山田裕貴、演じる雪次郎とシンクロ「まるでパラレルワールド」 <なつぞらインタビュー>

山田裕貴、演じる雪次郎とシンクロ「まるでパラレルワールド」 <なつぞらインタビュー>

山田裕貴が語る、雪次郎の人物像とは?

広瀬すずがヒロインを務める連続テレビ小説「なつぞら」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。

同ドラマは、戦争で両親を亡くし、きょうだいと離れて北海道・十勝で育ったヒロインの奥原なつ(広瀬)が高校卒業後に上京し、アニメーターとしてみずみずしい感性を発揮していく姿を描く。

第13週(6月24日〜6月29日[土])では、なつの幼なじみで、共に上京した小畑雪次郎(山田裕貴)が、実家の菓子屋「雪月」を継ぐための修行をやめ、役者の道に進もうとする姿が描かれた。

雪次郎を演じた山田は、役者となった自身と雪次郎を重ねることも多いという。そんな山田にインタビューを行い、共演者の印象や雪次郎に共感するところなどを聞いた。

■ 山田裕貴インタビュー

――“朝ドラ”にご出演されて、周りからの反響などはいかがですか?

街を歩いていると「朝ドラ見てますよ!」と声を掛けられることが多くなりました。でも、バラエティー番組でもお話しさせてもらったのですが、名前を覚えてくれているわけではないんだろうな…と(笑)。僕は“カメレオン俳優”じゃなくて、本物のカメレオンなのかもしれないですね(笑)。

でも、俳優にとって役が知れ渡っているのは一番いいことなんですよ!僕が影響を受けた俳優がゲイリー・オールドマンなのですが、映画などを見ているとエンドロールを見るまでゲイリー・オールドマンが演じていることに気付かないんです。それくらいどの役を演じていても、ハマっていて、作品ごとに見せる顔が違っていて…。

そういう俳優になれたらいいなと思っているので、うれしい気持ち半分、寂しい気持ち半分という感じです(笑)。

■ 山田裕貴「雪次郎は“生きていることにほんわかしてる子”」

――役作りをする上で工夫されたことはありますか?

撮影が始まるまでは、どういう人物にしようかと悩んでいたのですが、北海道でクランクインしたときに、とても広い土地と木と、牛がそばにいて、その独特な匂いが印象に残りまして。その日の天気はあまり良くなかったのですが、すごく気持ちよかったんです。

こういう雄大な土地で育ってきた人で、戦後の世の中が大変な時にお菓子屋を営むことができる家の一人息子で、周りの人に愛されてて…と、そういうところから雪次郎の人柄を考えていきました。

たぶん、とてもほんわかした人なんだろうなと思いました。ほんわかしていて、ちょっとぽけーっとしていて…。この時代は、生きていくことにガツガツしなければならないのに、雪次郎は“生きていることにほんわかしてる子”でいたらいいかな?と思いました。

あとは、吉沢亮くん、清原翔くんらがどのように演じるかも、なんとなく予想することができたので…。お二人が演じる天陽(吉沢)や照男(清原)から少し外れるような男の子になればいいなと思いました。

それと、実際に北海道の方の話し方を知りたいなと思って、撮影のあとにマネジャーさんと居酒屋に入って、お酒を飲みながら地元の方たちの会話を聞いていました(笑)。こんなトーンやテンポで話すんだな、と役作りの参考にしました。

■ 山田裕貴「自分の人生を生きるより楽しいかもしれない(笑)」

――雪次郎を演じて、共感するところはありますか?

この仕事(演じること)が好きだというところですかね。僕は、自分が無個性でつまらない人間だと思っていたので、(演じることで)違う人になることができる俳優は天職だと思っています。

なので、「俳優になりたい」という雪次郎のせりふには、思いが乗りました。雪次郎のせりふであって、僕の気持ちでもあって、気持ちが重なる部分がありました。

それに、雪次郎が大切にしている俳優像や、雪次郎が目指す“お芝居をする人の感覚”が、僕が思っていることや目指していることとほぼ同じなんです。

例えば、雪次郎のせりふの中に「別にスターとかじゃなくて、普通の人間だから伝わる精神を持っているのが、本当にすごい俳優なんだと思いました」というものがあるのですが、それもまさに僕が目指している俳優像で。

