『大怪獣のあとしまつ』『フレンチ・ディスパッチ』独創性あふれる人気映画監督最新作

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1036回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、現在公開中の『大怪獣のあとしまつ』と『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』をご紹介します。

『大怪獣のあとしまつ』

映画館で観たい!『大怪獣のあとしまつ』 〜倒された怪獣の“その後”……考えてみたこと、ありましたか?

日本のみならず、いまや海外でも“KAIJU”の呼び名で人気を誇る怪獣映画。さまざまな名作がラインナップされるなかで、この『大怪獣のあとしまつ』は異色中の異色作。

なぜなら本作は、誰もが知る怪獣という存在の“死体処理”にフォーカスした作品なのですから。

人類が力を合わせて、あるいは正義のヒーローの大活躍によって倒された大怪獣の死体は、その後、どうなっていたのか。誰が、いつ、どんな方法で片付けるの???

「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡監督が放つ、斬新かつ独創的な空想特撮エンターテインメントです。

『大怪獣のあとしまつ』

『大怪獣のあとしまつ』のあらすじ

人類を恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。国民は歓喜に沸き、安堵に浸っているが、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張が進んで行く一方。爆発すれば、国家崩壊につながってしまう。

しかし首相や大臣たちは、この前代未聞の緊急事態に不毛な議論を重ね、右往左往を繰り返すばかり。

そんななか、“大怪獣の死体処理”という極秘ミッションを任されたのは、帯刀アラタ。首相直轄組織・特務隊の隊員である彼は、数年前に突然姿を消した過去を持っていた。

果たしてアラタは爆発を阻止し、大怪獣の死体の“あとしまつ”をすることができるのだろうか……。

『大怪獣のあとしまつ』

『大怪獣のあとしまつ』のみどころ

主演を務めたのは、俳優としての存在感をますます高めている山田涼介。国民の命運を懸けて、誰も経験したことがない難題に挑む主人公を熱演しています。

そんなアラタを見守る環境大臣秘書官・雨音ユキノ役に土屋太鳳、総理大臣秘書官・雨音正彦役に濱田岳、内閣総理大臣・西大立目完役に西田敏行など、三木組初参加となるメンバーが名を連ねます。

そこに、爆破のプロであるブルース役のオダギリジョーをはじめとする三木組常連キャストが加わることで、見事なアンサンブルが奏でられ、三木聡監督ワールドが炸裂。

リアルな人間模様、シュールな笑い、そして迫力ある怪獣描写。これらがひとつの作品のなかに共存する、唯一無二の怪獣映画が完成しました。

『大怪獣のあとしまつ』

オマージュやパロディが全編にわたって散りばめられ、特撮作品への熱すぎる愛情が溢れ出ている本作。

それと同時に、本作で描かれている“大怪獣が死んだあとの世界”は、私たちが直面している、コロナ禍と向き合い乗り越えて行かなければならない現実と重なる部分も。

『大怪獣のあとしまつ』は空想上の物語でありながら、“いま”を描き出した映画とも言えるでしょう。

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

コチラも映画館で観たい!『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』 〜ウェス・アンダーソン監督が、フランス・カルチャーに愛を捧げる

20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部を舞台に、編集者と記者たちが織りなすヒューマンドラマ。

「これは、アメリカの雑誌『ニューヨーカー』と、出版界で著名な記者たちにインスパイアされた映画」と監督自身が語るとおり、ウェス・アンダーソンらしいユニークな仕掛けがたっぷり。

毛色の違った4本の物語から構成されるオムニバス。さしずめ、映画・雑誌文化へのラブレターといった印象。これまでにない映像体験を味わえる、至高の1作です。

『大怪獣のあとしまつ』

『大怪獣のあとしまつ』

2022年2月4日(金)から全国ロードショー
出演:山田涼介、土屋太鳳、濱田岳、眞島秀和、ふせえり、六角精児、矢柴俊博、有薗芳記、SUMIRE、笠兼三、MEGUMI、岩松了、田中要次、銀粉蝶、嶋田久作、笹野高史、オダギリジョー、西田敏行
監督・脚本:三木聡
音楽:上野耕路
VFXスーパーバイザー:野口光一
特撮監督:佛田洋
怪獣造形:若狭新一
企画・配給: 松竹、東映
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
公式サイト https://www.daikaijyu-atoshimatsu.jp/

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

大ヒット上映中
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マチュー・アマルリック、スティーヴン・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、アンジェリカ・ヒューストン ほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題:THE FRENCH DISPATCH OF THE LIBERTY, KANSAS EVENING SUN
(C) 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
公式サイト https://searchlightpictures.jp/movie/french_dispatch.html

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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