キノコホテル新作が全曲トレーラー公開! マリアンヌ東雲&島崎貴光のインタビューも

キノコホテル新作が全曲トレーラー公開! マリアンヌ東雲&島崎貴光のインタビューも

6月26日(水)にニューアルバム「マリアンヌの奥儀」をリリースするキノコホテル

6月26日(水)に発売される、キノコホテルのニューアルバム「マリアンヌの奥儀」。本作の収録曲を収めた全曲トレーラーが、6月19日(水)よりYoutubeに公開された。

キノコホテルは、すべての楽曲を手がける鬼才・マリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)を中心に“創業”された、謎めいた女性だけの音楽集団。

キュート&クールなルックスと強烈なキャラクターに、昭和歌謡やカルトGSの香りを漂わせつつさまざまなサウンドを昇華したユニークな音楽性で、世代を問わず支持を集めている。

■ “創業12年目”にして初の共同プロデュース作!

“踊れるキノコホテル”がコンセプトの今作「マリアンヌの奥儀」は、2020年のメジャーデビュー10周年に向けて新たなキノコホテルの魅力を開花すべく、共同プロデューサーに島崎貴光(SMAP、AKB48 etc.)を迎え入れて制作。

マリアンヌ東雲が新たに書き下ろした10曲は、これまでと変わらず妖しさにあふれた“キノコ節”でありながら、そこにダンス・ミュージックの躍動感、往年のポップスの叙情性、ロックンロールの野性味などが交錯した濃厚な内容となっている。

そんな意欲作の全曲トレーラーが、このたびYouTubeにて公開。外の血を入れながらも揺るがないキノコホテルの世界観に触れてみよう。

また、キノコホテル創業記念日の6月24日(月)には、東京・新宿LOFTにて「サロン・ド・キノコ〜13年目のウ・ワ・キ〜創業12周年記念実演会」と題した単独実演会(ライブ)を開催。

さらに、リリースツアー「サロン・ド・キノコ〜奥儀大回転」も6月29日(土)の札幌・SOUND LAB MOLEからスタート。そちらにもぜひ足を運んでみよう。

■ 「過去作とは明らかに異なる何かを提示出来なくてはと考えていた」(マリアンヌ)

今回、キノコホテル支配人・マリアンヌ東雲と、「マリアンヌの奥儀」の共同プロデュースを務めた島崎貴光にインタビューを敢行。制作の進め方の違いや、新作のポイントなどについて語ってもらった。

――今回のアルバム「マリアンヌの奥儀」はどのようなコンセプトで制作されたのでしょうか?

マリアンヌ東雲(以下、マリアンヌ):わたくしとしては、創業10周年を経て初の新作アルバムということで、キノコホテルの次の一手をリスナーの皆様に鮮烈に見せ付けれられるものを、つまり過去作とは明らかに異なる何かを提示出来なくてはと考えていました。

島崎貴光(以下、島崎):「今度のキノコホテルは踊れる」「踊れるキノコホテル」というコンセプトを僕のほうから提案させてもらい、「音楽性の幅を拡げた楽曲制作」というのをテーマに、音楽への飽くなき探求心を刺激し合いつつ、制作していきました。

――外部から共同プロデューサーを起用するというのは初めての試みですが、島崎さんが参加する経緯などを教えてください。

島崎:昔から知り合いではあったのですが、10数年ぶりに会い、飲みながら、バンドの現状や今後の相談を受けました。

マリアンヌ:ひょんなことから久しぶりに再会しまして。ちょうど創業10周年記念公演を控えていたので、お誘いしたら観に来て下さったのですが、それを機に意見交換する機会を持たせていただいて。

「島崎さんの知恵やノウハウをキノコホテルにぶち込んだらどうなるのだろう?」と。そんなキノコホテルに俄然興味が湧いたのです。それで、私から「ぜひ一緒に」とオファーするに至りました。

――島崎さんはそれまでキノコホテルにどのような印象を持ってましたか?

島崎:サウンドと歌と活動がブレておらず、こういうガールズバンドは他にいない、という印象です。

――収録曲は、いつ頃から作られたものですか?