雪次郎とのシンクロ率が高くて、台本を読むたびに「(僕が)思っていたことばかり! 」という感覚になります。

脚本の大森(寿美男)さんには、僕の考える俳優像などを直接お伝えしたわけではないので、こういうインタビュー記事などを読んでくださって(脚本を)書いてくださったのかなと思うのですが、台本をもらうたびに「大森さん、僕のインタビューめちゃくちゃ読んでくれてる! 」と思いました(笑)。

なので大森さんには、打ち上げでお会いできたときに最大限の感謝を伝えようと思っています。

あとは、父親が元プロ野球選手だったので、僕も「野球がやりたい」と言って野球をやっていたことがあったんです。

「川村屋」に修行に行かせてもらって「修行をやめたい」と言った雪次郎が、「野球やめたい」と言った僕と、とても似ているなと思いました。なので、そこも大森さんすごい!と感じましたね(笑)。

雪次郎と僕は、いろいろな巡り合わせのタイミングが一緒だなと感じることが多かったです。まるでパラレルワールドだなって思いました。本当にシンクロしていて、演じていて楽しいです。自分の人生を生きるより楽しいかもしれない(笑)。

■ 山田裕貴「家族の三者三様の愛の伝え方をビシビシと感じました」

――第13週で描かれる、安田顕さん演じる雪之助さんの気持ちはどのように感じましたか?

雪次郎として、雪之助さんの厳しさの中にある愛情をすごく感じました。例えば、雪之助さんは、雪次郎が「川村屋」での修行をやめたいと伝えたときに、一緒に「川村屋」に行って謝ってくれて、雪次郎の気持ちが変わるまで一緒に働くって言うんです。一見、僕でもそうするかな?と思うのですが、なかなか出てこないですよね、その選択肢。

雪之助さんにとって、雪次郎はたった一人の息子で、跡を継いでもらいたい人で。雪次郎のことを見守ってくれるし、かといって跡を継ぐことを強制はしないし、ただそばにいて一緒に働く…。叱るわけでもなく、見守る。なかなかできない、すてきな選択だなと思いました。雪次郎としては、ただただ申し訳ないという気持ちですよね。ものすごく複雑でした(笑)。

あとは、安田さんといると不思議とちょっと緊張するんですよ。父親と一緒にいるような感覚になってしまって。母ちゃん(仙道敦子)は「母ちゃんには謝らなくていいからね」っていう優しさの愛をくださって、ばあちゃん(高畑淳子)は俯瞰してみているという愛情。

家族の三者三様の愛の伝え方をビシビシと感じました。雪次郎として、しっかり自分の「演劇をやりたい」という思いを伝えなきゃと思いましたね。

――小畑家の皆さんとの撮影の雰囲気はいかがですか?

皆さんとても面白いですし、愛の深い方々なので、いつも温かく見守ってくださいます。段取りとかテストでも、「好きなようにやんな」と言ってくださって。

小畑家のシーンは、雪次郎にかきまわされて、家族の心境が変わるというところが多いので、僕の好きなようにやらせてもらっています。

なので、(お芝居が)本番までに決まることがあまりなくて、テストや段取りでは探ってて、本番でビシっと決まることが多いような気がします。「今のだと伝わりづらいですかね?」と皆さんに聞いてみることもあります。

■ 山田裕貴「一度きりの人生でやりたいことをできないのって、もったいない」

――山田さんが雪次郎のようになった時、「やりたいこと」と「やらなければいけないこと」どちらの道を選びますか?

生きていて、「やりたいこと」をできる人の方が少ないと思うんですよ、それに行動する人も少ないと思うんです。それを振り切る強さを雪次郎から感じました。僕は、一度きりの人生でやりたいことをできないのって、もったいない気がするので「雪次郎、よくやった!」と思いましたね。

雪次郎の場合、一人息子で逃げ場がないんです。高校の時に演劇部に入って、楽しかった時間が忘れられなかったんですよね。何週間にもわたって「俺は今は裏方だな」という、本当は演劇をやりたいんだろうな…と思わせるようなせりふがあったりして、そういう気持ちが爆発したんだと思います。

僕は今、自分がやりたいことをやらせてもらっているので、僕も「やりたい」と言うと思います。そしてやるからには、死ぬ気でやらなければとも思いますね。(ザテレビジョン)

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