【試写室】「ユーリ!!!―」でフィギュアスケートのお勉強

【試写室】「ユーリ!!!―」でフィギュアスケートのお勉強

本格フィギュアスケートアニメ「ユーリ!!!」がいよいよスタート

リビングレジェンド…それは“生きた伝説”とも訳される、偉大な功績を残し、存命中に伝説的な存在と化した人のこと。スポーツ選手ならずとも、一度は言われてみたい言葉だ。決して、居間の中央でふんぞり返っているおじさんのことではない。

いきなり何を言い始めたかというと、そんなリビングレジェンド的なキャラクターが登場する新アニメ「ユーリ!!! on ICE」が、10月5日(水)深夜2時21分からテレビ朝日でスタートする。

各局で放送されているドラマやバラエティーなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、Smartザテレビジョン流の「試写室」。今回はその「ユーリ!!!―」を取り上げる。

同作は、「モテキ」や「アゲイン!!」などの漫画家・久保ミツロウと、アニメ「LUPIN the Third -峰不二子という女-」などで監督を務めた山本沙代、アニメ制作会社MAPPAがタッグを組んだ新感覚アニメ。

崖っぷちのフィギュアスケーター・勝生勇利とロシアの下克上スケーターのユーリ・プリセツキーという2人の“ユーリ”と、世界選手権5連覇の“リビングレジェンド”ヴィクトル・ニキフォロフらが織り成す本格フィギュアスケート物語だ。

ドラマやアニメではなかなか取り上げられることのない、フィギュアスケートを丁寧に描いている本作。本編中のフィギュアスケート振り付けを、元フィギュアスケート選手で振付師の宮本賢二が担当することでも注目を集めている。

第1話では、日本中の期待を背負って挑んだグランプリファイナルで惨敗し、「現役引退か?」とささやかれる中、故郷・九州の実家に帰ることになった崖っぷちスケーター・勇利。

どんな時も変わらぬ優しさで迎えてくれる仲間に囲まれ、しばし大会を忘れ、勇利はのんびりとした時間を過ごしていた。

そんなとき、ひょんなことから世界選手権5連覇のヴィクトル・ニキフォロフに興味を持たれる…というストーリー。

こんなことを言ったら怒られるかもしれないが、正直ここまでVTRを見るまでにちゅうちょしたのは初めて。それはあまりアニメを見る習慣がないので、30分でも集中して見ていられるかな…と思ったからだ。

でも、見ていてすぐにそれは覆された。あまり普段アニメを見ることがない人でも見やすい作りになっていたから。

具体的にどの作品が?というのは控えるが、深夜アニメって実はアニメに耐性がない人には入っていきにくい(独特の世界観の)ものが多いように思えて、「おなじみのコレだけど? 見ないの?」というような、“圧”のようなものを感じてしまいがち。(※個人の感想です)

しかし、本作は扱うテーマがフィギュアスケートで個人的に愛着があるからというのもあるが、あっという間の30分だった。あまりにもあっという間過ぎて、宇野昌磨ばりにDVDを何回転もさせてしまった。

やはりというべきか、フィギュアスケートの描き方がとてもうまく、疾走感あふれるスケーティングに滑る音、バックステージの雰囲気だったり、映像の美しさだったり、本物のフィギュアスケートリンクのような臨場感がたっぷりと味わえた。

そこには久保ミツロウ&山本沙代の両名はもとより、毎年フィギュアスケートグランプリシリーズを中継しているテレビ朝日のフィギュアスケートとの真摯な向き合い方がうかがえる。

個人的には、主人公の勇利くん。フィギュアスケーターなのに太りやすい体形、そして眼鏡っ子という筆者と少なからず縁のある(?)感じが共感できるし、ご存知リビングレジェンドのヴィクトルは、滑りも立ち居振る舞いも…そして体も美しい。

もう1人のユーリの自由奔放な言動に仕草、年上でも関係なく向かっていく強気な態度、勇利を取り巻く地元の仲間たちの温かさ、第1話から実に魅力的なキャラクターが登場して、率直に続きが気になった。

これから現実世界でもフィギュアスケートのGPシリーズが始まり、本格的にフィギュアシーズンに突入するのだが、ことしはアニメの世界でもGPシリーズが楽しめそうだ。

それくらい、本格的なスケートの描き方をしているし、これから登場するであろう世界各国のライバルスケーターたちも興味深い。

また、声優ファンも納得の人気声優そろい踏みの中、加藤泰平アナや、あの元フィギュアスケート選手など、しれっと意外な人が声優を務めているので、声にも注目して見てみよう。

あとは何と言っても“おディーン様”ことディーン・フジオカがオープニングテーマを担当しているのにはビックリした。あの方は、イケメンで演技もうまくて、語学も堪能で、おまけに歌もうまいんかい! 最初クレジットを見るまで全然気付かなかった…自然過ぎて。

もう彼こそリビングレジェンドなんじゃないか?って思うほど、何でもできる人だなとあらためて痛感した。痛感したというより、嫉妬のあまり痛飲したし、そのせいで通院もした。そしてあさが来た。できるだけ番組に有利なことを書こうと思ったけど、一気にちゃぶ台をひっくり返したくなった。リビングだけに。

八つ当たりと悪ふざけはこれくらいにして。これからフィギュアスケートを始めたい人にはピッタリだし、興味があるけどルールが分からないや!って人にも親切に説明してくれそうな本作。

羽生結弦、宇野、浅田真央、宮原知子らに次ぐ次世代のスター選手はこのアニメのファンから生まれてくるかも?

そんな期待もしたくなる本格フィギュアスケートアニメ。少なくともこの作品を見ておいた方が、これからフィギュアスケートを始める上では有利…かもしれない。

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