特殊詐欺の“かけ子”を演じた中村蒼「こんなにも普通の子が手を染めるんだ」

特殊詐欺の“かけ子”を演じた中村蒼「こんなにも普通の子が手を染めるんだ」

「NHKスペシャル『詐欺の子』」に出演する中村蒼

毎日1億円の被害があるという“オレオレ詐欺”や“振り込め詐欺”などの「特殊詐欺」の実態を、ドラマとドキュメントで紡ぎ出す「NHKスペシャル『詐欺の子』」が3月23日(土)に放送される。特殊詐欺に手を染める若者たちを描くドラマパートで、中村蒼は”かけ子”のリーダー嘉川大輔を演じている。

――この作品に携わる前と後では、「特殊詐欺」に対する思いは変化しましたか?

「これまでニュースで特殊詐欺の報道を見ることはありましたが、怖いなとは思うけど、自分にも周りにも幸いなことに被害にあった人がいなかったので、あまり現実味がなかったというのが正直なところです。実際には、こんなにも普通の子というか、一般的な環境の子も詐欺に手を染めるんだと驚きました。大輔は裕福な家庭で育ったわけではないし、周りの先輩も(詐欺を)誘ってくるような悪い人なんですけど、今、こんなにも身近にあるものなんだと驚きましたね」

――大輔を演じるにあたって、特殊詐欺について資料や実際の詐欺電話の音声を聞いたとのことですが、どんな感想を持ちましたか?

「資料を読んだり、音声を聞かせてもらって感じたのは、(犯罪を犯しているという)"意識のなさ"ですね。そこは大輔を演じる上でも参考にしました。ですが、演じている最中、大輔が報酬を受け取るシーンで、どうしても罪悪感や迷いが出てしまうことがあったんです。すると監督からは『罪悪感という気持ちではなく、達成感を持って、自分はこんなに稼げたんだ、これでいい生活ができると思ってくれ』とアドバイスされました」

――中村さんは大輔をどんな人物と感じましたか?

「まあ、よくないやつですよね。詐欺をやる前は空き巣をやっていたと言っていましたし。母親に対する愛情を持っていることはいいことだと思いますけど、犯罪はどんなことがあってもよくないことだと思うので、"いい子だし純粋なところもある"とはなかなか言いにくいですよね。ただ、違う環境で育っていたら、こんなことにはならなかっただろうなと思います」

――大輔たちがだまそうとする光代を演じるのは桃井かおりさん。共演してみていかがでしたか?

「2人でお芝居するシーンは、大輔が家を訪れて、お金を返す、返さないというシーンだったのですが、桃井さんは『もっとこうした方が面白いんじゃないか』などとおっしゃってくださる方でした。そういう方と一緒にシーンを作るのはすごく楽しかったし、細部にこだわりを持ってお芝居をされる方だからこそ、桃井さんのお芝居にはリアリティーがあって、説得力があるんじゃないかなと思いました」

――この作品で、一番印象的だったシーンはどのシーンですか?

「やっぱり、母親(坂井真紀)とのシーンですかね。大輔的によかれと思ってしていたことで、母親が苦しんでしまって、自分のやっていたことに気付くという。目の前で母親が泣いている姿を見ることは、大輔としてもショックだったと思うし、変らなきゃと思う大きなターニングポイントになったシーンだと思います」

――今作を通して、どんなことが視聴者に伝わったらいいなと思いますか?

「遊び仲間に誘われたり、バイト感覚で手を出してしまう子がいるといった特殊詐欺の仕組みや裏側を描いているので、いつ自分に降りかかってもおかしくない問題なんだとみなさんに知ってもらえたらいいなと思います。あと、離れて暮らす親に連絡をとってみたり、その反対もあったり、あらためて、友達や家族、当たり前と思っていることに対するありがたみを感じてもらえたらなと思います」(ザテレビジョン)

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