佐藤隆太は“親方”!? 把瑠都「佐藤さんはいい意味で変わらない人」

佐藤隆太は“親方”!? 把瑠都「佐藤さんはいい意味で変わらない人」

作中でも印象的な平屋のシーン。この撮影で互いの距離が縮まったという

NHK BSプレミアムにて放送中のドラマ「弟の夫」(毎週日曜夜10:00-10:50)が、3月18日(日)に最終回を迎える。

LGBTというテーマを扱いながら、どこか心がほっこりする内容が大きな話題を呼んでいる。

同ドラマで主人公・弥一を演じる佐藤隆太と、その弟の結婚相手・マイク役の把瑠都にインタビューを行い、現場の雰囲気や互いの印象、作品の魅力を語ってもらった。

――把瑠都さんは初めての連続ドラマ出演ですが、オファーを受けた決め手を教えてください。

把瑠都:ドラマの話が来てから、1カ月くらい「楽しみ、やろう!」、でもマネジャーに電話して「あ、ごめん、やっぱり自信ないから無理」の繰り返しで。

結局やることになったんですけど、何でやることになったのか私にもはっきり分からないんです…。

――そこははっきり覚えてないですか?

把瑠都:でもこの作品はすごく深い話ではあるけれど、子供からお年寄りまで簡単に説明できるし…。あとはNHKさんっていうのも大きかったですね。絶対要らないことはやらせないですよね(笑)、NHKさんは。真面目だからね。それが一番大きかったですね。

――マイクのひげ面もすごい貫禄で…。

把瑠都:今日そったんですよ、朝そった。

――え、そうなんですか!?

佐藤:うそつけい!!(笑) 現場でも(把瑠都さんは)ずっとこんな感じで、楽しかったですよ。

把瑠都:なかなか大変でしたよ。もう昼の弁当とか食べられないんですもん! ひげがもじゃもじゃで、すぐ米とかいろんなものがくっ付いてしまって…。

佐藤:大変でしたよね。

把瑠都:あれはなかなか…。ひげを生やしている人はすごいな、って思いました。

――佐藤さんは把瑠都さんと初共演でしたが、把瑠都さんの印象はいかがでした?

佐藤:お芝居の経験があまりないということは、こういう(ドラマ撮影の)現場に参加した経験もないと思うのですが、とても人間力のある方なので、現場での振る舞いというか、例えば、タイトなスケジュールになる日もあったのですが、そこでみんなちょっと元気がなくなってきたかな、というのを感じたら、ユーモアを言って盛り上げてくれたり。

そういった意味では現場の経験が少ないなんてことは全く感じなかったですし、助けられた部分がむしろ多いですね。

お芝居は、作った表情じゃないというか、本当に内面からにじみ出てくるものを一瞬にして伝えられる、そういう力を持っていらっしゃる方だなと感じました。一緒にやっていてすごく楽しかったです。

――共演が把瑠都さんと聞いたときはいかがでしたか?

佐藤:それはやっぱりびっくりしましたね、正直。舞台に出ていらっしゃることをそのときはまだ知らなかったから、「え、把瑠都さんって芝居されてるの!?」みたいな(笑)。

把瑠都:できるの!?みたいな?(笑)

佐藤:というより、そもそもしてるんだ!?って、ちょっとびっくりしました。

でも、そんなことすぐ忘れていましたよ。さっき言ったこと(把瑠都の印象)があって。

濃密な時間ではありましたけど3話だけだったので、把瑠都さんがその気になるかどうか分からないですけど、長めの連ドラとかでもご一緒できたらうれしいです。これからが楽しみですね。

■ 舞台とドラマの違い

――佐藤さんからラブコールが来ていますが、把瑠都さんはまたドラマに出たいですか?

