吉本興業が社をあげて法務省PR! 松本人志の共謀罪賛成との関係は? ワイドショー芸人の会社が行政から金を貰っていいのか

吉本興業が社をあげて法務省PR! 松本人志の共謀罪賛成との関係は? ワイドショー芸人の会社が行政から金を貰っていいのか

「法務省×よしもと もっと知ってほしい!法務省」特設ページより

 『ワイドナショー』(フジテレビ)で毎週のように安倍応援団ぶりを発揮している松本人志。とくに、共謀罪について「(テロ防止のためには)冤罪もしょうがない」という無茶苦茶な理屈で賛意を示したことは記憶に新しいが、ここにきて、その松本の所属する吉本興業がなんとも露骨なことを始めた。

 その共謀罪の担当省庁である法務省のPRを吉本が会社をあげて請け負い、吉本芸人を大量投入して、法務省を紹介するというプロジェクトを立ち上げたのだ。

 その名も「法務省×よしもと もっと知ってほしい!法務省」。7月はじめにローンチしたホームページをみると、トレンディエンジェルと横澤夏子が90年代トレンディドラマ風のコントを通して空港での出入国手続きにおける自動化ゲートの紹介をしたり、ガレッジセールが横浜刑務所を訪れて刑務作業や更正のための取り組みについて学んだり、銀シャリが漫才を通して裁判員制度の解説をしたり、といった動画がアップロードされている。

 また、12日には、西川きよし、ワッキー(ペナルティ)、川田広樹(ガレッジセール)といった吉本所属の芸人たちが集い、このプロジェクトのお披露目会見が行われた。会見には、共謀罪をめぐる国会答弁で大きな批判を浴びた金田勝年法務大臣も出席。西川きよしが「最近はニュースで見ると、悪代官みたいに映っている(笑)。今日は、大臣の顔も明るいですね」とのツッコむ一幕もあった。

 まさに吉本芸人が勢ぞろい。その露骨さに、松本が無茶苦茶な共謀罪擁護をしたのはこういうウラがあったのか、と一瞬、考えたほどだが、松本と吉本の力関係や、時系列を考えたら、さすがにそれはないだろう。むしろ、松本の安倍応援団ぶりや共謀罪擁護コメントを見て、広告代理店がこれはいけると思いつき、法務省に「吉本にPRさせましょう」と持ちかけた可能性のほうが高い。

●ワイドショーに大量の芸人を送り込む吉本興業の危険性

 しかし、いずれにしても吉本が会社をあげて、法務省のPRをやることが、とんでもない話であることには変わりはない。

 芸人がお笑いしかやっていなかったかつての吉本なら、別に目くじらをたてるほどのことではなかったかもしれない。しかし、現在の吉本はニュースを扱うワイドショー、情報番組にMC、コメンテーターとして大量の芸人を送り込んでいるのだ。

 『スッキリ!!』(日本テレビ)には加藤浩次と近藤春菜(ハリセンボン)、『ビビット』(TBS)には千原ジュニアと中田敦彦(オリエンタルラジオ)、『バイキング』(フジテレビ)にはブラックマヨネーズと小籔千豊とフットボールアワーと横澤夏子と雨上がり決死隊、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)には高橋茂雄(サバンナ)と川島明(麒麟)と斎藤司(トレンディエンジェル)、そして、『ワイドナショー』には松本人志と東野幸治......。全国放送の主なワイドショーだけでもこれだけの芸人が出演している。関西やその他のローカル番組、インターネットやラジオなども含めれば、その数倍にものぼるだろう。

 しかも、こういった番組で、彼らは芸能ニュースや街ネタだけでなく、それこそ共謀罪をはじめとする政府の政策、政権の不祥事や選挙などに対してもコメントをするようになった。そして、彼らが発した言葉は、しばしばネットニュースにも取り上げられ、番組視聴者以外にも広く拡散されていく。

 少し前、ネトウヨたちが「泉放送制作という制作会社が、日本のテレビを牛耳り、反安倍番組をつくり、世論誘導している」という荒唐無稽なデマを拡散していたが、吉本こそいまや、その気になれば、世論誘導も可能なほど大きな力を有しているといっていい。

 そんな会社が金をもらって社をあげて政府のPRを引き受けたらどういうことが起きるのか。ただでさえ、空気を読むのに長けた芸人たちは、権力に迎合する傾向が強い。「会社がPRやっているんだから、批判は控えておこう」という話になるのは目に見えている。

 賭けてもいい。この後、法務省が問題のある法律を出したり、不祥事が勃発したとしても、ワイドショーに出演している吉本芸人たちは批判的なコメントをほとんど口にしないだろう。中には、無理やりにでも法務省を擁護したり、批判勢力を攻撃するような芸人も現れるかもしれない。

●ダウンタウンの万博誘致アンバサダー就任後に起きたこと

 そのことはまさに松本人志が証明している。今年3月、万博誘致を目指す大阪府が主体となっている「2025 日本万国博覧会誘致委員会」の公式アンバサダーにダウンタウンが選ばれ、その発足式には、松井一郎大阪府知事や自民党の二階俊博幹事長らと並んでダンタウンの二人が出席した。

 当時、世間では森友学園問題が盛り上がり、松井知事の小学校認可に疑惑の目が向けられていたが、松本はそのせいか『ワイドナショー』で森友問題を扱うことをほとんどせず、ましてや松井知事の名前をまったく口にしなかった。それどころか、『ダウンタウンなう』(フジテレビ)に松井知事をゲスト出演させ、その言い分を何のツッコミもすることなく垂れ流させたのだ。

 吉本では"王様"状態の松本ですらこういうことになるのだから、他の芸人たちはなおさらだろう。

 安倍政権の支持率急落とともに、最近、田崎史郎氏をはじめとする御用ジャーナリストもようやく批判されるようになったが、もしかすると、実際は彼らよりも露出量の多い吉本芸人のほうが危険といえるのではないか。ワイドショーでの吉本芸人のコメントに対しては、徹底チェックの必要があるだろう。
(編集部)

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