面ライダー」は僕の糧になった

「仮面ライダーオーズ/OOO」(2010-2011年、テレビ朝日系)では火野映司として、1年間にわたって主演を務めた渡部。10月1日(日)に行われる「東映特撮ファンクラブ」の2周年記念イベント「東映特撮ファン感謝祭2017」には、トークゲストとして出演することが発表されている。

――「仮面ライダーオーズ/OOO」のテレビシリーズ終了から6年がたちました。今あらためて作品を振り返ってみて、ご自身の中でどんな存在ですか?

やはり怒濤(どとう)の1年間だったので、良い思い出もあれば、大変だったこともたくさんあります。ただやっぱり、もうあんな1年はなかなか経験できないので、役者として、人間として、僕の糧になったと思います。

今回の「東映特撮ファン感謝祭2017」はそれ以来久しぶりのライダーイベントになるのですごく楽しみですし、今だからこそ思う価値観なども話せたらと思います。

――渡部さんは「オーズ/OOO」の主役を決めるオーディションで、監督とプロデューサーに対してライダー談義をしたというエピソードが有名です。

しましたね(笑)。今ちょうど「科捜研の女」を撮ってくださっている田崎(竜太)監督とプロデューサーの方がいて、その2人に「あれをやったら絶対にいいと思います」みたいなことを熱弁しました。でも、その時には既に設定や先々の展開は決まっていたらしく、僕がすごく熱く語っていたから聞いてくれていたらしいです(笑)。

――同じ事務所の後輩である松島庄汰さんや甲斐翔真さんなども仮面ライダーシリーズに出演されてきましたが、特に気になった作品は何ですか?

毎年チェックはしていてどれも気になりますけど、やはり前回の「仮面ライダーエグゼイド」(2016-2017年、テレビ朝日系)は見た目も奇抜でしたし、結構衝撃的でした。

――今回のイベントで渡部さんに会うことを楽しみにしているライダーファンへメッセージをお願いします。

待っていてくださったファンの方に、この年齢になって経験したことや当時の考え方などを皆さんにお伝えしたいと思っていますので、ぜひ当日を楽しみにしていただければと思います。

――ありがとうございます。では最後に、今後の「科捜研の女」の見どころをいただけますか?

年々進化していく犯罪のスタイルに対して科捜研もどんどん進化していて、今作は最新の科学などそんな科捜研のすごさを前面に出しているシーズンだと思います。また、科捜研のメンバーもより連携のとれた良いチームになったと僕は感じていて、前シーズンを超える面白い話になっていますので、ぜひまずはスペシャルと本編の1・2話を見ていただきたいです。

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