障害児の母、2年の努力を経て大手スーパーでジュニア用紙おむつ販売を実現させる(英)

障害児の母、2年の努力を経て大手スーパーでジュニア用紙おむつ販売を実現させる(英)

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英スコットランドのフォルカーク、ボニーブリッジに住むローラ・ラザフォードさん(34歳)の息子ブロディー君(6歳)は、稀な遺伝子疾患と自閉症、てんかんを抱えており、トイレトレーニングが不可能だったことから、市販の幼児用紙おむつを使ってきた。ブロディー君が4歳になった時、これまで使っていた幼児用紙おむつとしては一番サイズが大きい15か月〜16か月用のものではさすがに小さくなった。

イギリスでは、紙おむつなど障害者に必要な製品を供給するNHS(英国民保健サービス)の「Continence Service(コンチネンス・サービス)」があるが、地域によってそのサービスを受けられる年齢が異なり、時にはサービス供給までに長い期間を要する。ローラさんの住む地域フォース・バレーでは5歳に達するとそのサービスを受けられることになっており、当時4歳のブロディー君は規定年齢に達しておらず、ローラさんは通販で特別な紙おむつを購入しなければならない事態を強いられた。しかもそれは、普通の紙おむつより値段が高かった。

そこでローラさんは2016年にサイト「Change.org」を通して署名運動を開始。「障害を抱える児童のために、手軽に手頃な価格で購入できる紙おむつの開発を」と署名を呼びかけた。その結果18,500人以上がこの署名運動に参加し、今回ついに大手スーパーチェーン店のTESCO(テスコ)が、開発と販売を実現させたのである。

TESCO側はローラさんと一緒に取り組み、自社ブランドのジュニア用紙おむつとして、ある程度の年齢の障害児でも安全に問題なく使用できるようにと、オムツの交換時期を知らせるウェットネスインジケーターと二重強度の大きな子供でも外れない固定用テープが取り付けられた製品を開発した。キャンペーン開始から2年。努力が実り、障害児のためのジュニア用紙おむつがTESCOで販売されることになった喜びを、ローラさんはこのように語っている。

「健康な子供を持つ親は、我が子が成長して今までのおむつが小さくなっても、深く考えることなく自然に大きいサイズを買ったりトイレトレーニングを始めたりするでしょう。ですが障害がある子供を抱える親にとっては、成長とともに使えないものが出てくるというのは結構大きな問題なのです。キャンペーンの間、国内で似たような悩みを抱える多くの家族からたくさんの声が寄せられました。中には、『TESCOのような大手企業が耳を傾けてくれるのか』という声もありました。でも結果として、TESCOが障害児のためのジュニア用紙おむつの開発を引き受けてくれて本当に嬉しく思います。私自身も最初から最後まで関わらせてもらえたことをとても光栄に感じています。」

「通販で特別な紙おむつを購入すると1パック12ポンド(約1,700円)ぐらいするのですが、TESCOでは今回20枚を1パックとして4.5ポンド(約650円)で販売することになりました。NHSのContinence Serviceは、地域により受け取れるおむつの数も異なるし、いろいろ制限もあってまるで宝くじの当選を待っているかのような感覚になります。常にそのサービスを欲していても供給されない家庭や、もっとおむつが欲しくても貰えない家族が存在しているのです。でもスーパーで販売されるようになって、今までよりも手頃な価格で気軽にいくつでも買えるようになったので、障害を抱える子供を持つ家族にとってはきっと喜ばしいことだと思います。こうした製品は、障害児を抱える多くの家族が必要としているもので、そんな製品を身近に販売することの大切さを他の企業にも認識してほしい。私たち家族にとってプラスになるというだけではなく絶対に売れるものなので、販売元にとってもプラスになることは間違いないでしょう。もしこの製品が、息子が4歳の時に販売されていたら、きっと状況は大きく変わっていたと思います。今後、TESCOだけではなく他のスーパーでも販売されるようになればと願っています。」

ローラさんは、2年越しのキャンペーンを通して周りから得たサポートは素晴らしいものだったと話し、「時間はかかったけど、手頃な価格の最良の製品ができあがった」と歓喜の声をあげている。

画像は『real fix 2018年11月19日付「Tesco Became The First UK Supermarket To Sell Nappies For Older Children In Response To Mother’s Campaign」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)