「ひよっこ」最終回、最後のせりふは『頑張っぺ!』

「ひよっこ」最終回、最後のせりふは『頑張っぺ!』

クランクアップを迎え、涙を流す有村架純

9月30日、ついに連続テレビ小説「ひよっこ」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)が最終回を迎えた。

ヒロイン・みね子(有村架純)の家族がそろってすずふり亭を訪れ、念願のハヤシライスを食べるという“ささやかな”グランドフィナーレ。だが、みね子と秀俊(磯村勇斗)の結婚が認められたり、記憶喪失になっていた父・実(沢村一樹)が記憶の断片をたぐり寄せたりと、感動の展開となった。

そして、最後はみね子がカメラに向かって「今日までありがとう。みんな一緒に頑張っぺ!」。

思えば第23回(4月28日放送)で、集団就職で上京するためバスに乗り込み、窓から顔を出したみね子が、妹と弟に繰り返していたのも「頑張ろうね!」だ。

祖父と母を支える役目を幼い妹たちに託し自らは新天地へ向かう、みね子の強い決意が表れた名場面だったが、最終回もこれと同様に、「東京の人」として生きていくみね子の決心、そして“物語が続いていく”ことを思わせる演出となっていた。

■ 「ひよっこ」の軌跡

張り詰めた空気のスタジオで、最終シーンのカットが掛かると、有村は使い込まれたタオルを握り締め、チェック用モニターの前に立った。

本作がオールクランクアップを迎えたのは9月4日。制作発表会見から数えると、1年2カ月に及んだ有村の“朝ドラ”ヒロイン生活が、ようやく幕を閉じた瞬間だった。

有村にとって、“朝ドラ”は「あまちゃん」(2013年)以来、2度目の出演。だが、今回はオーディションではなく、脚本の岡田惠和による熱烈なラブコールに応える形でつかんだ、ヒロインの座だった。

「皆さまに新しい風を吹かせていけたら」と意気込み、向かった茨城。この時、有村はあえて体重を5kg増やしていた。「農家で暮らす子に見えるように」──。体重には人一倍気を使っているであろう女優が、プロの根性を見せた。

ところが、4月3日に放送された初回の視聴率は19.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同じ)。20%を割ったことで、ネット上では厳しい意見も相次いだ。

しかし、視聴者の多くは、数字なんて関係ないとばかりに連日感動の渦に包まれていた。有村演じるみね子が、初めて自分の給料でビーフコロッケを食べる。たったそれだけのシーンなのに、泣けて泣けて仕方がない…。

そんな不思議な現象を起こしたのは、岡田の脚本と有村の演技力の共鳴の賜物なのだろう。熱い支持はやがて視聴率にも表れ始め、先の“ビーコロ”シーンが放送された5月13日の第36回では、20.9%。その後もじわじわと数字を伸ばし続け、9月28日放送の第154回では本作最高の24.4%を記録した。

モニターには、撮ったばかりの最終シーンに続けて、これまでのダイジェスト映像が流された。それを見る有村の目からは、大粒の涙があふれる。

共にクランクアップを迎えた磯村に加え、沢村や木村佳乃ら、駆け付けた12人の共演者陣に囲まれ、有村は何度も涙を拭った。

すると、コメントを求められた沢村は突然、有村の頬を両手で“ムギュッ”。東京へ行く実がみね子にしたしぐさで、その後も本編で度々登場していたのだが、最後の最後にもう一度というわけだ。有村は驚きと照れで、この日一番の笑顔を見せていた。

「谷田部みね子として『ひよっこ』という世界で過ごせたことは、私の宝物です。みんなのことが大好きです!」。“ぽっちゃり”していたみね子はいつの間にか、有村と共にスマートで芯の通った女性になっていた。

たった4年間の物語の中で、みね子は大成するわけでも、大きな目標を達成するわけでもない。そんな異例の“朝ドラ”となった本作は、「新しい風を吹かせていけたら」という、有村の言葉の通りになったと言えるだろう。

「登場人物たちの続きが気になります」と話す有村の希望も、かなえられるだろうか?

なお、同番組の総集編は10月9日(月・祝)昼3時5分から、前後編続けて173分にわたって放送される。

この記事の続きを読む

関連記事(外部サイト)