野村萬斎&広末涼子が舞台で共演! 井上ひさし作「シャンハイムーン」SPインタビュー&撮り下ろし写真付き

野村萬斎&広末涼子が舞台で共演! 井上ひさし作「シャンハイムーン」SPインタビュー&撮り下ろし写真付き

2018年公演の舞台「シャンハイムーン」で共演する、野村萬斎と広末涼子

井上ひさしの名作「シャンハイムーン」が、野村萬斎、広末涼子ら6人の俳優によって上演。第27回谷崎潤一郎賞を受賞した本作は、日本を憎みながらも日本人を愛した中国人作家・魯迅と、彼を敬い匿った日本人たちの、1934年のある1ヵ月をとらえた緻密なセリフ劇。中国近代文学の祖・魯迅に扮する野村と、その“第二夫人”を演じる広末に、作品に挑む想いを語ってもらった。

■ ――まずは台本を読んだ感想を聞かせてもらえますか?

野村萬斎「日本と中国という国同士の複雑な関係、そしてそれを超えた人間同士の友情や愛情を抱腹絶倒なシーンをとりまぜながらも、そこから本質をあぶりだしている緻密に描かれた素敵な作品だなと思いました。僕が演じる魯迅は、日本を憎みながらも日本人を愛した中国人で、彼を敬愛してかくまってくれる日本人たちの中で過ごすんです。周囲の人が危険を顧みずに魯迅を守る。魯迅は、それだけ尊敬され、愛される “一種のカリスマ”でいなければならないと思います。」

■ ――魯迅は、結婚した女性を中国・北京に置き、許広平と上海で暮らすという複雑な夫婦関係ですが、広末さんは、そんな魯迅の妻・許広平をどう演じていきますか?

萬斎「今だったら週刊誌の格好のネタになりそうな関係ですからね(笑)」

広末涼子「そうですよね(笑)。冒頭からしばらくの魯迅と広平は理想的な夫婦の距離感というか、お互いに尊敬し、愛し合う関係だと思うんです。でも、もう1人の妻の存在が見えてきたところからそれがどう変化するか…。いざ舞台に立ったとき、どういう感情が湧き上がるか楽しみですし、それがどんな方向に振り切ったとしても、お客さんに共感してもらえたり、しっかり受け止めてもらえるお芝居にしたいです」

■ ――広末さんは5年ぶりの舞台ですが、“怖さ”はありますか?

広末「怖いと感じることはないですね。自分が失敗しないかどうか…だけです(笑)。昔の話なんですけど、私、一度ゲネプロのときにすごい失敗をしたんです。緊張のあまり着替えが間に合わなくて…。それですごく落ち込んで帰ったら、母に『それだけ失敗したなら、それ以上の失敗はないわよ』って言われて」

萬斎「あはははは」

広末「私のポジティブさはここから来てるんだなぁと思ったんですけど(笑)、当時はその言葉で吹っ切れて、翌日の初日はすごく楽しかったです。そこから舞台自体もどんどん楽しくなって、今回は5年も時間が空いてしまったのですが、私はできることならもっとコンスタントに舞台に立ちたいなと。お客さんを前にお芝居ができる喜びやライブ感は何度やっても初心に帰らせてもらえる感動があるので、久しぶりの舞台は今から楽しみで仕方がないです」

■ ――お互いの共演で楽しみなことはありますか?

萬斎「僕は普段、狂言の舞台で男性とばかり仕事をしているので、こうして綺麗な女優さんと毎日会えるのはうれしいですよね(笑)」

広末「ありがとうございます(笑)」

萬斎「一緒に取材を受けていてもいろんなお話が出てくるので、現場でもさまざまな楽しいアイデアが飛び出すんじゃないかな。お互いにどういう球を投げて、それを返すか…。お芝居はキャッチボールですからね。そのあたりも稽古からきっと楽しくなるんじゃないかと期待しています」

広末「私は萬斎さんの世界観を体感できることが楽しみです。実はさっき、萬斎さんが『相手の方によって(芝居が)変わる』とおっしゃっていたのを耳にして。私の勝手なイメージですけど、萬斎さんって対峙する人が誰であろうと変わらないくらいの圧倒的な世界観を持っているのかなと思っていたんです。もちろんそういう部分もあるんでしょうけど、相手の役者さんの個性によって変わることもあると思うと、私が言うのもおこがましいのですが、“(自分とのお芝居で)あ、変わるのかな”って。魯迅と一緒で萬斎さんがみなさんを巻き込んでしまいそうなんだけど、ふいにその色が変わって見えたり…そういう瞬間があれば、それはすごく楽しみです。私が萬斎さんの世界に入っていくだけじゃないってこともあるかもしれないですね」

萬斎「僕は普段アクの強い役が多いですからね。そんなふうに見えているんですね(笑)。確かにそういうこともあるかもしれないし、稽古が進むうちに6人の俳優のチームワークがどんどん高まっていけばいいなと思います」

■ ――最後に、観劇を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

萬斎「まずは『シャンハイムーン』というタイトルに込められた意味ですよね。上海に住む日本人や魯迅夫妻だけじゃなく、月は日本人も同じように見上げられるわけで、月光に人間たちが照らされている。不動の天体である月から人間を俯瞰して見ると、人間の存在は滑稽でもあり、物悲しくもある。時代は変わっても月は変わらず存在するという世界観や人生のいろいろな機微が映し出される作品だと思いますので、ぜひご覧いただければと思います」

広末「決して派手な演出や装置がある作品ではないと思いますが、すごく面白味のあるハートフルな作品になると思います。セリフのテンポ感といい、きっと楽しんでいただけると思うので、劇場でお待ちしております」(ザテレビジョン・●スタイリスト=中川原寛(野村)、道端亜未(広末)、衣装協力=ユナイテッドアローズ(シャツ、ジャケット=スティーブン・アラン)(野村)、ヘア&メーク=奥山信次(野村)、山下景子(広末))

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