さすがSMAP! 稲垣、草なぎ、香取が"個を抑圧するすべてのものから逃げよう"と訴える奴隷解放宣言

さすがSMAP! 稲垣、草なぎ、香取が"個を抑圧するすべてのものから逃げよう"と訴える奴隷解放宣言

「新しい地図」HPより

 まさに"華麗なる逆襲"だ。──今月8日にジャニーズ事務所を退所したSMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人が、本日、公式ファンサイト「新しい地図」を公開したのだ。

 ファンを歓喜させているのは、そのメッセージだ。まず、サイトでは、東西南北「N・E・W・S」の方位を示すアルファベットの手書きロゴを大きく配置。新しい「地図」=MAPとかけ合わせれば「NEWSMAP」となる。このことから、ファンのみならず多くの人びとから「新しいSMAPのはじまり」として祝福の声があがっている。

 さらに今回、公式ファンサイトの運営元として「株式会社CULEN」という会社の存在も公表。トップページには〈これから、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんとクリエイティブな活動をご一緒させていただきます〉と書かれており、3人が今後も活動をともにすることが明かされた。

 しかし、今回もっとも驚かされたと同時に、感動を覚えたのは、サイトのオープンとともに公開された動画で、このような力強いメッセージを発信したことだろう。

〈逃げよう。自分を縛りつけるものから。ボーダーを超えよう。塗り替えていこう。自由と平和を愛し、武器は、アイデアと愛嬌。バカにされたっていい。心をこめて、心を打つ。さあ、風通しよくいこう。私たちは、新しい地図。〉

「逃げよう。自分を縛りつけるものから。」という言葉には、誰もが芸能界の絶対帝国・ジャニーズ事務所のことを思い浮かべるだろう。昨年1月、分裂危機が表面化した際、テレビの生放送で独立組とされた4人が謝罪に追い込まれるという"公開処刑"がおこなわれたことは記憶に新しい。反旗を翻した者は容赦なく打ちのめす──。そのグロテスクさを、ジャニーズ事務所はまったく隠そうとしなかった。

 だが、今回3人は、そうした縛り付ける組織からは「逃げよう」と、高らかに謳った。そもそも、ジャニーズ事務所をはじめ大手芸能プロから独立したタレントが、ここまで鮮明に芸能界のブラック体質へのアンチテーゼを掲げるなど、かつてないこと。公開処刑を見て心を痛めた人びとにとっては、これほど胸がすくメッセージはないだろう。

 しかも、だ。じつは本日9月22日は、アメリカでリンカーン大統領が奴隷解放予備宣言を公布した日(1862年)でもある。たんなる偶然にしては、あまりに出来すぎではないか。

 さらに、このメッセージは、対ジャニーズや芸能界にだけ当てはまるものではない。これは「逃げる」ことは悪いことだという日本社会の考え方から脱却し、「逃げる」ことはポジティブな行為であると肯定するメッセージだからだ。ジャニーズのみならず、社会に蔓延るブラック企業や全体主義的風潮をはじめ、個を軽視し束縛するすべての価値観を覆す、それこそが「風通しよく」することだと、3人は訴えているのだ。

 いや、それだけではない。新たな出発に際して3人は、今後のタレント活動の応援を呼びかけるといったありきたりなテンプレートの挨拶文ではなく、「ボーダーを超えよう」「平和と自由を愛そう」と普遍的なメッセージを投げかけた。これこそが、まさに多くの人びとが愛したSMAPという存在の特異性を示している。

 メッセージが発せられた動画では、さまざまな国の、さまざまな人種の、思い思いのファッションに身を包んだ人びとが登場し、「新しい地図」のロゴを掲げている。その動画のクリエイティビティの高さは日本のエンタテインメントを更新させてきたSMAPらしさが光るが、その「SMAPらしさ」とは、見かけ倒しの空疎なものではない、彼らにしか発信できないメッセージがある、という点にある。事実、彼らはそうやって社会に「自由と平和」の尊さを訴えてきたからだ。

 たとえば、SMAPの代表曲である「世界に一つだけの花」がシングルカットされたのは2003年3月。それはイラク戦争とほぼ同時期のことだ。そして、この曲のテレビCMでは、「もし、世界中のすべての人が、ありのままの自分を好きになれたら、戦争なんてなくなると思う」というメンバーのメッセージが流れた。

 さらに、この年の12月、SMAPの5人は揃って『NEWS23』(TBS)に生出演。そこで中居正広は「戦争だとか、いまそういう話がいろいろ出ていますけど、やっぱり人を殺しちゃいけないと、普通に考えてもつらいことだ、残念なことだって思います」と発言。また、同年の紅白歌合戦ではSMAPは初の大トリを務めたが、歌の前にはこんな言葉が発せられた。

木村「みなさん。目を閉じて2003年を思い出してください」
中居「今年、世界中でたくさんの尊い命が失われました」
稲垣「また、目を覆いたくなるようなことも、たくさんありました」
草なぎ「ぼくたちにいま、何ができるでしょうか」
香取「みんながみんな、すべての人にやさしくなれたら、きっと幸せな未来がやってくると、信じています」

 その後、SMAPは2005年にもより反戦色を強めた「Triangle」を発表。2015年の戦後70年の節目には『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で同曲を「終戦から70年...平和を願って...」というメッセージとともに熱唱している。

 アイドルという枠に縛られず、バラエティだ報道だという枠をも越え、反戦を訴え平和を希求する。そうしたことができるからこそ、SMAPは国民的アイドルグループでありつづけたはずだ。

 そして、いま。奇しくもアメリカと日本のリーダーは軍事行動をも辞さない態度を示し、敵対感情を煽っている。そんななかで、SMAPの3人が「ボーダーを超えよう」「平和と自由を愛そう」とメッセージを発したことは、これもまた、たんなる偶然だとは思えないのだ。

 こんな時代の雰囲気のなかで、「自由と平和」の尊さをあらためて訴えるアイドル。あらためてSMAPの偉大さを感じるとともに、「奴隷」契約から解放され、個を縛り付けるものから「逃げ出した」勇気ある彼ら3人の前途が、古いしがらみにとらわれた芸能界に風穴を開ける、明るいものになることを願わずにはいられない。
(編集部)

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