皮膚がんのライオン、一般病院で放射線治療受ける(南ア)

皮膚がんのライオン、一般病院で放射線治療受ける(南ア)

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今月7日、ハウテン州ミッドランドにある「ローリー・パーク動物園」のオスライオン“ケイオス(Chaos、16歳)”が皮膚がんの放射線治療を受けた。ケイオスは数週間前に鼻の上に病変が確認され、生検の結果皮膚がんと診断されていた。

ケイオスが治療を受けたのはハウテン州プレトリアの私立病院「ムエルメッド・メディクリニック(Muelmed Mediclinic)」で、動物園から約40キロのところにある。クリニックは動物の治療を行うことができる施設として登録されているが、ケイオスは一般患者の妨げにならないように病院の裏口から運ばれたそうだ。

ケイオスの飼育員カラ・ヘイニスさんは「動物園で病院への搬送の準備を始めたのは朝の10時半でした。放射線治療は5分間で、午後1時15分には園舎に戻ることができました」と明かしており、治療は非常にスムーズだったもよう。病院では5人の放射線療法士と放射線腫瘍医1人のチームが編成され、ケイオスには今後1か月で計3回の放射線治療が予定されている。

カラさんは「治療後は眠そうにしていましたが、体調はとても良いようです。ケイオスは16年前、生後数日で動物園にやってきました。治療費は決して安くはありませんが、ケイオスのためならどんなことでもしますよ。我が子同然ですからね」と語っている。現在ケイオスは、メスのライオンと一緒に日陰の園舎で過ごしているということだ。

野生のライオンの平均寿命は約15歳、飼育個体では20年以上と長い。早期にがんを発見し治療したことで、ケイオスも長生きすることが期待できるであろう。

ちなみにドイツの動物園では、2004年から2013年に死んだ38頭の大型ネコ科(トラ18頭、ヒョウ8頭、ライオン7頭、チーター3頭、ピューマ2頭)を調査している。その結果、50%で何らかの腫瘍が見つかっており、12頭の腫瘍は一か所に留まらず異常な細胞の増殖などが見られたようだ。また2012年に米ミズーリ州のクラウン・リッジ・タイガー・サンクチュアリーで行われた調査では、1000頭のうち108頭のトラの死因ががんに関係したもので、そのうちの12%は乳腺腫瘍によるものだったという。

なお、南アフリカではトロフィーハンティングのために約12,000頭のライオンの繁殖・飼育が行われている。ケイオスのように動物園で手厚い保護を受けるライオンは、ほんの一部に過ぎないのだ。

画像は『News24 2019年5月7日付「PICS: Lion, named Chaos, goes for his first radiation session for skin cancer at Tshwane clinic」(Supplied: Kara Heynis)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)