笑顔になれない稀な疾患を抱えた男性、同じ病の女性と巡り合う(英)

笑顔になれない稀な疾患を抱えた男性、同じ病の女性と巡り合う(英)

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英ウェスト・ミッドランズ州コヴェントリーに住むアレックス・バーカーさん(45歳)はメビウス症候群を患っており、イギリスでの患者数が約250人と言われる中の1人だ。脳神経の麻痺により顔に表情を作ることができないゆえに、話し方だけでなく目の動きや瞬きにも影響を及ぼす。

「初めて誰かに出会った時、笑顔で挨拶されて私が笑顔を返さなければ『なぜ、笑わないんだ?』と失礼な人だと思われてしまいがちですが、私は笑わないのではなく笑えないのです。私は表情を顔に出すことができません。だから話し方も少し不明瞭になるし、感情も表に出せないんです。この疾患によって手の指や足の指も欠けているので、歩行も結構困難なのです。」

そう語るアレックスさんは、この疾患のせいで10代の時には酷いいじめに遭ったという。

「障害を抱えている生徒は私1人だけだったので、いじめられました。なんで自分はこんなふうなのかと思い、乗り越えるのが本当に辛かった。周りの友人たちにみなガールフレンドができた時にも、私は女性とデートすることなどなかなかできませんでした。出会い系サイトに参加して、自分のことを『良い人で持ち家もあって、いい仕事もしている。でも笑えないという欠点がある』なんて書いた時には、既にデート前からダメになってしまいますし。」

しかし、そんなアレックスさんが恋に落ちた。相手はアレックスさんと同じ疾患を抱えるエリン・スミスさん(38歳)だ。米ノースカロライナ州に住むエリンさんとは、メビウス症候群を患う人々が集まるソーシャルメディアサイトを通して知り合った。2人は出会って4回デートを重ねただけというが、既に婚約したそうだ。エリンさんはメディアの取材にこのように話している。

「正直、自分と同じ疾患を持って生まれた人と恋に落ちるなんて思いもしていませんでした。でもアレックスとは、病が同じというだけではなく他にも共通点が多いのです。それに、自分の症状を理解してくれる人がそばにいてくれるというのはとても嬉しい。」

現在のアレックスさんとエリンさんは幸せの真っ只中だが、その幸せな気持ちを互いに顔に出すことができないために、どうにかして感情を交わす方法を見つけなければいけない。しかし2人にとっては、さほど困難なことではないようだ。

「エリンが幸せな時は、いつも片方に頭を傾けて『Ooh(ウー)』って言うからわかるんです。私たちは2人とも表情を表すことができませんが、互いの癖は理解しています。だから不快になったりイライラしたりした時も、言葉に出さなくとも癖でわかり合っていますよ。」

一方で、エリンさんはこう語る。

「家族や友人は、私の目を見ればどういう気持ちかわかるって言います。目で笑っていると幸せなんだと気付いてくれます。」

婚約したアレックスさんとエリンさんは最近、一緒に専門医のもとを訪れ、2人の間に子供が生まれたら疾患が子供に遺伝してしまうかどうかを尋ねたという。長年メビウス症候群についての研究を重ねているジョナサン・コール医師は、「遺伝子が病気に関係していると仮定して、2人が持つ同じ遺伝子を持って子供が生まれれば、その子も同じ疾患を抱える確率は高くなります。遺伝子が異なれば、非常に劣性で希少な遺伝子である可能性が高いので、確率的にはそれほど高くはないでしょうが、疾患を抱えて生まれてくればそれは仕方のないことです。両親2人とも同じ疾患を抱えているので、子育ても理解をもってやっていけるのではないでしょうか」と話している。

「互いに顔に表情が出せなくても、エリンが私を見ている時は心の中で笑っているのがわかる」と語るアレックスさん。エリンさんと交際して3年になるが、今はまだ2人だけの時間を楽しみたいと考えているようだ。

このニュースを知った人からは、「運命の相手がお互いに見つかってよかったじゃない」「結婚したら、どっちにしても誰でもそんなに笑顔ではいられなくなるからね…」「既に結婚生活を何年も送っている夫婦のような感じに見える」「2人が互いに幸せなら、他人がどうこう言うことじゃないよ」「将来、2人が素敵な結婚生活を送れますように」といった声があがっている。

画像は『Mirror 2018年11月15日付「Couple who CAN’T SMILE because of same rare condition get engaged after four dates」(Image: Discovery / Barcroft Productions)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)