『死刑にいたる病』阿部サダヲ、狂気と狡猾さが混じり合う怪演

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1056回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、現在公開中の『死刑にいたる病』と『ホリック xxxHOLiC』をご紹介します。

『死刑にいたる病』

映画館で観たい!『死刑にいたる病』 〜事件の謎を追ううちに、深みにハマってしまう!

ミステリー作家・櫛木理宇の最高傑作と謳われる同名小説を、いま日本映画界でもっとも注目される監督・白石和彌が映画化した『死刑にいたる病』。

日本史上最悪の連続殺人事件とその真相を描き出した、衝撃のサイコサスペンスが誕生しました。

『死刑にいたる病』

『死刑にいたる病』のあらすじ

理想とは程遠いランクの大学に通い、鬱屈した日々を送る大学生・筧井雅也のもとに1通の手紙が届く。送り主は、世間を震撼させた稀代の連続殺人事件の犯人・榛村大和。

24件の殺人容疑で逮捕され、9件の事件で立件・起訴。死刑判決を受けた彼は、犯行当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよくそこに通っていた。収監先を訪れた雅也に、彼は言う。

「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人は他にいることを証明して欲しい」

榛村の願いを聞き入れ、雅也が独自に事件について調べていくと、そこには想像をはるかに超えた真相が隠されていて……。

『死刑にいたる病』

『死刑にいたる病』の見どころ

日本犯罪史上類を見ない数の若者を殺した連続殺人鬼・榛村大和を演じたのは、阿部サダヲ。

丁寧ながら不気味な口調、心の闇を感じさせる表情、何かを見透かしているような視線。“人当たりのいいパン屋さんの主人”とサイコキラーという二面性を完璧なまでに体現し、これまでの出演作のなかでも群を抜いた怪演ぶりに注目です。

一方、事件の真相に迫る大学生・筧井雅也には、話題作への出演が続く若手俳優、岡田健史。繰り返し登場する面会室のシーンで2人が繰り広げる心理戦は、緊迫感たっぷりで目が離せませんよ。

また共演には岩田剛典、中山美穂をはじめ、宮ア優、鈴木卓爾、佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、吉澤健、音尾琢真と個性的なメンバーが集結。謎に包まれたストーリーに、深い余韻を残す好演をみせています。

『死刑にいたる病』

榛村の言うとおり“最後の事件”は冤罪なのか……という事柄を軸に、次々と新たな真相が明るみになっていく本作。

凄惨すぎるエピソードに思わず目を背けたくなる瞬間もありますが、それ以上に「真相を知りたい」という観客の欲望を掻き立てる演出は、さすが白石和彌監督といったところ。

すべてを見届けた瞬間、驚きと同時に、尾を引くような恐怖に魅了されてしまうこの映画。足を踏み入れたら、沼です。

『ホリック xxxHOLiC』

映画館で観たい!『ホリック xxxHOLiC』 〜伝説的大ヒットコミックを初実写映画化!

耽美的なビジュアルで超常現象を描く、創作集団・CLAMPのベストセラーコミックを実写映画化。

人の心の闇に潜む“アヤカシ”が見えてしまう男子高校生と、対価と引き換えにどんな願いも叶える“ミセ”の女主人。悩みを抱えた人々と出会ううちに、想像を超える大事件に巻き込まれていく……。

メガホンを取ったのは、日本を代表する写真家でクリエイターの蜷川実花。カラフルでありながら陰影に富むビジュアルは、圧巻の一言。

妖しくも美しい、唯一無二の世界観に触れてみて。

『死刑にいたる病』

『死刑にいたる病』

2022年5月6日(金)全国ロードショー
出演:阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典、宮ア優、鈴木卓爾、佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、吉澤健、音尾琢真、中山美穂

監督:白石和彌
脚本:高田亮
原作:櫛木理宇「死刑にいたる病」(ハヤカワ文庫刊)
配給:クロックワークス
(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

『ホリック xxxHOLiC』

『ホリック xxxHOLiC』

大ヒット上映中

出演:神木隆之介、柴咲コウ、松村北斗、玉城ティナ、趣里、DAOKO、モトーラ世理奈、西野七瀬、大原櫻子、てんちむ、橋本愛、磯村勇斗、吉岡里帆

原作:CLAMP「xxxHOLiC」(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:渋谷慶一郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「Habit」(ユニバーサル ミュージック)
監督:蜷川実花
配給:松竹、アスミック・エース
(C)2022映画「ホリック」製作委員会 (C)CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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