把瑠都:相撲を引退して、また一から人生を変えようと思っていて。何をするのかはすごく迷っているんですけど…。

現役のときからいろいろなテレビ番組にも出ていましたし、私本当に裏表なく、そのまんまなので。芸能人としてもそのまま(素)なので、すごく楽しいんですよね。

舞台もやって、今回連続ドラマもやって、これから私に合う役あればぜひ! 警察とか、お相撲さんとか…。

佐藤:お相撲さんね! そりゃぴったりですよ(笑)。

把瑠都:あと思ったのは、舞台とドラマってえらい違うなと。

佐藤:えっ?

把瑠都:舞台のときは、一緒に出ている方々が舞台の話ばっかりしているんですよ。私にはもう全然分からないんですよ!!

佐藤:そういうことか。なるほどね(笑)。

把瑠都:(舞台とドラマは)全然違う! 前回の舞台はこう、次の舞台はこう…ってもうずっとみんなで演技の話してて。

私だけ話すことないんですよ、初めてだから。いや舞台はすごく楽しかったけど! でも佐藤さんとは、プライベートの話ばっかりしてるし…。釣りの話とか。

佐藤:え、それいいのかな? 仕事の話も…(笑)。

把瑠都:違う違う! 佐藤さんとは会って二日ぐらいでもういろんなこと話をできたから、すごく楽だったんですよ、すぐに打ち解けられたんですよね。

――現場はすぐリラックスできるような空間になったんですね。

佐藤:そうですね。ずっと平屋の大きなお家での撮影が続いたんですよ。最初は緊張感あるんですけど、もう朝から晩までお家の中で撮影をしているので、徐々に距離感も近づいてきて…。

家族というテーマを扱う上で、すごく恵まれた環境だったと思いますね。

把瑠都:もう泊まりましょうって話もしましたもんね(笑)。

佐藤:面白いんですよ。それぞれの場所があるんです。把瑠都さんはここが落ち着くのかな?とか、そういう居場所ができてくるんですよね。

だから自然と「あそこにいるだろうな」って思って行ってみたりとか。そんなところも居心地が良かったですよね。

把瑠都:うん、良かった。

――把瑠都さんはせりふも膨大な量だったかと思いますが…。

把瑠都:私、すぐ覚えるんですよね。前々から覚えるとかなくて。朝、現場移動する車の中で台本覚えて…。

佐藤:え! あれ当日にやってたの!?

把瑠都:はい。

佐藤:ほんとに!?

把瑠都:だから、がっかりするところがあったと思いますよ。

佐藤:いやいやいや、すごいですよ。

把瑠都:私、日本語も勉強したことないんです。全部耳で覚えて。学校も行ったことないので。

――現役時代には“立ち合い”など集中力が必要だったと思いますが、角界での経験は演技する上でも役に立っていますか?

把瑠都:真面目に一生懸命やれば、結果は付いてくると思う。あとはやっぱり相撲があったから、今があるんですよね。

お相撲さんになれてなかったら今ここにいないから。

■ “親方”に緊張

――佐藤さんはそんな把瑠都さんと共演して刺激を受けたことはありますか?

佐藤:最初に思い浮かぶのは、いろいろなところに目を向けている方ということですね。

橋での撮影があったのですが、セッティングしているときに「ゴミが多過ぎる。悲しい」と言っていて。僕は恥ずかしながら言われるまで気付いてなかったんです、そこに。

いろんな話をしている中で、普段ご自身が率先してゴミ拾いの活動をされるとか、あらゆることに対して意識の高い方だな思いました。

興味を持たれたことに対してちゃんと調べて、知識を身につけるんですね。

今度調べようじゃなくて、行動に移される方だから、話していて楽しいんです。いろんなことに詳しいからそうなんだ!って。

人としての強さを持たれてる方だなと思います。

把瑠都:本当にね…親方が現場に来ると…。緊張が走るんですよ…。

佐藤:親方…?(笑) えっ俺!? 言ったことないじゃないでしょ、そんなの!!

親方って…やめてください(笑)!

――佐藤さんはどういう親方なんですか?

