小室哲哉【引退会見全文2】音楽制作への葛藤と引退を決意するまで

小室哲哉【引退会見全文2】音楽制作への葛藤と引退を決意するまで

引退を表明した小室哲哉

19日小室哲哉が不倫疑惑報道を受け会見。150人もの報道陣が集まった。小室は疑惑は否定したものの、騒動のけじめとして引退を表明。以下1時間40分に及ぶ会見の全文を4回に分けて掲載する。

■ 小室哲哉会見コメント 中編

体調不良は本日も変わらず、残念ながら耳鳴りがどうしても治らなくて、ここ最近は音楽制作の締め切りも、滞ることが今まではなかったのですが、最近は3日、一週間と…納期が滞りはじめまして、小室哲哉だったらこんな曲を作るだろう、こんな音をやってくれるだろうという、期待に応えられるのかどうかということも2017年の秋くらいの制作によっては自問自答する日々でした。

特に歌手の方に提供する楽曲、それが歌手の方のためにいいものになるかということで、一週間くらい悩み、やり直しという日々もたくさんありました。本当にそれは10年前20年前、90年代のころは考えられなかったことなのですが。

何でだろうなと思っているのですが、去年くらいからですかね、公務員の皆様とかが一般的に定年が60歳…65歳という方もいらっしゃるかもしれませんが、去年58歳の時点ですね、59歳になり、そして2018年には還暦…60歳を迎えるということで。ある種60歳というのは一つの大きな節目なのかな。才能であったりとか能力の…こういった、特に創作においてはどうなのかなという疑問が出てきました。

期待に応えられる音楽制作のレベルなのかダメなのかも、そこまではっきりとわからず、正直やり直し、やり直しということも増えてきました。そしてやっとの思いで出来たもので、ようやく次の仕事という日々が多くなりました。

簡単に言うと不安、懸念、自信のなさ、みたいなことが日増しに増えてきまして、KEIKOにもずっと簡単な言葉ですが悩みを言いましたが、元々先ほどもお話ししたように音楽に興味のない人…になっているので「そうなんだ」という(感想)くらいだったと思っています。

不安に駆られる日々はさらに続きました。そんな中ですね、医療の知識を持ったA子さんという方が、片方では往診ということでなんとなくサポートをしてくれるような日々が続いてしまいまして、ついつい相談事とか頼るように、年末年始…2017年から2018年は特に、なってしまいました。

先ほど申しましたけど、そういった誤解を招く不徳の致すところという環境の中、年末に風のうわさなのかな、自分も正直何かは分からないですけど、何かこういった事態が起きるだろうという胸騒ぎはしていました。こんなことをしてまかり通るわけがないなという気持ちをずっと思っていました。

思っていたんですが自分の体調と、わかってもらいたいけどわかってもらえない、聞いてくれるんだけど、理解をしてもらっているのかなと思う妻。ピアノのフレーズをちょっと弾いても30秒も聴くのが持たないくらいの妻という環境の中で、依存が彼女のほうに強くなってしまいました。

そういったピーク、自分でも胸騒ぎというかここまでかなと思っていたタイミングでちょうど週刊文春さんが。僕からいったら「戒め」みたいなものなのかなと思っていますが。

もう一回2009年にさかのぼらせてもらいますが、僕は現在こんなすごい席に立たせてもらっていますが、2009年は裁判所にいました。裁判官から主文を聞いて執行猶予付きだというものの、有罪判決ということになって「頑張るんだよ」と叱咤激励をうけまして。その時の判決を聞いた時のような気分に、文春さんの取材を受けた時に、同じような気持ちを抱きました。

僕はまれな、こんな状態でも仕事をさせていただいている恵まれた存在なのですが…自分の思い込みではあるのですが、そういった罪があれば必ず償い、罰も受けなければいけないんだなという感覚は2009年の時にひしひしと感じたことなので、その時と同じ感覚を今回も持っています。

去年から頭をもたげていました音楽制作が自分にとって本当に優れたものなのか、優れていないのか、定年に近い人間が今の現代のすごく目まぐるしい状況のエンターテイメント業界の中で何の役目があるのか。そんな引退みたいなことがどんどんどんどん頭をもたげてきまして。

常に頭に浮かんでいたのは、皆様に「お疲れ様」と言っていただいているような祝福を受けまして、グラウンドの中に立ってスポットライトを浴びて「ありがとうございました、長年」というようなアスリートの方とか、野球選手の方とかの引退セレモニーみたいなことを夢見た日々も、ここ一か月二か月三か月は正直ありました。

しかし、自分の甘さからそういった環境ではなく、このような素晴らしい場所ではあるものの、勇退される方とはかけ離れた状況で、今回の行動による罪を償うとともに、自分の身体的な限界であったりとか、このエンターテイメント業界に僕の才能が本当に必要なのかと、もはやここまでかなと、音楽の新しいものが作れるのかなという自問自答を続けてきましたが、報道された…報道していただいたという言い方かもしれませんが、僕が音楽の道を退くのが私の罪(滅ぼし)であると思いました。

