篠ノ井線全通120年! ぶどう棚のある駅・塩尻駅のロングセラー駅弁

【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

とりめし

中央本線から分岐する篠ノ井線は、今年(2022年)が全線開通120周年の節目の年。中央東線・西線、篠ノ井線の各列車が発着する長野県・塩尻駅は、ホームにぶどう棚がある駅として、全国的に知られています。そんな塩尻駅には70年近く愛されているロングセラー駅弁があります。今回は篠ノ井線沿線を歩きながら、名物駅弁をいただきました。

383系電車・特急「しなの」、篠ノ井線・坂北~聖高原間

JR篠ノ井線は、長野県の中央本線・塩尻駅と、信越本線・篠ノ井駅の間を結ぶ路線。今年(2022年)は、明治35(1902)年に12月に篠ノ井線が全通して120周年となります。看板列車は、名古屋から中央本線経由でやって来る特急「しなの」。信越本線へ直通し、松本~長野間は約50分で結ばれています。また、篠ノ井線は、海のない信州へ石油を運ぶ貨物列車が運行されており、地域の暮らしを守る生命線にもなっています。

211系電車・快速列車、篠ノ井線・姨捨駅

篠ノ井線随一の名所といえば、日本三大車窓の1つに数えられる姨捨駅。特急「しなの」や一部の快速列車は通過してしまいますが、眼下に棚田が広がり、その向こうに千曲川、善光寺平が開けます。また、姨捨駅ホームのベンチは景色のいい向きに据え付けられているのも興味深いところ。さらに勾配が厳しい姨捨駅にはいまも昔からのスイッチバックが残っており、鉄道の歴史を感じさせられます。

とりめし

中央本線から篠ノ井線が分岐する塩尻駅には、昭和28(1953)年発売、登場から70年近いロングセラー駅弁「とりめし」(700円)があります。製造するカワカミは、中山道塩尻宿の旅籠を由来とする、明治時代に創業した老舗の駅弁屋さん。現在は松本に本社を置く飲食店グループ「王滝グループ」の一員として塩尻を拠点に松本駅でも販売がある他、一部の商品は、北陸新幹線・長野駅でも取り扱いがあります。

とりめし

【おしながき】
・鶏ガラスープの味付けご飯(長野県産米)
・鶏そぼろ
・鶏の唐揚げ
・野沢菜の油炒め
・山ごぼうの味噌漬け
・紅生姜

とりめし

塩尻の名物駅弁「とり釜めし」のベースとなったという「とりめし」。鶏ガラスープで炊き上げられた風味豊かな味付けご飯の上に、たっぷり敷き詰められた鶏そぼろと、冷めても柔らかい鶏の唐揚げが載っています。これに信州らしさを感じさせる野沢菜の油炒めが加わり、絶妙な味わいとなってどんどん箸が進みます。さすが、ロングセラー駅弁ならではのバランスの良さです。

E353系電車・特急「あずさ」、篠ノ井線・南松本~平田間

篠ノ井線を走る列車は、中央本線との直通運転が積極的に行われており、新宿からの特急「あずさ」も、塩尻~松本間は「篠ノ井線」を走ります。塩尻駅も中央東線・西線から直通しやすいように、いまから40年前の昭和57(1982)年、現在の場所に移転しました。現在、塩尻駅では、改札外のNEWDAYSの他、日中は中央西線の発着ホーム売店で駅弁の販売があり、一定数いる中央東線・西線の乗り継ぎの人たちに重宝されています。塩尻・松本エリアへ秋のお出かけの際は、ぜひ味わいたい駅弁の1つです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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