マリアンヌ:昨年6月の3日連続公演に書き下ろした新曲や、待機中の楽曲が数曲ある中で、アルバムに入れるためにブラッシュアップしたい曲とまだそれには至らなそうな曲と、自分の中で何となく目星をつけてはいました。

島崎さんのアドバイスを元に昨夏からデモの制作を始めて…、ある程度アレンジもきちんと作って形にならないと人に聴かせられない性分ですので、島崎さんに実際に聴いて貰える段階まで漕ぎ着けた時にはもう年が明けていました。

あとはもうギリギリまで、これはという曲が生まれたら真っ先に島崎さんに聴いていただいて、意見を元に構成を直したり、より発展させたりという作業が割と録音直前まで続きました。

■ 「レコーディング中、笑顔全開の感想をメンバーからいただきました(笑)」(島崎)

――制作はこれまでと全く違う手法とのことですが、どのような感じだったのでしょうか?

マリアンヌ:コンセプト決め〜デモ制作〜レコーディングの全工程において、外部プロデューサー、ディレクターが参加するということが初でした。

これはつまり、わたくしが作って来たデモに対し、第三者的な意見やアドバイスをしてくれる人を初めて迎えたということです。

島崎:最初のデモ作りからの段階から僕が入り、マリアンヌ氏のデモのメロやアレンジ、構成について、きちんと第三者として意見を伝え、メロ・アレンジ・構成の変更や見直しを伝えました。

今回は、データを事前に作り込み、僕のほうでのMIDIによる音源差し替え、アレンジの追加、スタジオでの音色差し替え作業などをメインに、「僕とマリアンヌ氏とエンジニアの清水裕貴の3人で、話し合いながら作り込んでいく手法」で制作しました。

――そのような状況で各従業員(=メンバー)の様子はどうだったのでしょうか?

島崎:「レコーディングをして、違う切り口のディレクションを受けることがものすごく新鮮で、ブースからコントロールルームに戻るのが楽しいです!」と笑顔全開の感想をメンバーからいただきました(笑)。

マリアンヌ:島崎さんは、褒めるにしても問題点を指摘するにしてもとても物言いが柔らかいし的確なので、3人も精神的に楽だったのではないでしょうか。わたくしだけだと、どうしても険悪になりますので(笑)。

――特にここが新境地、というところを教えてください。

マリアンヌ:そうですね、我々はよく周りからライブバンドであるという評を得る通り普段はステージを主戦場としておりますので、今まではどうしても4人で完結できる小さな世界が良くも悪くも「キノコホテルの音世界」になっていました。

今回収められた楽曲の多様性は、過去作と比べても随一だと思います。これだけの振れ幅を、一つのバンドが一枚のアルバムに収めている例はなかなか無いのではないでしょうか。

島崎:リード曲「ヌード」を聴いていただけたら分かると思いますが、サウンドも演奏アプローチも、今までのキノコホテルがやってこなかったものです。

それでいて、マリアンヌ氏の作詞作曲とメンバーの演奏なので、「キノコホテルらしさも味わえる」というのも楽しんでいただけると思います。

――各曲に一言づつコメントをください。

■ 1.天窓

マリアンヌ:イントロのチェンバロのフレーズが思い浮かんだ途端、「もらった!」と思った、そんな曲です。歌詞については詳しく解説する気はないのですが、わたくしにしては珍しく現代の世の中の事を歌ってみたつもりです。

島崎:「これが1曲目だったら驚くよね?」という想いで、ブリティッシュ・サウンド溢れるこの楽曲を1曲目に持ってきています。

「映画のサントラ要素を1曲に凝縮したような楽曲」で、きっと「すごい展開だ!」「間奏が驚くほど長い!」という衝撃を受ける方も多いでしょう(笑)。

■ 2.ヌード

マリアンヌ:これこそ今回このタッグを組んだからこそ生まれた楽曲ですね。初期段階では、Aメロとサビの進行が旋律は違えど同じでした。

でもそれってわたくしがよくやりがちなパターンで。聴きようによっては手抜きなんですね(笑)。そんなつもりはないのですが、やりきる前に手詰まりになってしまう。それに対して島崎さんから「サビ、思い切って転調してみたらどうだろう?」とアドバイスを受けて。

こちらは転調と移調の違いも明確に分からないようなレベルですから一瞬「ん?」となりましたけど、思い切ってサビっぽい展開を考えてみたらこうなりました。

島崎:自信作です。デモ段階ではサビは違うメロディーでした。それに対して、僕が「サビが若干パンチが弱い」「サビを転調するか」という添削(笑)をして、燃えに燃えたマリアンヌ氏が、極上なサビを書いてきました。流石過ぎて、苦笑してしまいました。圧巻なメロディーです。

