<広瀬すず>「涙が止まらなかった」“朝ドラ”ヒロインへの思い語る

NHK連続テレビ小説「なつぞら」主演の広瀬すず、"朝ドラ"ヒロインへの思い語る

記事まとめ

  • NHK朝ドラ「なつぞら」で主演する広瀬すずが役柄や"朝ドラ"ヒロインへの思いを語った
  • 本作は連続テレビ小説100作目の作品で、日本のアニメーション草創期が舞台
  • 広瀬の母親役を演じる松嶋菜々子は、96年の朝ドラ「ひわまり」で出演を務めた

<広瀬すず>「涙が止まらなかった」“朝ドラ”ヒロインへの思い語る

<広瀬すず>「涙が止まらなかった」“朝ドラ”ヒロインへの思い語る

広瀬すず

4月1日(月)よりスタートする連続テレビ小説「なつぞら」(毎週月曜〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。ヒロイン・奥原なつ役として2018年6月にクランクイン後、北海道・十勝でのロケなどをこなし、現在も撮影の真っただ中の広瀬すずが、役柄や“朝ドラ”ヒロインについての思いを語った。

記念すべき連続テレビ小説100作目となる本作は、戦後の北海道の大自然、日本のアニメーション草創期を舞台に、何事にも真っすぐに生きたヒロイン・奥原なつ(広瀬)の姿を描く。

戦争で両親を亡くしたものの、北海道に暮らす父の友人家族の下でたくましく育ったなつが、高校卒業後、上京してアニメーション業界に飛び込み、アニメーターとして奮闘していくという物語だ。

■ 「私、涙が止まらなかったんです」

――演じるなつをどんな人物ととらえていますか?

自分は本当に幸せを感じながら生きてるんだけど、子供のときに家族と離れてしまった分、自然と人と距離をとってしまう性格があるんじゃないかなと思っています。

でも、「ありがとう」と「ごめんなさい」をちゃんと言える少女だと思うので、演じていて私自身もすごく幸せです。

――広瀬さんご自身と似ているところはありますか?

なつはそこにいるだけで、みんながなつから感じるものがたくさんある、太陽みたいな存在なんですが…、私はあんなにいい子じゃないと思います(笑)。本当にすてきな女の子なので、私も見習わなくちゃ!と思ってます。

――大森寿美男さんの脚本を読んだ感想を教えてください。

すごく真っすぐな作品だと思います。そして、人の幸せを自分の幸せだと感じられる登場人物がすごく多いんです。

読んでいても、なつだけでなく登場人物全員の気持ちが心に刺さって、1ページめくるたびに「うわー」って思います。

ある場面では切なすぎて耐え切れなくなって、マネジャーさんに「私、涙が止まらなかったんです」って思わず伝えました。

私、もともとはギリギリにならないと台本を読まないんですよ。なぜなら、読んでしまったらそのシーンがずっと気になってしまうから。

でも、この作品は1回読み始めたら止まらなくなるくらい。早く世の中に届けたいという感情が、台本をもらうたびに増えています。

――「“朝ドラ”のヒロインを演じているんだ」と実感した瞬間や、切り替わった瞬間は?

最近、スケジュールを見ると「なつ」の「な」「な」「な」「な」ばかりで(笑)。みんなに「『な』がすごいね」って言われるので、「あ、私ほんとに“朝ドラ”をやってるんだ」と感じるようになりました。

ただ、ヒロインが決まってから、頭の中に“朝ドラ”が中心にある時間が長いので…急に変わったというのはないかもしれないです。

大変だなともまだ思ってないですし、逆にこんなに楽しいんだって。ちょっと聞いていた話と違うというか。一日中撮ってはいるんですけど、現場はすごく楽しくて。

ずっとお芝居できるというのは普段なく、長くて2、3カ月だから、こんなに長く同じ役で1日中お芝居をさせてもらえる毎日は、すごく楽しいなと思ってます。

■ 松嶋菜々子には「圧倒的な強さを感じるし、お母さんの愛情や優しさも」

――なつの育ての母親・柴田富士子役で松嶋菜々子さんが出演されます。連続テレビ小説「ひわまり」(1996年NHK総合ほか)で主演を務めた“朝ドラヒロインの先輩”の松嶋さんからのアドバイスはありましたか?また共演された印象を教えてください。

1日で60シーンくらいリハをした日があって、(多くの)セリフを覚えていったんです。そのときに松島さんから「こういうのが次々来るからね」と、大変さを教えていただきました。

松島さんの印象ですが、私はすごく考え込んでいろいろと台本に書き込むタイプではないんですが、見ていると松嶋さんも多分そうだと思うんです。

そして、松嶋さんは共演者の方とその場の化学反応をすごく楽しまれているんですよね。それがもちろんプレッシャーではありますが、すごく心強くてかっこいいです。

圧倒的な強さを感じるし、お母さんの愛情や優しさも感じられて。

お芝居を通して松嶋さんからもらう感情があるからこそ、自然と涙があふれたり、「ありがとう」という言葉が生まれたりするシーンが本当に多いんです。

カメラが回っていないところですごくお話しているわけではないんですけど、何も話さなくてもセリフを交わしたらすごく感情をもらえるので、そのトーンと温かさに支えてもらっています。

――では、連続テレビ小説「わろてんか」(2017年後期、NHK総合ほか)にも出演された、お姉さんの広瀬アリスさんから何かアドバイスはありましたか?

