「美の壺」と「びじゅチューン!」がコラボ!井上涼『お互いの力を出し切っています』

「美の壺」と「びじゅチューン!」がコラボ!井上涼『お互いの力を出し切っています』

草刈正雄と初共演した井上涼。打ち解けた様子に見えるが、現場の雰囲気は?

「風神雷神図屏風」について、どんなイメージをするだろうか?

「美術の授業で見たことある屏風」や、「あ〜、俵屋宗達の絵ね」なんて“インテリ”なことを思い浮かべる人もいるかもしれない。

アーティスト・井上涼にとって、この絵は「デートの待ち合わせ」に見えるものらしい。

そんな自由な発想で、井上が世界各国の美術作品を歌とアニメで紹介している番組が「びじゅチューン!」(毎週火曜夜7:50-7:55、NHK Eテレ)だ。

同番組が、暮らしの中に隠れたさまざまな美を紹介する「美の壺」(毎週金曜夜7:30-8:00、NHK BSプレミアム)とコラボレーションし、2018年1月3日(水)に「美の壺×びじゅチューン!美び美にっぽん」(夜9:00-9:25、NHK Eテレ)と題した特番を放送する。

井上が「美の壺」の舞台である邸宅を訪問し、案内役の草刈正雄が「打ち水」「正月らしい床飾り」など、日本に古くから伝わる「和風おもてなしのツボ」を使って井上を“おもてなし”。合間に登場する美術作品に合わせ「びじゅチューン!」の人気楽曲「住んでます、八橋蒔絵硯箱」や「曜変天目ディスコ」などが登場する。

今回、井上にインタビューし、撮影の雰囲気や番組の見どころを聞いた。

■ 演技力のコントラストがすごいコンビ

――特番の撮影はいかがでしたか?

いつもは私1人だけで撮影をしていて、「びじゅチューン!」が始まってもう4年目になるので撮影には慣れているつもりだったんですが、今回は大物俳優の草刈さんがいらしたのですごく緊張しました…。

草刈さんと私が一緒にお芝居をすると、演技力のコントラストが如実に出てしまって恥ずかしいですね(笑)。

――草刈さんにお会いしてどんな印象を受けましたか?

すごく柔らかい方だなと思いました。

草刈さんは本当に素敵な方で、緊張しているのがバレバレな私に優しく「緊張しているの?」と声をかけてくださったんです。

カメラの前に立った時には、緊張をほぐすために背中をさすってくれたりして、すごく安心感がありました。

あと、すごく身長が高かったです。185cmくらいあるって…Wikipediaから情報を得たんですけど(笑)。

私も立つと意外とでかいんですけどね。草刈さんは身長以上に大きく感じました!

――普段の「美の壺」の撮影でも使用されている邸宅はどんな雰囲気でしたか?

やっぱり古くていい日本のお家という感じで、広くて豪邸というだけじゃなくて、気分が改まるような空気感がありました。それに、外光がとてもきれいに入るので、物を美しく見せるお家なんだなという印象を受けましたね。

「住みたいな」とも思ったんですけど、ちょっと寒かったです(笑)。

――特番では、草刈さんが井上さんを“おもてなし”していましたが、もし、井上さんが草刈さんをもてなすとしたら、何をしたいと思いますか?

え〜〜! どうしようかな…あ、今回の番組で初めて知ったことでやってみたいことがあるんです。和菓子を食べる時に使う、黒文字っていう木で出来た爪楊枝があるんですけど、それをお客様がいらっしゃる少し前に水にくぐらせておくとといい匂いになるんです。

まぁ草刈さんはもう知っているので、バレバレになっちゃいますけど(笑)。そういうことをさらっとやってみたいなと思いました。

黒文字の爪楊枝なんて、生活の中でなかなか使うことがないんですけど、実際に和菓子を切ってみたら切りやすくて、それにいい匂いがして「あ、やっぱりいい物にはいい理由があるんだな」というのをちょっとだけ体験できました。

――いい物に触れる機会って普段はそんなにないですよね。上質な品々に触れて気付いたことなどもありましたか?

