<試写室>「トレース―」人を“信じる”ことは簡単そうで難しい

<試写室>「トレース―」人を“信じる”ことは簡単そうで難しい

「トレース〜科捜研の男〜」がいよいよ終盤戦へ!

「『俺もおまえを信じてる』って、なぜすぐに言ってやれなかったのか…」

そんなせりふを聞いてハッとした。果たして自分が疑われたとき、私の言葉を信じてくれる人はいるのだろうか。

日頃の行いが良ければ、不安に思うこともないんだろうけど、普段から息を吐くのと同じくらいの勢いでうそをつくし、出世するためなら苦手な上司に心にもないお世辞を言うし、モテるために「タワーマンションに住んでいるからおいでよ」とか大人の男女交流戦で女子に言っちゃうし、「別に好きじゃないんだけどねー。仕事だから致し方ない」と言いながらお気に入りの某グループのライブを見に行くし…。

はい、ご想像通りそんなやつ誰も信じてくれない。他ならぬ自分が自分を信じていない。

まあそれはさておき、こんな人たちが自分の味方でいてくれたら本当に心強いんだけどな…、とあるドラマの最新回を見て思ってしまった。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は3月4日(月)に放送される錦戸亮主演の“月9”ドラマ「トレース〜科捜研の男〜」(夜9:00-9:54、フジテレビ系)第9話を取り上げる。

本作は、陰惨な過去を持つ法医研究員・真野礼二(錦戸)が、「鑑定結果こそ真実だ」という信念のもと、他人とは違う視点で難事件の真実に迫っていく姿を描いた物語。

■ 第9話あらすじを紹介!

家族が殺害された25年前の「武蔵野一家殺人事件」を追う真野(錦戸)は、高校教師の早川(萩原聖人)から、殺害された時に妊娠していた姉・仁美(夏子)に関する情報を聞く。

早川は、当時の生徒たちに話を聞いて回ったが、仁美に交際相手がいたかどうかは分からなかったという。真実を解明する糸口を見つけられずに憤る真野。

仕事帰りのノンナ(新木優子)は、公園から出てくる真野の姿を見つける。遅れて、早川が出てくるのを見たノンナは…。

一方、虎丸(船越英一郎)は、アパートで殺害された胡桃沢綾乃(美山加恋)の事件を捜査する。死因は脳挫傷で、凶器は見つかっていなかった。

被疑者として浮上したのは富樫康太(和田正人)。かつて綾乃と交際していたが、傷害致死罪で服役し、仮出所したばかりだった。

7年前、富樫は綾乃と結婚するためにある企業に就職。だが、その企業は暴力団とつながりがあり、悪質な事業をしていた。富樫は利権を争う相手から暴行を受けた際に、相手を刺してしまったのだ。

その事件で富樫を逮捕したのは虎丸だった。綾乃には婚約者がいたことから、事件は痴情のもつれが原因とも思われた。

鑑定を行った真野(錦戸)は、着衣にバラの花粉が付着していることを報告。事件当夜に富樫がバラを購入していたことも判明する。それでも、虎丸は富樫の犯行だとは信じられなかった。

■ いよいよ最終章か…!

一話完結のテイストながらもずっとこの作品の縦軸で描かれてきた真野の“陰惨な過去”にまつわる話が、新たな展開を迎える今回。“最終章”に入りメインキャストたちの人間模様がどうなっていくのか、という面でも注目の回だ。

ここまで来たらそれぞれのキャラクター説明は不要だから省くが、一カ月前に第5話の試写記事を書いたときに触れた以上に、真野ら科捜研のメンバーと虎丸の信頼関係が強くなっているのは明らかだ。

特に今回は虎丸のややスタンドプレー気味の捜査に対して、それぞれの思いで力を貸し、一致団結する。

「チョロいな」と言われるかもしれないけど、やっぱり筆者のような人肌恋しいおっさんは一つの方向に向かってこうやって大人たちが一致団結する、っていう描写が大好き。虎丸のボソッと言ったある言葉にもウルっときてしまった。

前々から思っていたが、真野と虎丸はタイプがやや違うが、共に“職人”気質という点では似た者同士なのではないか。

だからこそ、表面上はともかく深い位置で認め合う部分があるようで、一度信頼したら何があっても信じてしまうのかもしれない。

今回真野がピリピリモードのとき、結構厳しい言葉を虎丸に投げてしまうのだが、第一話の時だったら確実に言い合いになるところでも、意外なリアクションを見せたのもどこか納得。この二人の関係、この先も見守りたい。

また、あの美しい顔につられて油断していたときノンナから破壊力抜群の一言が。

虎丸に面と向かって「虎丸さんの勘って本当に当たるんですか?」って。思わず飲んでいたコーヒーを噴いてしまい、白いPCのキーボードが濁ってカフェオレカラーになってしまった。

いやいや、虎丸の勘はすごいぞ。だって晩酌中に知らない携帯電話から電話がかかってきて、「虎丸さん…俺もう駄目だ」の一言だけで相手が富樫だって当てるんだから。って、そういうことじゃないか。

あとは捜査一課長・江波役の篠井英介。これまでもちょいちょいその片鱗を見せていたが、これほどまでに“怒号が似合わない上司”も珍しい。ものすごくシリアスなシーンのはずなのに、失礼ながらあの1オクターブ高い声には笑いが堪えられん。

そして、今回のメインゲスト・和田正人と美山加恋。和田は意外にも初の月9、美山は子役時代以来約13年ぶりの月9出演だそう。

そんな二人がかつての恋人役とのこと。映像を見る前は申し訳ないけど、美山に対して子役時代の印象が強烈だっただけに、恋人がいるとか、婚約者がどうなどと文字を見ても戸惑ってしまっていたのだが…さすがに演技力はずば抜けている。

残念ながら彼女が殺害されたところから物語が動き出すということもあり、回想シーンしか出番はなかったのだが、ちょっとしかない出番でも綾乃の人間性をきっちり表現してくれた。

スピンオフで生きているときの綾乃だけを描いてくれてもたぶん見ちゃうだろうな。

それに和田は和田でちょっぴり小心者的なキャラの演技がよくハマるし、千原ジュニア演じる警視庁刑事部長・壇浩輝もチラッとしか出ないけどまた本人が思っている以上に(?)意味ありげな物言いをするし、小雪はいつだって美しい。

最終回の足音も大きく聞こえてきてしまったが、まだまだ謎は多いし、いつまでもこの魅力的なメンバーが織り成すドラマを見ていたい。

それに何の根拠も証拠もないけど、最終回に向けてますます面白くなっていくのは間違いないはずだ。どうか期待していてほしい。

そもそも冒頭で触れたように筆者の言葉を信じてくれるなら、の話だが。

このレビューもうそだらけかもしれないから、自分の目で第9話を見て確かめた方が良いのでは?(ザテレビジョン・文=人見知りシャイボーイ)

関連記事(外部サイト)