【試写室】「海月姫」芳根京子のニクい“オタク女子”演技に驚嘆!

【試写室】「海月姫」芳根京子のニクい“オタク女子”演技に驚嘆!

瀬戸康史演じる蔵之介に振り回される月海(芳根京子)

「親の顔が見てみたい!」

例えば、いたずらばかりする子どもに対し吐き捨てる言葉など、割とネガティブな意味で使われがちなフレーズだが、たまにあるのが「こんないい子に育ててくれた親御さんはどんな方なのだろう…」という意味での、親の顔が見てみたいという瞬間だ。

ここ数年で出会った人や、取材などで関わらせていただいた人の中で、そう思った方は何人かいるが、特にその気持ちが強くよぎった女優がいる。何を隠そう、それこそ今回取り上げるドラマの主人公を演じる芳根京子だ。

彼女が主演を務めたあるドラマで連載を担当させてもらったときのこと。だいたいマスコミがロケ現場などに取材に入っていると、演者の皆さんは目の前を通り過ぎながらあいさつをしてくれることが多いのだが、芳根の場合は、共演者とキャッキャしながら歩いてきても、きちんと記者の前で一時停止!

「おはようございます! よろしくお願いします」とキラッと笑顔で丁寧にあいさつし、爽やかな風とともに去っていった。ぽっかーん。

こんなんされたらおじさんはひとたまりもありません。その場にいた記者はみんなファンになったんじゃないかな、ってくらいの破壊力。

それ以来、勝手に超遠縁の姪っ子だったと思い込み、活躍ぶりを記事で応援してきたが、やがて朝ドラヒロインになり、いよいよ“月9”主演…しかも「海月姫」。これはもう正座して見なきゃあかんでしょ!

前置きが長くなってしまったが、各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は、その芳根が主演を務める1月15日(月)夜9時スタートの“月9”ドラマ「海月姫」(フジテレビ系)を取り上げる。

同作は、東村アキコの人気コミックが原作。“クラゲオタク女子”の倉下月海(芳根)が、クラゲがきっかけで、見たこともないほど美しい女性…、と思いきや女装した鯉淵蔵之介(瀬戸康史)と、蔵之介の弟の修(工藤亜須加)に出会い、日常が一変していくさまを描くラブコメディーだ。

第1話は、ある朝「天水館」の自室のベッドで目覚めた月海が、隣を見てビックリするところから始まる。なぜかそこには上半身裸の男が寝ており、なぜ男がここにいるのか激しく動揺。月海は昨晩のことを思い起こす。

10時間前、夜9時頃のこと。クラゲオタクの月海は、久しぶりに近所の熱帯魚店を訪れ、“クララ”と名前までつけているお気に入りのクラゲを観察する。

月海は、その水槽にタコクラゲ・クララと一緒に飼ってはいけないミズクラゲが一緒に入っていることに気付く。熱帯魚店の店員に注意しようと思う月海だが、相手はオシャレな男性店員。

月海には大苦手の人種だったのだが、クララのためと月海は勇気を振り絞って注意する。しかし、店員に気味悪がられて追い出されてしまい、店の前で倒れてしまう。

そんな店員を注意するスタイル抜群の美女が月海を助けてくれた。月海がわけを話すと、その美女はクララを買ってしまおうとお持ち帰り。美女はクララを持つ月海とともに「天水館」まで来ると、部屋まで見たいと言い出す。美女は月海の部屋に勝手に泊まることにしてしまい…。

そして、次の朝、目覚めた月海が大声を出すということにつながる。そう、助けてくれた“美女”が上半身裸の男・鯉淵蔵之介(瀬戸康史)に変身していたのだ。

蔵之介によると女装は趣味らしい。月海の声を聞きつけた住人たちが集まってくる。慌てる月海は「天水館」は男子禁制の尼寺のようなところだと蔵之介に説明。女装姿に戻った蔵之介が月海と部屋を出ると、独特な住人たちがいて…というストーリー。

■ 独断と偏見のレビュー

どうしても先に実写化されたものがあると、その後に放送されるドラマは比較されてしまいがち。特に前の作品のクオリティーが高いと、次に続く作品のハードルは上がってしまうもの。