■ 3.愛の泡

マリアンヌ:イントロやブラス、ストリングスのアレンジで世界観を深化させて非常にゴージャスな一曲になったと思います。

島崎:「これぞ、キノコホテルが放つ極上なPOP」だと思います。派手にしたかったので、ブラスを生でレコーディングしました。サビの後半のメロディーは圧巻で、「POPなのに泣ける感じ」が、僕は大好きです。

■ 4.東京百怪

マリアンヌ:何年も前に作って実演会でも披露した事があった曲なのですが、どこか納得がいっていなくて、半分お蔵になっていた曲です。

これも島崎さんのアドバイスの元、最後の最後に一度だけ出てくる盛り上がりの部分をサビとして構成を練り直しました。そしたら見事に化けてしまって。

島崎:「キノコホテルでは、B級感が大事なのよ」というマリアンヌ氏の言葉が印象的で、「カッコよさの中にあるB級感」を追求しました。テルミンを入れたり、とにかく楽しんで作りましたね。

■ 5.レクイエム

マリアンヌ:これはまあ単純にゲンスブールの「ジュテーム」的なものをやってみたかったのです。歌以外のアレンジはもともと構想があって、着手したらあっという間に出来上がりました。

その時はまだインストでしたけど、真夜中に従業員やマネージャーにデータを送りつけて「とにかく聴け」と。普段そんなことはしないのですが。これは間違いないと確信した一曲です。最後のフェイドアウトも、決して事故ではありません(笑)。

島崎:名曲です。2番サビの後半で最も高揚するところで、まさかのフェイドアウト。日本の音楽史に残したいフェイドアウトです(笑)。

■ 6.雪待ちエレジィ

マリアンヌ:楽曲自体は数年前から存在していたのですが、歌のフレーズや歌詞に納得が行かず一旦寝かせていた曲です。しかし気に入ってはいたので改めて向き合って完成させ、昨秋あたりから何度か実演(ライブで演奏)してみました。

その結果、ファンの方や身内での評判が非常に良かったのでアルバムに収録しました。懐かしさもありますが決して古臭くもない。キノコホテルの絶妙なバランス感覚が発揮されているかと思います。

島崎:歌謡・演歌系の年輩層にも響く楽曲だと思います。だからといって、落ち着いたまま終わらないのが、キノコホテル(笑)。ギターカッティングとオルガンのソロが間奏で炸裂。ロックしてますねぇ。

■ 7.華麗なる追撃

マリアンヌ:ポジティブだけど暑苦しくない、攻めた楽曲が欲しいと思って作りました。いつかこの曲を大型フェスのステージで完璧に歌いこなしてやるぞ、と。それまでは元気でいないと・・・そんな夢や野望が膨らむ一曲(笑)。

島崎:カッコ良すぎでしょ! 爆音で聴いて欲しい。サビのメロディーと歌詞、何度聴いても最高です。「ブレるなよ」っていうのを、こういうアプローチで表現するのが「キノコホテルらしい」です。

■ 8.茸大迷宮ノ悪夢

マリアンヌ:最後に一曲こんなの入れたい、と思って作った曲です。見事に狙い通りになりました。既にフライングで実演していますが、既に名曲となる予感がしています。リリースツアーで、会場の熱気と共にぐんぐん育って欲しい。そんな曲。

島崎:「実演会をそのままレコーディングしたような仕上がり」を目指しました。冒頭のオルガンソロは、スタジオでフレーズや奏法を模索しつつ、マリアンヌ氏の最高なテンションを盛り込んだ演奏となっています。

■ 9.女と女は回転木馬

マリアンヌ:キノコホテルの王道的な、切なさグルーヴィン系(笑)。リズム隊のスリリングなうねり感など、ここに来てようやく体現できたなと。

これまでの系譜の延長線上にありながら、バンドの成長を分かりやすく感じられる一曲。サビに英単語が来る、いわゆるJ-POP的なアプローチもキノコ初。

島崎:僕の中では「愛の泡」と同じような位置づけで、「これぞ、キノコホテルが放つ極上なPOP」を象徴している楽曲。冒頭2小節のドラムだけでもシビれますし、そのあとにバンドインしてくる瞬間に、アガります。

■ 10.秘密諜報員出動セヨ

マリアンヌ:元々は気品のあるインストゥルメンタルだったのですけれども(笑)、スタジオで遊んでいるうちに超常現象でも起きたのでしょうか。

島崎:某国の秘密放送を傍受してしまいました。(ザテレビジョン)

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