【試写室】「民衆の敵」篠原涼子の自然体なキャラは“民衆が味方”するはず

【試写室】「民衆の敵」篠原涼子の自然体なキャラは“民衆が味方”するはず

篠原涼子がママさん議員を目指して奮闘!

「マイクを握ると人が変わる」といわれる人がいる。

カラオケなどで、普段はおとなしいのに急にハイテンションになって「ultra soul」とか歌っちゃう人とか、あるいは大勢の民衆…いや、社員がいるミーティングでプレゼンするとき、流暢な話しぶりでうまく自分の主張を言い切る人。

筆者はどちらかといえば大勢の人前ではきはき喋るのが苦手だ。だから「最後のお願いです!」とばかりに街頭演説する人たちを見ると、ある意味うらやましいなと思ってしまう。あれだけ街中で堂々と喋れれば、ナンパも余裕なのに。って、そうじゃなくて会議でのプレゼンも楽勝なのに。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は、ただの主婦から市議会議員への道を突き進む篠原涼子演じる主人公・智子の活躍を描く、新“月9”ドラマ「民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜」(毎週月曜夜9:00-9:54フジ系)を取り上げる。彼女もマイクを握ると〜の1人なのだろう。

本作は、新米ママさん市議会議員の智子(篠原)を主人公に、市政や社会問題を素人目線でぶった切っていく痛快エンターテインメント。智子と公平(田中圭)夫婦は、息子の駿平(鳥越壮真)と3人で手狭な団地住まいとはいえ、温かくごく平凡で幸せな家庭を営んでいた。

智子は駿平に本物のステーキを食べさせてあげたい、そして駿平の保育園送迎に電動自転車を…という、ささやかなぜいたくをしたいと願う。だが、佐藤夫婦はどうにも仕事が長続きしない。

理不尽な業務などについ逆らってしまい、すぐに解雇されてしまうのだ。そしてある時、夫婦同時に仕事を失うことに…。

パソコンのサイトで新しい職場を探す智子だが、なかなか見つからない。そんな時、智子はふと“市議会議員”と検索。ニュースで政治活動費を不正流用した市議会議員を見たからだ。すると、智子が暮らすあおば市の議員当選率は8割以上と知る。

智子の職探しより高確率で議員年俸は智子には夢のような額。すぐさま智子は公平に立候補宣言する。

出馬に必要な供託金として貯金を引き出した智子夫婦は選挙管理委員会で立候補の手続きをするのだが、すでに選挙戦は始まっていた。

素人候補の智子と公平は現市議会議員・磯部真蔵(笹野高史)の選挙演説を見学。すると、磯部の発言はウソばかりだと憤る女性がいた。駿平の保育園のママ友・平田和美(石田ゆり子)だ。智子が自らの立候補を伝えると、和美はあきれて立ち去る…。

選挙には磯部の他にも、政治家一家の藤堂誠(高橋一生)ら、一癖も二癖もありそうな候補者が名を連ねる…というのが第1話のストーリーだ。

■ 独断と偏見のレビュー

冒頭のフィクションとノンフィクションを織り交ぜた“現代”を表すVTRの数々に、いきなり引き込まれた。新ドラマの1話目だから、何よりこれから50分前後継続して見てもらうため分かりやすくインパクトがあった方がいいのは間違いない。

とはいえ、何事も“やり過ぎ”だと視聴者が置いていかれてしまうのは事実であり、インパクトを重視し過ぎて引かれたら元も子もない。その点、今作はちょうどいい。ちょうどいいって何で上から目線やねん、というのはひとまず置いといて、ほどほどにインパクトがあって、ほどほどにライトで。

予告編を作る人もそうだが、こういうふうに短くうまくまとめる人は尊敬に値する。いつも長々とまとまりのない文章を書く身としては…。って、おい!

そして主人公と家族のキャラも、おせっかいな説明ぜりふや事前情報が少なくともあっという間に分かる作りもお見事。これなら「民衆の敵」ならぬ、すぐに「民衆を味方」に付けられる。ものの15分ほどで応援したくなるというか。自転車の漕ぎっぷりも痛快! というか、共感! 

坂道で電動自転車に抜かれると無性に腹が立って、追い掛けたくなるもんなあ。ってそこじゃないか。かわいらしい夫と、天真らんまんでかわい過ぎる息子。これは応援しがいがある。特に息子の駿平くんがいい! 

うちの5歳の息子なんて、お菓子を買ってあげても「お菓子で釣られる年じゃねーし! A5ランクの肉食わせろ!」と生意気を言うんだが、駿平くんなんて、卵焼きをステーキだと思って食べるだと…!? エエ子や〜! おいちゃんがホンマモンのステーキを食わせちゃる!と思わず画面にツッコんでいた。

それにこれまたうまいなと思ったのは、石田ゆり子お姉さまの隠しきれない美しさと高橋一生パイセンの色気というか大人の魅力の伝え方。筆者としてはフラットにドラマを見るために、誰かのファンになるということはあまりないのだが、2人にはあっという間に釣られてしまった。

その他、選挙ポスターもパッと見では見えないような細部までかなりこだわっているし、笹野高史の議員感、余貴美子の“デキる市長”っぽさ、古田新太のドンっぷり、斎藤さんこと斎藤司の素朴な議員っぽさ、前田敦子のアイドル感、某号泣議員のパロディーや、MEGUMIのどこかのバラエティーで見覚えのあるキャラ、子どもを溺愛する母を演じさせたら右に出る者はいない田島令子など、これでもか!と見どころがちりばめられている。

さらに、冒頭の話じゃないが、篠原演じる智子の等身大で飾らない演説はもちろんせりふだとは分かっていても、引き込まれてしまう。

それをあざとくなく演技で見せられるのが篠原涼子という女優のすごさであり、彼女が演じる智子という役を通して、政治に興味がない人や、立候補したくてもやり方が分からない、という人に対しても一石を投じる作品になっているのかもしれない。

って、そんな堅苦しく考えなくても、相変わらずこの方程式に狂いはないので、ご安心くださいな。「篠原涼子×フジドラマ=鉄板」。

これ、2学期の期末テストに出るんで、覚えといて。

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