当然本作のキャスト、スタッフの方々も相当なプレッシャーと闘っていると思うが、一足先に映像を見せてもらった限り、何の心配もなさそうだ。もちろん原作ありきなのだが、完全に新しい「海月姫」の世界として、キャラクターそれぞれが“生きて”いた。

まず主演の芳根。冒頭で書いた通り、多少贔屓目で見てしまうところはあるが、それはさておき、絶妙な“気味の悪さ”を表現していた。

これまで彼女が演じてきたキャラクターは、“正統派”というか、天真らんまんというか、快活なイメージだったので、今回のような個性派キャラはどうなるのかとドキドキしていたが、あっさりと予想のはるか上をいってしまった。そりゃ、“オーディションで出会いたくない女優No.1”と言われるわけだ。

地味過ぎるジャージ姿もドンピシャでハマっていたし、鹿児島弁に“オタク”らしさを存分に出す早口言葉のクオリティーも秀逸、歩き方も絶妙にオタクっぽさを出し、それこそオタク系女子っぽいしぐさが絶妙…完璧に月海だった。

もちろん“変身”後はそらもうべっぴんさんだ。個人的にはある場面での、「オ・レ〜♪」ダンスと、部屋のベッドにナナメから飛び乗る姿に最高に笑わせてもらった。

そして、この完成度がドラマを左右すると言っても過言ではない、瀬戸の女装姿もあっぱれ! 既に写真・映像ビジュアルも解禁されており、その美人っぷりに「男でもドキドキする!」「女だけど負けた…」などとSNSが騒然としているが、ストーリーを追って見ていくとますますその女性らしさに驚いた。

女装はもちろん顔も大事だが、足元や立ち居振る舞いが何よりも難しい。以前筆者も宴会芸の一環で挑戦したことがあるが、すね毛の濃さとガニ股であっさり黒歴史入りしたほど。

まあ、そもそも瀬戸とはビジュアルの次元が違うのだが…。瀬戸の立ち居振る舞いや足元は完全に女性そのもの。恐ろしく小顔だし、見詰められたら間違いなく照れるだろう。さすがに声は瀬戸だったが、そこはそもそも別に意識して女性っぽくしているわけではないキャラなので、当たり前っちゃ当たり前だ。

逆に言うと、消音でドラマを見たら男性だと見抜ける人は少ないんじゃないかな。月海がだまされてしまったのも、ある意味無理ないのかも。

そして、月海を除いた4人の尼〜ずの面々。4人中3人前髪長い系女子で、再現度もすさまじく高いので、一瞬誰が誰だか本当に分からない! 特に内田理央と松井玲奈は、事前情報がなかったらこれ誰が演じているんだろう?って、エンドクレジットを見るまで分からなかったのではないだろうか。はじけっぷりがガチだ。

もちろん、木南晴夏と富山えり子も玉露の緑茶くらいいい味を出している。ジジ様(木南)のお茶のすすりっぷりや和物オタク千絵子役の富山の肉へのリアクションなど、書きだしたらきりがない。4人とも演技が抜群なので、これは1話から心を奪われてしまう人が続出しそう。

その他、蔵之介(瀬戸)の弟・修役の工藤亜須加は、失礼ながら“童貞キャラ”がよく似合っていた。特に、月海に一目ぼれする瞬間の表情には注目してほしい。お茶を飲みながら見たら84%の確率で噴き出すだろう。筆者も3回見て2回は噴き出した。

蔵之介&修兄弟の父・慶一郎を演じる、意外にもこれが初“月9”出演の北大路欣也の「私のにくぅ〜!」もキュートだし、花森さん(要潤)のクセの強い運転手っぷり、仕事探しは…いや、泉里香のもっとクセの強いグイグイ系キャリアウーマン、チョイスがニクい“たけ”さんの「たけ散歩」。

第1話からここまで小ネタをちりばめられると、毎回何度も見なきゃ損をしたような気分にすらなっちゃいそう。

さしずめ特上A5ランクの松坂牛くらいニクい(?)芳根の絶妙な“オタク女子”演技と、彼女を取り巻く“高級食材”の数々が絶妙にマッチし、毎週月曜夜9時からはフジテレビで夢のすき焼きパーティーが開催されそうだ。

いや、何のこっちゃ。(ザテレビジョン・文=人見知りシャイボーイ)

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