朝ドラのヒロインは大変だという話を結構聞くので、クランクイン前から覚悟しておこうと思っていたんです。

「ヒロインじゃないけど大変だった!」と姉もずっと言ってましたし、撮影中の姉を見ていてもそうでしたし。

決定したとき、普段、姉とはあまり仕事の話をしないんですが、「いやー、朝ドラのヒロインは大変だ!」ってメールがきて。

「そんなに!?」って思っていたんですが、撮影が始まったら本当に楽しいんですよね。

もちろん朝から晩まで長丁場のシーンもありますし、共演者の方からも「大丈夫?寝られてる?食べられてる?」ってすごく心配されるくらいなので、やっぱり大変なのかなと思うんですが、自分自身ではまだ大変だと感じたことはないですね。

スタッフさんからは「これからだよ」と言われるんですが…どうなんでしょう(笑)。

■ 先輩から「せっかくだから楽しみなよ」って

――2017年11月のヒロイン発表会見のときに、プレッシャーを感じていると話されていました。今、ヒロインとして意識していることはありますか?

撮影が続くと、やっぱり人って疲れてしまうので、周りの人たちの疲れを吹き飛ばす力がある方が、きっと今までの作品でヒロインをやられてきたんだと思います。

「わろてんか」の葵わかなちゃんも、いつも笑顔でいて偉いと思ったって姉も言っていて。

ヒロインを経験した皆さんの話も聞いたんですが、ヒロインがいつも明るく前を向いていることで、ドラマに関わるみんなが頑張れたのだと思って、ヒロインからもらうパワーって、現場では絶対的に大きいものだとは意識していました。

私はそんな皆さんみたいにできるか自信がなかったんですが、まずは自分ができることを一生懸命やろうと。

主演としてこんなふうに立っていたいという、今までの経験で感じてきたことを表に出して、それが皆さんのエネルギーになってくれたらいいなとは思います。

――100作目という節目の作品に巡り合ったことをどう感じていますか?

なっちゃんはすごく人に恵まれているんですが、私自身もすごくそうで、人とか作品の巡り合わせの運が異常に強いんです(笑)。

「紅白歌合戦」の司会をやらせてもらったのもそうなんですが、貴重なお仕事に携われるのはすごく幸せだと思いますし、光栄だなと思いますし、逆にこんな自分で申し訳ないという気持ちもあります。

前に不安な気持ちで撮影していたとき、先輩から「せっかくだから楽しみなよ」って言っていただいたんです。そのときはその言葉にすごく救われて。

それ以来、「せっかくだからやらせてもらおう」とか「せっかくだから楽しもう」と思うようになりました。

もっと重さを感じなくてはいけないのかもしれませんが、あまり追い詰めると自滅してしまいそうなので、せっかくだからこの巡り合わせを楽しませてもらおうと思います。

――最後に、朝ドラといえばヒロインの印象的な口ぐせも度々話題になりますが、なつにそんな口ぐせはありますか?

現場でもそういう話が出るんですけど、ないんですよね。「やってまった」※とかうらやましいです(笑)。※「半分、青い。」(2018年NHK総合ほか)ヒロイン鈴愛(永野芽郁)の口ぐせ

でも、北海道弁はかわいくて、上京してからは登場人物の皆さんがまねするシーンがあって。口ぐせではないんですが、耳に残るし何だか言いたくなるような方言は結構あります。

「そったらこと」とか「なしてよー」とか。「んだ」もよく言います。最近、撮影以外でも出ちゃうんですが、皆さんにもまねしてもらえたらうれしいです。「そだねー」も出てくるので(笑)、「は!」って思ってもらえるんじゃないかなと思います。

■ 気になる「なつぞら」のあらすじは…?

1946(昭和21)年初夏、戦争が終わり、奥原なつ(9)はひとり、養父の柴田剛男(たけお=藤木直人)に連れられ、北海道・十勝にやって来た。養女として、なつを引き取った酪農家族・柴田家は北陸からの開拓移民。剛男となつの父とは戦友で、もしもの時は、お互いの家族の面倒を見るという約束をしていた。

剛男の父・泰樹(たいじゅ=草刈正雄)は、なつのことを働き手にもならない、厄介者と言いながらも内心、不憫ふびんに思っていた。しかし子どもながらに、ここで生きると覚悟を決めたなつは、牛馬の世話や乳搾りを懸命に手伝う。

こうした頑張りに心を動かされた泰樹は、孤児だからといって甘やかしたりせず、生きるすべをとことんたたき込んでいく。なつもまた、天真らんまんな子どもらしさを取り戻していく。

小学校に通い始めたなつは、すてきな馬の絵を描く少年・山田天陽(てんよう=吉沢亮)と出会う。天陽から当時、アメリカでブームになっていた漫画映画(アニメ映画)の魅力を教えられ、なつは“絵が動く”こんな夢のような世界があるのかと感動する。

やがて高校生になり、なつも自分の将来について考えるようになる。天陽の影響で、絵を描く仕事に興味を抱くようになっていたなつ。だが泰樹はなつが、一人息子と結婚して、牧場を継ぐことを望んでいた。

そんな折、生き別れていた兄が、東京で元気に働いていると知らされる。なつに旅立ちの日が近づいていた…。

■ 広瀬すず プロフィール

1998(平成10)年6月19日生まれ。静岡県出身。2012年「ミスセブンティーン2012」に選ばれ、モデルとして芸能界デビュー。

2013年「幽かな彼女」で女優デビュー、2015年「学校のカイダン」で連続ドラマ初主演。「海街diary」での演技が評価され、数多くの映画賞で新人賞受賞。

2016年には、「ちはやふる」「怒り」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、優秀助演女優賞をダブル受賞、エランドール賞新人賞受賞。NHKでは2013年ドラマ10「激流〜私を憶えていますか?〜」に出演。(ザテレビジョン・取材・文=Rum)

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