「ひよっこ」元治役・やついいちろうに直撃!『街で知らない方に叱咤されるんです』

「ひよっこ」元治役・やついいちろうに直撃!『街で知らない方に叱咤されるんです』

連続テレビ小説「ひよっこ」で元治を好演中のやついいちろう

いよいよ最終週に突入した、連続テレビ小説「ひよっこ」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。評判・視聴率ともに好調のまま、ラストスパートをかけている。

そんな中、9月25日に放送された第151回では、元治(やついいちろう)と秀俊(磯村勇斗)、2人の見習いコックが作り上げたスコッチエッグが、「すずふり亭」の新メニューに採用されるエピソードが描かれた。

秀俊と見事なコンビネーションを見せ、そして憎めないキャラクターで人気の元治を演じる、やついいちろう(エレキコミック)に話を聞いた。

■ まさか“朝ドラ”に出演するなんて

──本作への出演決定の経緯や、その時の心境を教えてください。

「“朝ドラ”に出てみませんか?」とオファーを受けた時は、信じていなかったんです。だから、何も考えずに「あ、いいですよ」って軽く返事をしまして(笑)。“朝ドラ”に出演できるなんて、そんなわけないと思っていました。

──いざ出演が決まり、トレードマークになっていた長い髪をばっさりと切られましたが、何か特別な思いがあったのですか?

いや、「コックなら切らなきゃいけない」と思って。ためらいはなかったですね。(出演を)OKしちゃったので(笑)。

“朝ドラ”に出演しているなんて、いまだに夢の中のような感覚ですし、パラレルワールドにいるみたいですね。

■ 元治は自分自身にそっくり

──元治は人気のキャラクターですよね。演じていて実感することはありますか?

お父さん・お母さんの世代の方から、街でよく声を掛けられますね。元治と僕が一緒になっちゃっているみたいで、「もっとしっかりしろ!」とか「サボってばっかりだな!」って、知らない方に叱咤されるんです(笑)。

ただ、実際に僕も元治のような人間だから、「本当にそうだな。すいません」って思うんですけどね(笑)。

──では、元治は当て書きの面が強いのでしょうか?

どうでしょう? 脚本の岡田(惠和)さんは以前、僕のコントライブに来てくださったり、他局の番組でご一緒したりしたことがあったので、岡田さんには僕の“クセ”が見えていたんじゃないかな。

役作りをすることなく演じられたので、ありがたかったですね。

──宗男役で出演されている銀杏BOYZの峯田和伸さんもそうですが、いわゆる本業は別にありながら、岡田さんに役者として光る部分を見出されて、本作の出演につながったということでしょうか?

自分で言うのはおこがましいですが、そうだったらうれしいですね。

■ 実はほとんどが台本通り

──そんな岡田さんは以前、「今の“ウケる”感覚とは違う昭和のギャグを盛り込んだ台本だから、やついさんには申し訳ない思いがある」とおっしゃっていました。ご自身でも感じられましたか?

ギャグを言うせりふの後ろに、カッコ書きで「この時代はこういうギャグがあったんです」という、言い訳のようなことが書かれていました。キュンときましたね(笑)。元治は芸人ではないので、“ウケるかどうか”は全く気にせずに、全力で演じました。

──アドリブも多かったのですか?

なくはないですが、せりふはほとんどが台本通りです。アドリブっぽく聞こえたでしょう? やっぱり腕があるんですね!(笑)

椅子から転げ落ちるシーンも、アドリブではないんです。本当に、岡田さんには演じやすいように書いていただいたなと思います。

■ 気を使われたら、お終いだ!

──SNS等で投稿されているオフショットを拝見していると、秀俊を演じる磯村さんと、まさに元治と秀俊のような関係性がうかがえました。共演されて、いかがでしたか?

だいぶ仲良くなりましたね。磯村くんに限らず、「ひよっこ」のキャストは本当に気さくな方ばかりでした。だから、共演した方とはほとんど喋ったんじゃないかな。

あと、僕は現場が楽しくなるようにっていうことを、ずっと考えていましたね。そういう意味では、元治と同じことをしていたのかもしれないです。「気を使われたらお終い」だと思っていますから!

──ヒロイン・みね子役の有村架純さんの印象はいかがですか?

大スターなのに気取ったところが全くないですし、いい意味で“普通の感覚”を持っている方だなと思いました。地に足が着いている感じは、みね子と似ていますよね。

──その他に、本作に出演されて「衝撃的な出会い」はありましたか?

芝居での絡みはなかったんですが、クランクアップセレモニーで会った木村佳乃さん。美代子さんの印象とは全く違う、はっちゃけている方で。なんか「元治みたいだな」って思いましたね(笑)。

峯田くんからも元々「面白い方だよ」って聞いてはいたのですが、「大女優さん」というイメージを覆されました。

■ 峯田くんは“文体”を持っている!

──ビートルズ来日のエピソードでは、宗男が元治に抱きつくシーンが話題になっていました。峯田さんとは、もともと親交があったんですよね?

そうですね。ミュージシャンと芸人の2人が、まさか“朝ドラ”で共演するとは思いませんでしたけど(笑)。感慨深かったですね。

ただ、峯田くんが芝居しているのを見ると、最初はちょっと笑っちゃって。普段を知っている僕としては、“演技をしている峯田くん”が面白かったんです。

でも、峯田くんは人と違うリズムの芝居をする人だなと思いましたね。自分の“文体”を持っているから、ああいう演技ができるんだろうと思います。峯田くんという“フィルター”を通して出来上がるキャラクターと言いますか。

──俳優・やついいちろうさんとして、そういう峯田さんの演技は刺激になりますか?

「刺激」とか「参考にする」のとは、ちょっと違うのかなと思いますね。オファーをいただいたのなら、ありのままの僕を肯定してくれたんだと思って、このまま演じるようにしています。それが僕の“フィルター”なのか…は分からないです(笑)。

僕は、芝居では「その世界にいかになじむか」が大切なのかなと思っています。それだけを心掛けているんです。

──確かに「ひよっこ」でも、元治はストーリーの大筋に絡むことはなくても、すずふり亭に居ないと寂しい存在ですよね。劇中に「俺が成長しないことで、この店はバランスが取れてんだ」というせりふもありましたが。

あれ、実はすごくいいせりふですよね。元治が変わらないから、皆の成長し具合が分かるという(笑)。「俺よりダメなら、相当ダメだぞ」っていう、基準になっていますから。

──では最後に、今後の俳優業での展望を教えてください。

今後、どのくらい芝居をやるかは分かりませんが…。今回みたいに何かを見いだしてくださって、オファーを頂けるなら、ぜひまたやりたいですね。

「ひよっこ」の元治のイメージが強いんだと思いますが、僕は元治に似ている部分もあれば、そうでないところもあると思います。まだ自分でも気付いていないようなことを、見つけられたら面白そうですよね。

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