顔面移植を受けた女性、顔面崩壊の危機で再度手術へ「未知の世界」(米)

顔面移植を受けた女性、顔面崩壊の危機で再度手術へ「未知の世界」(米)

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カルメン・ブランディン・タールトンさん(Carmen Blandin Tarleton、51)は2007年、当時の夫に野球のバットで殴られたうえ工業用の苛性アルカリ溶液をかけられ、身体の80%に火傷を負って両目の視力をほとんど失った。

2009年に左目の人工角膜移植手術を受け、2013年2月にマサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウイメンズ病院で顔面移植手術を受けたカルメンさんは、車の運転はできないものの杖を使って街を歩けるようになり、ピアノやバンジョーなどの楽器にも挑戦するなど第2の人生を楽しむことができるようになった。

しかし手術後の6年半は、顔が腫れて赤くなるなど慢性的な拒絶反応との闘いでもあった。これまではなんとか危険な状態を回避してきたが、医師らは先月、カルメンさんの顔面の血管が狭窄や閉塞を起こしていることを発見した。この症状が進むと顔面の組織が壊死してしまうため、医師らは現在、今後の治療について検討を重ねている。壊死の進行がゆっくりであればカルメンさんは第2のドナーからの顔面移植を待つことになり、進行が急速に進んだ場合は、最初に移植した顔面を一度切除して元の顔を再建することになるという。

現在ニューハンプシャー州マンチェスターに住むカルメンさんは、最近になって10年前に手術した左目の視力が落ち、ほとんど機能していない状態に陥っている。カルメンさんは『The Boston Globe』に、「顔面移植を受けたことを後悔はしていません。最低10〜20年は今の顔で暮らしていきたいと思っていますが、この分野はまだ未知の世界です。もし今の顔に問題が起これば、その時は対処せざるを得なくなるでしょう」と述べている。

カルメンさんの医師は「移植された臓器には、ほとんどの場合期限があります。しかし顔面移植の歴史は浅くまだまだ試行錯誤の状態です。顔面移植によってどのような恩恵があるのか、また長い目で見た時のリスクはどうなのか、分からないことが山積みなのです」と語る。

また11年前にアメリカで最初の顔面移植手術を執刀した、オハイオ州クリーブランドクリニックのブライアン・ガストマン医師は「顔面移植をした多くの患者が慢性的な拒絶反応を訴えるようになりました。一度手術を受けた患者は、いずれかの段階で再度顔面移植を手術する必要が出てくると考えています」と明かしている。

世界ではこれまでに40人以上が顔面移植を受けており、そのうちの15人がアメリカ人だ。昨年1月には、2010年に顔面移植手術を受けたフランスの男性が移植された顔面組織に拒絶反応を示したため、世界で初めて2度目の顔面移植手術を受けていた。

画像は『Metro 2019年9月23日付「Woman badly burned by abusive husband needs second face transplant」(Picture: Rex)』『CBS News  2013年5月1日付「Woman burned with lye by ex-husband unveils new face transplant」(BRIGHAM AND WOMEN’S HOSPITAL)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)