年末つい最近作り上げた楽曲、子供のようなものですけど、愛着がある楽曲もあります。自分でも出来が良かったなぁ、いいんじゃないかなぁという曲があります。(これまでの作品でも)avexにとっても、他のレコード会社、アーティストの方にとっても大切な曲だなと思ってもらえる楽曲もあったのかなと思います。

そして今後もこの曲いいな、歌いたいな、聞いてみたいなと思ってもらう曲もあるのかなと思っています。そういう楽曲は退かないで生きていってほしいなと…思っていまして。僕のものではなくて歌う方のものなので、その人が活かしていっていただけるのであれば、育てていってほしい。

そう思えば思うほど、僕の今のようなふらついた考え、ネガティブなあまり明るくない影響が僕の作った楽曲に行ってしまうのが、今僕が一番望んでいないことです。

すこし、もしかしたら一年以上早まってしまったのですが、作詞作曲家というか音楽家をはじめ音を作るのが僕の仕事ですし、ライブ演奏だったり、そんなスゴイ技術があるわけではないですがピアノ演奏だったりとか、そういった音楽に関する仕事を全て退きまして、今回ご迷惑をかけたことを、僕はどうしても罪と罰ということにおきかえてしまっていまして…。

現在引き受けさせていただいている仕事はたくさんあります。まだ直接話していない方もいますし、まだ解散としないグループ、プロジェクトもあります。そういう方たちとの話し合い、どういった思いを抱いていただいているかを聞かなければいけないですが、それは望まれるのであれば、最低限のことは全うしていきたいと思います。ですが、自発的な音楽活動は(目頭を押さえる)本日をもって終了となります。

元は芸能人になりたくて入ったわけではなくて、音楽をやりたくてはじめた身で。自分もヒット曲を作る人間なんだと思っていたわけではなく、ある程度好きな音楽をやっていたいなと思っていた人間であったわけですが。90年代の自分でも全く想像がつかない枚数であったり売上だったりとか、そういうことでの過信だったりとか、そういうものからくる慢心であったりとか。枯渇していっている能力。自分でも飽きてきている、皆さんも飽きているという認識の甘さだったりとか。そういうことから大体約20年経っているので。お騒がせした今回も含めて、まぁまぁの時期が過ぎたのかなと思っています。

メンバーや近い人間と話をするのが最初であるべきかもしれなかったのですが、メディアの皆様が、応援してくださる方、支援してくれる方、一般の方、興味を持たれている方、興味を持たれない方を含めて、皆様が報告していただくことになるので、まずは皆様のカメラや映像を通して、お伝えするのが先決かなと思いまして、本日急遽お集まりいただいた次第です。

この言葉だけではまだまだ足りないのですが、今音楽を依頼している皆様と話さなければいけない。メンバーもそうです。特に妻のKEIKO。当然昨日まで話を、経緯を話していますが、これから熟慮して、どうやっていこうかということを少しだけ時間をいただきたいなというのが甘いですが、僕の考えです。

僕はですね、基本的にテレビを中心とする芸能の方の仕事とは多少違うので。本日退きますといっても、この夕方から姿を消すというのがなかなか見えにくい職業というのもあるので、お話させていただいておりますが、今回みなさま(メディア)の向こう側にいらっしゃる応援してくれた方、いいなと思ってくれた方、ご興味を持たれない方も含め、ご迷惑をかけた償いとして、音楽生活の引退とさせていただきます。

僕にとって、今までの皆さんの報道の対応の仕方とは様子が違うかもしれません。取材を受けてまだ5日かしかたっていないので、今後の生き方であったりとか身の振り方とかは少しお時間をいただいて考えたいと思っています。それはKEIKOのことも含めてですが。

勝手な苦渋の決断ではあります。本当に。でも今回のご迷惑、お騒がせした中での、僕の償いはこれが精一杯です。これからどれほど生活水準がさがったりとかはかり知れません。全くわかりません。ただこういった場所で皆さんに注目していただけるのはもしかしたら最後かなと思っています。実直にうけいれようと思っています。

TMネットワークからはじまって今年で35年になります。本当に関係者、スタッフの皆様、メディアの皆様…がいなかったら世の中に僕の音楽が広がるわけもなく、本当に皆さんあってと思っています。35年近く本当にありがとうございました。心から感謝しています。

まだ本当に(報道から)一週間足らずなので戸惑いも正直ありますが、まずは皆さんの報道というものを通して、その向こうにいる方たちに知っていただくのが先決かと思って、ここに今座ってしゃべっております。

少し長くなりましたが本当に心より感謝いたします。ありがとうございました。

(引退会見全文3に続く)(ザテレビジョン)

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