銀行強盗犯、受付カウンターの列に15分並んで待ち「金を渡せ」(英)

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5月17日、国営銀行「NatWest(ナットウエスト)」のダラム州ビショップ・オークランド支店が銀行強盗の被害に遭った。しかし、この強盗事件は風変わりなものだった。

銀行を襲ったのは、同州ウエスト・オークランドに住むサイモン・ジョーンズ(38歳)。サイモンは犯行に及ぶ前、Googleで「銀行強盗のしかた」を検索し、ガールフレンドが犬の散歩に出ていた間に許可なく車を使い、目的の銀行までやって来た。

この日は暑い日で、銀行は地元の人らで混んでいた。そんな中、コートのフードをすっぽり被り、顔にはフェイスマスクと黒のサングラス、手には青いゴム手袋をしてファブリーズの容器を持ったサイモンに、周りの客らは不信感を抱いた。そんなサイモンは支店に入るなり大声を出したりナイフを振りかざしたりすることなく、カウンターサービスを並んで待つ客同様、15分間列に並び、自分の番が来るのを待った。その間、防犯カメラを避けるかのような態度を取るサイモンを怪しんだ客は警察に通報し、客の1人はサイモンの後ろ姿を写真に収めていた。

列に並んでいるサイモンに、支店マネージャーの女性は声をかけた。サイモンを見たマネージャーは、一瞬「皮膚疾患か何かの問題を抱えているのでは」と思ったという。列に並ぶ怪しい格好をした男が、果たしてよからぬことをしようとしているのか皮膚を守るためにこのような格好をしているのか、マネージャーに見分けることは困難だった。万が一、客であったなら気分を害するようなことをしてはならないと思ったマネージャーは、「大丈夫ですか。ご用件を承りましょうか」と慎重に声をかけたが、「いや、結構」という返事が返ってきた。

マネージャーの疑惑の目を逃れてついに自分の番が来たサイモンは、カウンタースタッフの女性にメモを渡した。「ファブリーズの中には酸が入っている。爆弾も持っているぞ。酸をかけられたくなかったら金を渡せ」と書かれたメモを見て驚愕したスタッフは、サイモンから手渡された黒のズタ袋に現金370ポンド(約53,000円)を入れた。そしてスタッフはこの時、恐怖に慄きながら追跡デバイスが付いた1,000ポンド(約143,000円)の偽札束も入れたという。金を受け取ったサイモンはすぐに銀行から出て、ガールフレンドの車で逃走した。

ところがスタッフが咄嗟の機転で入れたデバイスは作動せず、追跡ができないというハプニングが起こった。しかし幸いにも、地元の人がサイモンが乗った車を通報したことで、サイモンは数時間後に逮捕された。調べでは、ファブリーズの容器には酸ではなくファブリーズそのものが入っていたことがわかった。

12月13日にダラム刑事法院で行われた裁判では、サイモンが3年前に脳の怪我を患い認知障害があること、ギャンブルや酒にハマっていたことが明らかになった。判事が「計画的ではあるが素人の犯行」と発言するほど間抜けな銀行強盗事件だったが、やはり銀行のスタッフらには大きな影響を与えたようだ。恐怖を目の当たりにしたカウンタースタッフは数か月仕事を休まなければならないほどの精神的被害を受けた。同スタッフは「あの日、子供も椅子に座っていたし、多くのスタッフやお客様がいました。あの男によって私たち全員が傷つけられていた可能性もあるのです」と語り、支店マネージャーも「事件後もスタッフ一同が恐怖を感じており、支店を開けるのがナーバスになってしまった」と漏らしている。

3年4か月の実刑判決が下されたサイモンは逮捕後、銀行スタッフ全員に向けて「本当に申し訳ないことをしました」と謝罪の手紙を書いたという。このニュースを知った人からは、「少なくとも、列に並んで他の客をリスペクトしたわけか。変な強盗」「追跡デバイスが作動しないって…それはダメでしょ」「このニュースで一番ショッキングなのは、この男にガールフレンドがいるということだ」といった声があがっている。

画像は『Mirror 2018年12月14日付「Bank robber politely queued for 15 minutes before threatening staff with ‘acid’」(Image: Durham Constabulary)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)