ロッキー声優・羽佐間道夫、S・スタローン吹き替えは「冗談じゃないよ! って」 制作秘話を語る

映画『ロッキー』シリーズで主人公・ロッキーの吹き替えを長らく担当する、声優・羽佐間道夫が、9月18日(日)に放送された、女優で声優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演。「レジェンド声優」と呼ばれる羽佐間が、役を演じ分ける秘訣、ロッキーのオファーを受けた当時の心境などを語った。

現在88歳の羽佐間は、これまでに270人以上ものハリウッド俳優の吹き替えを担当。『ロッキー』では、1983年に初めてテレビ放送された1 作目から、全シリーズで吹き替えをしている。

戸田:どんな作品でも上手に吹き替えできることから、「困った時の羽佐間」と言われていたそうですね。

羽佐間:これはね、そんなに……。先日、(声優の)浪川大輔が「いろいろ変えてやっているんですよ」って言っていたけど。やっぱり呼吸は変えるよね。

戸田:うんうん。

羽佐間:僕はそれをオーバーに「脈拍だ」って言っているんだけど、演じる役の脈に乗っかって行くというか。そうすると、息遣いが同じようになっていくんですよ。

戸田:ああ、凄くよく分ります。

羽佐間:(米俳優の)ディーン・マーティンとダニー・ケイはここが違うな、とかね。やまちゃん(声優の山寺宏一)もそういうところが凄くあるけど、“画面の中の役者の呼吸に合わせる”というのが第一条件だと思うんだよね。

戸田:本当にそう思います。声とかそういうことじゃなくてね。

羽佐間さんといえば、ポール・ニューマン、ディーン・マーティン、ハリソン・フォード、アル・パチーノなど、他にもいっぱい演じていますが。

羽佐間:(吹き替えを)270人やっているって。

戸田:ええっ!? すごい! この夏公開された映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY  4』をはじめとする「ロッキー」シリーズ全作に関わっていらっしゃいますよね。シルヴェスター・スタローンの吹き替えの仕事をもらった時、初めはどんな風に思ったんですが?

羽佐間:冗談じゃないよ! って。

戸田:どうして?

羽佐間:だって、「ヴヴー……」って、ライオンみたいな声の人だよ?

戸田:シルヴェスター・スタローンの声がね。

羽佐間:これについて行くのちょっと大変だなあと。僕はどちらかと言ったら、ハイトーンの吹き替えをやっていたんですよ。アメリカの連続テレビドラマ『コンバット』のカービー二等兵みたいなね。だから、「できるわけない。嫌だよ」って言って。でも、プロデューサーが「できる!!」って。そういうプロデューサーがいるんだよね。

戸田:根拠のない自信みたいなね(笑)

羽佐間:でも、「できるから!」って言われたら、『できるのかな』って思うようになってくるんですよね。それで、少しでも役に近付けようとしたんだけど……。

戸田:どういうことをされたんですが?

羽佐間:愚かにもね、声のトーンを下げようとして。自分で声を作り上げるのはどの程度できるのかなと思ったけど、まったく無駄だなと。声じゃないんだな、と。

戸田:うん。

羽佐間:一番気付いたのは、あのブテッとした男(主人公・ロッキー)は、心が優しいんだよ。その心だけ掴んじゃおう、という風にして。普段のロッキーは、生卵を何個も飲んだりさ、肉を叩いたりいろいろしているんだけど、その中に優しさがあればいいかなって。そう考えて演じました。

この他にも『ロッキー』秘話を明かし、昔は録音機材の関係で15ラウンドのボクシングシーンをノーカットで収録したこと、同作で共演した故内海賢二さん、故富田耕生さんとの思い出も回想。また、羽佐間が声優になったきっかけ、88歳で現役で活躍する若さの秘訣、戸田と羽佐間が日本語吹き替え版で出演する、米人気ドラマ『マーダーズ・イン・ビルディング』の裏話も語った。

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