『はい、泳げません』長谷川博己×綾瀬はるか 人生はちょっと切なくて可笑しいもの

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1061回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、全国公開中の『はい、泳げません』と、6月17日から公開の『エリザベス 女王陛下の微笑み』をご紹介します。

『はい、泳げません』

映画館で観たい!『はい、泳げません』 〜カナヅチの哲学者が、水のなかで見つけたものとは……

大河ドラマ「八重の桜」で夫婦役を演じた長谷川博己と綾瀬はるかが、映画初共演。

ノンフィクション作家・高橋秀実の同名エッセーを映画化した『はい、泳げません』は、“泳げない男”と“泳ぐことしかできない女”の、希望と再生の物語。

2021年に大ヒットを記録した恋愛映画『花束みたいな恋をした』の製作プロダクション・リトルモアが贈る、極上のヒューマンドラマです。

『はい、泳げません』

『はい、泳げません』のあらすじ

大学で哲学を教えている小鳥遊雄司は、泳げない。顔を水につけることさえも怖くて、屁理屈をこねては水を避けて生きてきた。

そんな雄司はある日、ひょんな出来事から水泳教室に足を運ぶことに。訪れたプールの受付で出会ったのが、水泳コーチの薄原静香。

静香が教える賑やかな主婦たちとともに、水への恐怖と格闘しながら、雄司は指導を受けることになるが……。

『はい、泳げません』

『はい、泳げません』のみどころ

主演を務めたのは、実は水泳は得意だという長谷川博己。水を怖がりジタバタともがく、“泳げない人”のコミカルな演技は必見。

また、過去の喪失に苦しみながらも現実に向き合おうとする主人公の心の機微を丹念に表現しており、長谷川博己の演技の幅広さに唸らされるばかり。

そして、主人公を水のなかへと誘う水泳コーチ・薄原静香役は、綾瀬はるか。プールのなかで生き生きと泳ぐ姿は健康的な美しさに満ちていて、まるで人魚のよう。陸よりも水中の方が生きやすいという風変わりな女性を、瑞々しく体現しています。

『はい、泳げません』

雄司と静香による軽妙なやりとりが、大きな見どころとなっている本作。その一方で、“人生”について考えさせられる、奥深い作品でもあります。

泳げるようになるために繰り返すレッスン。次のステップに進める日もあれば、うまくいかず投げ出したくなるときもある。人生においても、常に思い通りに物事が進展することはなく、傷ついても前を向いて生きていかなければいけないときもあるわけで……。

ストーリーを追ううちに、泳ぐことと生きることは、似ていないようで似ている部分があることに気づかされる人も多いのではないでしょうか。

水のなかに身を委ねるように、この映画に触れてみて。

『エリザベス 女王陛下の微笑み』

コチラも映画館で観たい!『エリザベス 女王陛下の微笑み』 〜とびっきりチャーミングでユーモラスなクイーンがスクリーンに

96歳を迎え、在位70年となるイギリス君主・エリザベス2世。何と、彼女の初めての長編ドキュメンタリー映画が誕生しました。

1930年代〜2020年代までのアーカイブ映像を中心に、テレビ・映画のパロディシーンを交えながら、軽妙な音楽とともにエリザベス女王の足跡をたどっていくポップなテイストは、ミュージックビデオさながら。

随所にエリザベス女王のチャーミングな人柄が垣間見え、イギリス国民から愛され続けてきた所以に触れることができる、貴重な1作です。

『はい、泳げません』

『はい、泳げません』

2022年6月10日(金)TOHOシネマズ 日比谷 ほかにて全国ロードショー
出演:長谷川博己、綾瀬はるか、伊佐山ひろ子、広岡由里子、占部房子、上原奈美、小林薫、阿部純子、麻生久美子
主題歌:Little Glee Monster「magic!」「生きなくちゃ」(Sony Music)
監督・脚本:渡辺謙作
原作:高橋秀実「はい、泳げません」(新潮文庫刊)
音楽:渡邊琢磨
配給:東京テアトル、リトルモア
(C)2022「はい、泳げません」製作委員会

『エリザベス 女王陛下の微笑み』

『エリザベス 女王陛下の微笑み』

2022年6月17日(金)からTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
監督:ロジャー・ミッシェル
製作:ケヴィン・ローダー
音楽:ジョージ・フェントン
出演:エリザベス2世、フィリップ王配、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子、キャサリン妃、ジョージ王子、メーガン妃、ダイアナ元妃、ザ・ビートルズ、エルトン・ジョン、ダニエル・クレイグ、ローワン・アトキンソン、マリリン・モンロー、ウィンストン・チャーチル ほか
原題:Elizabeth: A Portrait in Part(s)
後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給:STAR CHANNEL MOVIES
(C)Elizabeth Productions Limited 2021

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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