坂元裕二と豊原功補が初タッグ! 舞台「またここか」上演スタート!

坂元裕二と豊原功補が初タッグ! 舞台「またここか」上演スタート!

濃密なセリフと他愛ない笑いで紡がれるストーリー

明後日プロデュース新作舞台「またここか」がDDD青山クロスシアターにて開幕する。「カルテット」「最高の離婚」「それでも生きていく」「anone」などの名作ドラマを世に送り出してきた脚本家・坂元裕二の書き下ろし作品を、豊原功補が演出。俳優のイメージが強い豊原だが、昨年上演された芝居ばなし「名人長二」では、企画・脚本・演出・主演と四役をこなした。旧知の仲という二人が今作で初めて組むタッグ。

男女4人の会話劇というと、坂元作品の魅力のひとつでもあるテンポ良いやりとりについ期待してしまう。

豊原「坂元さん独特の、あのセリフの掛け合いは今作でも生き生きと書かれております。演劇という生の場所で繰り広げられるテンポとユーモアのあるセリフのやり取りは、連続ドラマ同様、いや、それ以上の臨場感を持って楽しんでいただけるのではないでしょうか。ドラマでは女性を主人公にした物語の多かった坂元さんですが、今回は、私とやるなら男の話でしょう、と最初の発案があり、年の離れた異母兄弟を主軸に据える話になりました。『坂元裕二の書く男の物語』というのは、今作の大きな見どころだと思います」

強力な脚本&演出に加え、4人の出演者もまた気になる面々だ。ここ最近の映像での活躍が飛びぬけている若手俳優・吉村界人、演劇ユニット・城山羊の会など舞台俳優として存在感ある芝居を見せてくれる岡部たかし、映画「あゝ、荒野」でのヒロイン役が印象的な木下あかり、劇団・ナイロン100℃での成長株、小園茉奈。

キャスティングについて、プロデューサーとして作品を盛り上げる小泉今日子が熱く語る。

小泉「最初にお名前が挙がったのが岡部さんでした。坂元さんは『カルテット』の八話に出た岡部さんに一目ぼれされたそうです。その時点で既に男兄弟の話にしたいという構想は生まれていました。木下さんは、映画『あゝ、荒野』を坂元さん、豊原さん両者共にご覧になっていてその魅力的なヒロインだった木下さんに今作でもヒロインをお願いしました。そして、兄弟とヒロイン、その中にひょうひょうと存在するバイトとして小園さんの名前があがりました。昨年のナイロン100℃「ちょっと、まってください」を坂元さんがご覧になって注目なさっていたそうです。弟役は一番難航しました。当初は岡部さんの弟ということでもう少し年齢が上の方を想定していましたが、理想のキャスティングには至らず、ここで年齢を取るのか、俳優としてこの役の精神を持っている人を選ぶのか、悩んだ挙句、精神の方を重要視しました。稽古を進めている中で我々の判断は正しかったと確信しています」

キャスティングへの思い入れも強い中、知り合いではあるが、仕事をするのは初めてという坂元と豊原。坂元が豊原の舞台作品を書こうとしたきっかけは昨年の舞台「名人長二」。

坂元「稽古場を見学させていただいたところ、演出される姿がとても様になっていたからです」という。

今回の稽古場でも様になっているであろう豊原に稽古場の様子を聞いてみた。

豊原「これが初舞台である吉村くんにとってはかなりハードな役者としての時間を過ごすことになっただろうと思います。しかし日に日に役柄の人間像が彼の肉体を通して形成され、今では吉村くんにしか表現できない世界が展開されようとしています。岡部さんの持つ絶妙な間合いとたたずまいは、この物語を破綻させることなく常に役者の間をつなぎ止めてくれています。最初は坂元さんの膨大なセリフ量に目も虚ろの様子でしたが、ここへきて兄役の背景に更に奥行きを深めてくれる足腰の強さに感服しています。木下さん、小園さんの演じる女性は、両者ともどこかとらえどころのない、役者にとっては芯を捕まえにくい難しい役どころだったかもしれません。単に実年齢、実生活に落とし込むのではなく、想像力と懐を深く持つことや、大げさに言えば哲学的な感覚をまとうことも必要とされながら、木下さん、小園さん共に粘り強く役をとらえていってくれています。それこそ坂元脚本における女性たちのように」

生の舞台で坂元作品が見られる貴重すぎる本作。これを見逃すわけにはいかない。

初舞台となる吉村の取り組みも今まで以上に気合が入る。

吉村「僕はこの作品が“初舞台”になりますが、実際に毎日稽古場に通う日々を過ごしている中で“初舞台”という言葉の中に、“初芝居”という言葉が浮上してきた気持ちです。芝居を今までやってきたはずなのに“初芝居”という心持ちでいます。未だ、役者という道を選んで良かったのかどうかもわからないですし、自分自身に対して“役者”という職業があっているのかもわからなくて一人になって葛藤したり言い訳したくなったり悩みながら狭い部屋を見つめて自問自答の日々です。ちょうど、アルバイトをしながら少しずつお仕事をさせてもらっていた時期の気持ち、みたいな。わからないことばかりで、共演者の方々、演出の豊原さんにご迷惑をかけてしまっている毎日です。そんなかしこまる言葉すらも上っ面みたいですが、自分の正念場だと感じています。人生の。人生の正念場だと」

小泉「『またここか』その題名やチラシのイラストのイメージから和やかな会話劇だと想像する方もいらっしゃるかも知れませんが、坂元裕二という脚本家と豊原功補という演出家が大人の男としてエンターテイメントに本気でケンカを売っているように我々プロデューサーからは見えるのです。『何が心の病だよ。人間が心になんか負けるかよ』兄が弟に言う台詞です。生きづらさを感じているすべての人達にこのメッセージを大人の男が大きな声でどなっているように思えるのです。このケンカを買うのはテレビ局でも映画会社でもなく、客席に座ったお客様だけなのだと思います。どうぞお見逃しなく!」

注目の舞台「またここか」は10月8日(祝)まで上演中だ。(ザテレビジョン)

この記事の続きを読む

関連記事(外部サイト)