佐藤:いやいや違いますよ、親方じゃない!(笑)

把瑠都:いやぁ、でも佐藤さんは本当に周りに気を使っていて…。私が言っていいのか分からないけど、変なプライドを持っていないんですよ。

佐藤:…… (照れながら)持ってる、持ってる、持ってる。

把瑠都:いやいやいや! それを見せないんですよね。

佐藤:あ、ありがとうございます(笑)。

把瑠都:私も日本に来て14年たつのですが、相撲界から芸能界、役者さんまでいろんな人を見てきたけど、佐藤さんは有名になってもいい意味で変わらない人だな、と…。

佐藤:いやいやいや!

把瑠都:いくら偉くなっても、周りをちゃんと見なくちゃいけない。いい勉強になりました。

佐藤:なってない! なってないです!(笑)

――印象に残っているシーンはありますか?

把瑠都:すべてですねぇ…。

佐藤:格好いいね(笑)。

二人:(笑)。

把瑠都:私は、「ウイスキーにしませんか」ってところ。弥一が離婚した妻との関係性に悩んで、お酒を飲んでいるシーンがあるんですけど…。

佐藤:第1話ね。

把瑠都:はい。そこ、マイクもお酒好きなんだなって思ったんですよ。

佐藤:(笑)。

把瑠都:私もお酒好きなんですけど、マイクも好きなんだなって。

佐藤:僕もあのシーンは大好きです。

突然やってきたマイクとまだ距離がある中、ちょっとした勇気を出して誘った弥一に、マイクが付き合ってくれて二人でお酒を飲む。

そんなことがあったおかげで、二人の距離がぐっと縮まっているので、あのシーンは好きですね。

把瑠都:「ビール飲みませんか」って部屋に入ったときは、なんか弥一さんかわいいなと。

佐藤:さっきまでツンケンしてたのにね!(笑)

把瑠都:厳しい弥一さんがこんな急に優しくなって。

佐藤:マイクの「ウイスキーにしませんか」ってせりふがすごく好きで。こっちがちょっと悩んでいるところで「ウイスキーにしませんか、ちょっと酔いたいです」って。

自分が酔いたいって言葉を使って、弥一に寄り添ってくれているマイクの優しさが出ていて好きですね。

――お二人ともご家庭をお持ちですが、ドラマを通してご自身の家族の在り方を考えさせられましたか?

把瑠都:家族だけじゃなくて、友人のことも。

自分は兄弟がすごく多くて、めったに会えなかったり、メールのやりとりをあまりしなかったりする兄弟もいるけど、今回の作品を通して家族は仲良くしなきゃいけないなと思いました。

あとは「ゲイだから私は受け入れてもらえない」って勝手に思うより、一度はっきり話した方が本人も楽になるかなと。でも、まずはコミュニケーションが取れる環境作りも必要だなと思いました。

人はそれぞれ好き嫌いがあって、それはその人の生き方だから、私が何かを言える立場じゃないなと。

佐藤:僕はやっぱり自分の子供ですね。例えば同性を好きになった場合、カミングアウトってすごく勇気がいりますけど、それが言える環境でありたいなとすごく思います。

そういうことに限ったことではなく、家族と離れた場所でこんなことがあったとか、子供が話せるような家族に常にしていきたいなって。

思春期になったら親に言うのは照れくさいだろうし、難しいんでしょうけど、1人で抱えてほしくないな、いろんな話をしやすい家族を作っていきたいなと思いますね。

■ 最終回(3月18日[日]放送)のあらすじ

留守番をしていたマイク(把瑠都)は、夏菜(根本真陽)が忘れていったリコーダーを見つけ、学校まで届けにいく。その日の夕方、夏菜が友達を連れてくる。弥一(佐藤隆太)は、マイクを友達に紹介する夏菜を微笑ましく見守る。そんな折、弥一のもとに夏菜の担任・横山(大倉孝二)から連絡が来る。(ザテレビジョン)

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