<試写室>「ストロベリーナイト・サーガ」新しい“姫川班”も期待を裏切らない

<試写室>「ストロベリーナイト・サーガ」新しい“姫川班”も期待を裏切らない

二階堂ふみ演じる姫川玲子

「“ストロベリーナイト”と聞いて何が思い浮かぶ?」

リア充どもが夜な夜な繰り広げるめくるめく甘い夜? それともイチゴ農家の方々がようやく実ったイチゴを収穫して食べる夜?

はたまたストロベリーと名乗るブロンド美女とナイトクラブで…(自主規制)。

一昔前ならもしかしたらそんな発想もあったかもしれない。だが、誉田哲也氏のおかげでそんな甘い考えは破壊された。

というより、誉田氏の小説に出合わなかったらそんなワードは浮かんでもいなかったか。こりゃ失礼。そんなことも想像できないまだまだ甘ちゃんなもんで…。

勝手に単独行動で横道に逸れてしまったが、そろそろ本題らしきブロックへいきたいと思う。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は、4月11日(木)に放送されるドラマ「ストロベリーナイト・サーガ」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系※初回は夜9:00-10:48)の第1話を取り上げる。

■ INTRODUCTION〜STORY

誉田哲也の「姫川玲子シリーズ」を再構成し、ドラマ化した本作。男性社会の警察組織において、ノンキャリアながら27歳という若さで警部補まで成り上がった刑事・姫川玲子(二階堂)が、菊田和男(亀梨)ら姫川班メンバーと共に、難事件の真相に迫る。

第1話では、葛飾区の公園内にあるため池付近で、ブルーシートに包まれた変死体が発見される。

死体は34歳の営業マンだと判明。死因は出血性ショック死で、薄型の刃物で切り付けられたような細かい傷が94箇所。スパッと切られた喉元の左けい動脈が致命傷になったと思われる。

ため池は人命に関わる危険な寄生アメーバ“ネグレリアフォーレリ”が繁殖しており一切遊泳禁止となっていた。

この1カ月以内にネグレリアフォーレリに感染し死亡した人間がいることを探り出した姫川は、死体を遺棄する人間の他に、死体をため池に沈める人間がいると推測。

つまり、ため池の底に別の死体が沈んでいるのではないかと推測した姫川は水中捜査を依頼する。すると姫川の読み通り、切創が酷似した別の遺体が出てきた。

そして捜査する中で浮上した「ストロベリーナイト」という謎の言葉。この言葉と連続死体の死因との関係とは? 姫川玲子、菊田和男ら姫川班、そしてガンテツこと勝俣健作(江口洋介)らクセ者ぞろいの刑事たちが犯人逮捕に向けて走りだす…。

■ 主観丸出しのレビュー

誉田氏を、というよりフジテレビさんをなめていたのかもしれない。

コンプライアンスだかアライアンスだか知らないけど、最初のSPドラマや連ドラ放送時に比べ、映像描写に関してはとてつもなくやりにくい時代になっているので、メンチカツをお供にご飯食べながらでも余裕で見られるとタカをくくっていた。

うん、絶対駄目だよね。食事中に見ちゃあかんやつ。それくらい攻めた描写を“守って”くれている。

ホンダー(※アムラー的な)としては誉田作品を映像化するのなら、その情け容赦ない世界をどこまで忠実に見せられるかがカギだなと勝手に思っていたが、見終わった後、ストロベリーナイトはこうでないと、と脱帽した。

まず、タイトルバックからグッと心をつかまれた。初見のインパクトを楽しんでもらいたいので、これ以上は言わないが“目”が印象的なのは確か。

それにしても、こういうふうに先に別キャストで映像化されている作品の場合、どうしてもこのキャラは前の方が、この子は今の方が、などと比較してしまいがちだが、それって結構もったいないこと。

先入観でものごとを見てしまったら、どうしても新鮮味が薄れてしまうし、純粋に新しいドラマとして楽しめないだろう。

そんな中、主人公の玲子を演じる二階堂。この人の素晴らしいところは、眉間のしわ。あのきれいな顔のどこにしわを隠していたの?ってくらい、絶妙なラインのしわが事あるごとに顔を出す。

逆にそのしわこそが、男性社会で必死に生きて上を目指してきた女性の矜持を感じさせるし、この若さで班を率いる女性刑事の説得力にもなる。

また、あの声もこの役にはピッタリだと思う。絶妙に温度の低そうなあの声が、チームワークバッチリな班のリーダーでも、どこか完全に心を開いてないんじゃないか?と思わせる。ついでに、あの低い声で罵られたい。おっと、本音が。

そして亀梨。亀梨ファンが最も安心する亀梨がそこにはある、と言ってもいい。他ならぬ私が亀梨の演技のファンだから、安心した。菊田を亀梨が演じてくれて本当に良かった。

菊田といえば生真面目な性格で寡黙な一方、その内面では曲がったことが嫌いな正義感を持ち、熱いおとこ気を秘めた体育会系刑事…という設定だが、ものの見事に体現しており、まさにドンピシャなはまり役。前に誰が演じていたかなんて、きのう何食べたのか、くらい全然思い出せない。

ちなみに亀梨のソロでは初のドラマ主題歌となる「Rain」は、忘れたくとも忘れられない楽曲だったのでこちらもお忘れなく。

何だかんだキャストの話が中心になってしまうが、キャスト発表で一番驚いたガンテツ役の江口もむしろ違和感ないどころか新たなガンテツ像を見せてくれたし、若手巡査・大塚真二を演じる重岡大毅の「理想の部下ランキング3年連続ベスト3入り」的なキャラも母性本能をくすぐる。あ、母性本能はないか。

また、井岡博満を演じるキンコメ・今野浩喜はもはやベテラン俳優なみの安心感があるし、何より山口まゆの表情よ。

予告でもチラッと映っていたが、そこらの幽霊も対峙(たいじ)したら青ざめてしまいそうな血の気ゼロのオーラ。もう18歳になっていたのは驚きだが、この演技ができる18歳もなかなかいない。

初回2時間SPって聞くとつい間延びしてしまうイメージがあるが、この初回2時間SPは2時間だと言われなければ気付かないくらい時間を忘れて見入ってしまった。

それに一度一通り見てから、再度一から見直してみると、ここにも伏線が張られていたのか、この伏線はこうやって回収したのか、この時あいつはこういう表情をしていたのか…というのが分かり、すごくスッキリ&ドキッとする。

つまりリアルタイムで見るのはもちろん、もろもろ踏まえてもう一度見直してみると、より深く、また違った味わいが感じられるので、最低2回見ることをオススメしたい。

ひとまず、筆者は3度目の視聴にそなえてTS〇TA〇Aで旧作シリーズを借りてこよう。誰がどの役をやっていたか、あらためて知っておきたい。徹底比較だ。

って、結局自分が一番比べてんじゃん!という、“ラジハ”と同じオチをしておく。

歴史は繰り返す、ということで。(ザテレビジョン・文=人見知りシャイボーイ)

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