草刈さんへのお土産の和菓子が入ったお重を持っていたら、けっこうずっしりと重かったんです。「こんなに重みのあるものなんだな」ということを改めて感じました。「誰かへのお土産をお重で持っていく」なんてしたことが全くなかったので、番組をやってみて初めて体験できたことですかね。

■ 私の半生は「紅白梅図屏風グラフ」

――特番では、和の美術をモチーフにした「びじゅチューン!」の作品がたくさん登場しますが、特に思い入れのある作品はどれですか?

全部に思い入れがあるんですけど、「紅白梅図屏風グラフ」という作品は、世の中の“若いとはもう呼べない”年代の人々に元気になってほしくて作った歌でもあるんです。

尾形光琳の実際の作品もすごく力強くて、それを受けた印象を基に作った曲が応援歌のようになったんです。特番の放送の次の日からお仕事の方も多いと思うので、少しでも皆さんが元気になってくれたいいなと思います…なーんて!(笑)

――「紅白梅図屏風グラフ」は、アイドルとしてデビューした女性の芸能人生の浮き沈みを、グラフに見立てて表現した作品ですよね。

金箔の格子模様がグラフ用紙に見えて、そこに書いてある曲線がグラフっぽいなと思ったんですよね。

――そういった絵の印象から、曲を作り始めることが多いんですか?

そうですね。いつも、ぱっと見の印象を大事に作るようにと心掛けています。

というのも、美術に対して抵抗感や、距離を感じている人が日本にはとても多いようなんですね。

そういう人たちがこの番組を見て「あ、紅白梅図屏風のことをグラフって言っていいんだ」と分かってもらえたら、美術に親しみを持ってほしいという番組の目的を果たせるかなと思っています。

■ 金曜日の金屏風の前でキンキラ逃避行

――ほかにも印象的な作品はありますか?

あ、「風神雷神図屏風デート」とか。この絵は、歴史の中でいろんな人が描いているんですが、中でも俵屋宗達が描いたものをモチーフにしています。

屏風の端と端に、収まりきらないくらいの大きさの、風神と雷神が描かれていて、真ん中に余白を持たせてある構図になっているんですが、描かれている風神と雷神がお互いを見詰めている様子が、デートの待ち合わせで駆け寄っているように見えたんです。

それで、デートの曲にしようと決めたんですが、実は2回ぐらい作り直したんですよ。最初は私がちょっと子ども寄りに擬音語を入れた曲作っていたんですが、チーフプロデューサーの倉森(京子)さんに「子どもっぽい」って言われたんです。それで、全く子どもを意識せずに、「表向きは仕事仲間で、隠れてデートしている」っていう設定にしたんです(笑)。

視聴者の方に「(美術作品を)どんなふうに見てもいいんだ!」と思ってもらうにはいい作品なのかなと思いますね。

それに、番組の中で草刈さんがちょっと口ずさんで歌ってくれる場面もあるので、作って良かったなと思いました。

――「びじゅチューン!」は4周年ですが、番組内で美術をいろんな形で紹介してきて、井上さん自身と美術の距離感が近づいたと感じますか?

近づいたとも思います。でも、「よし! これで美術のことが分かったぞ!」と思ってしまうには、全部の作品の奥が深いので、美術は今でもつかず離れずの友達っていう感じです。

作品に込められた背景の深さにおののきまくる4年間でした…美術にはやっぱり敬意を払うべきですし、誰かが作った美術作品に、自分なりの歌を作るということには勇気がいりますね。「なんか過去、すごくな〜い?」って毎回思います(笑)。

そういうことに慣れてくるのかなと思いきや、そうはならない厳しさを感じています。

――では最後に、特番の中で「やり残したこと」はありましたか?

演技力がもうちょっとあればな…とは思いましたけど(笑)。

でもできることはやったなという気がします。草刈さんとの共演なんてそんな機会めったにないですし。

「美の壺」も「びじゅチューン!」も力を出し切っている感じがあって、お互いの良さがすごく出ている番組に仕上がったと思います!(ザテレビジョン)

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