“冬彦さん”に“家なき子”…ドラマ発の流行語から時代が見える【ザテレビジョン35周年特集】

“冬彦さん”に“家なき子”…ドラマ発の流行語から時代が見える【ザテレビジョン35周年特集】

【写真を見る】この唇がたまらない! マザコン夫・冬彦さん(佐野史郎)

あるときは世相を反映し、またあるときは時代をリードし、そのときどきの“今”を切り取ってきたテレビドラマ。その人気のバロメーターが“流行語”だ。テレビの歴史の中でさまざまなテレビドラマ発の流行語が一世を風靡し、人々を楽しませてきた。今年35周年を迎えたザテレビジョンでも、流行語を生み出したドラマの数々を取材。過去の誌面をピックアップした【ザテレビジョン35周年特集】で、その一端をご紹介する。

■ 「同情するなら金をくれ!」シビアすぎる少女の素顔をキャッチ【'94年4/29号】

’94年4/29号の誌面に登場した愛くるしい少女。12歳(当時)の女優・安達祐実だ。彼女が主演したドラマ「家なき子」(日本テレビ系)のセリフ「同情するなら金をくれ!」が大流行。その年の「新語・流行語大賞」にも選出された。

「家なき子」の主人公・すず(安達)は、酒浸りの継父(のちに実父と判明)と病で入院する実母を持つ小学6年生。貧しさゆえに学校ではいじめられ、酔った父からは暴力を受け、貧しさから盗みを働く日々。そんなすずがさまざまな体験を糧に成長していく姿が、見る者の涙を誘った。建前を排除し物事の本質を鋭く突こうとするすずの生き方は、バブル崩壊から立ち直り前を向き始めた当時の人々の心に深く響いた。

作中では「同情するなら金をくれ!」と鋭く言い放った安達だったが、収録の合間にザテレビジョン本誌に見せたオフの顔は、プロ野球イースタンリーグの始球式に向けキャッチボールの練習をしたり、ひょうきんなポーズを披露したりと12歳の元気な女の子。一方で、同級生たちからの壮絶なイジメのシーンも話題になったが、本人は「やってるうちに慣れました」とあっけらかん。弱冠12歳の主演女優としての逞しさも垣間見せた。

■ 脇役キャラから大躍進!マザコン男「冬彦さん」を分析【‘92年8/7号】

登場人物のセリフがそのまま流行するケースのほかに、ドラマのタイトルや現象が注目を浴びる、いわば“キーワード型”の流行語も存在する。その代表格を生んだドラマが’92年に大ヒットした「ずっとあなたが好きだった」(TBS系)。

ドラマの本筋は、賀来千香子演じる主人公・美和が、自分では何も決められない“マザコン夫”と姑の身勝手なふるまいに苦しんだ末、かつての恋人とふたたび結ばれるというラブストーリー。だが、佐野史郎が演じたマザコン夫・冬彦さんが木馬に乗って揺られるシーンや唇をゆがめて「んん〜〜」とうなるシーンの不気味さが話題となり、「マザコン」「冬彦さん」の2ワードが大流行。世の女性たちは結婚したくない男性のタイプに“マザコン”を挙げるようになり、「冬彦さん」が同年の「新語・流行語大賞」に選ばれた。本誌でも、脇役キャラである“冬彦さん”をクローズアップして特集。蝶の標本コレクターというオタクな顔を持ち、セックスはしない、友達もいない、困ったらすぐにママに相談…そんな冬彦さんと“マザコン男”の実態に迫った。

テレビドラマから生まれる流行語は、時代を映す鏡でもある。近年では'13年の「新語・流行語大賞」に選出されたドラマ「半沢直樹」(TBS系)の“倍返し”や連続テレビ小説「あまちゃん」('13年、NHK総合ほか)の“じぇじぇじぇ”のほか、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」('16年、TBS系)から生まれた“恋ダンス”やじれったい展開に対する視聴者の心境を表す造語“ムズキュン”、ドラマ「カルテット」('17年、TBS系)のセリフから生まれた“みぞみぞする”など、話題の言葉が続々と誕生している。

10月スタートの新ドラマにも、決めゼリフ「私、失敗しないので」でおなじみの注目ドラマ「ドクターX 〜外科医・大門未知子〜」第5シリーズ(10月12日スタート、テレビ朝日系)や、池井戸潤の原作小説を「半沢直樹」の制作チームがドラマ化する「陸王」(10月15日スタート、TBS系)、“じぇじぇじぇ”を生んだ脚本家・宮藤官九郎氏の新作ドラマ「監獄のお姫さま」(10月17日スタート、TBS系)などが登場。新たな流行語は生まれるか? ザテレビジョンはこれからも、ドラマと流行語の“いい関係”に注目していく。

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