台湾アニメ史上初の快挙! 号泣必至の話題作が、ついに日本公開!

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第732回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

 

今回は、11月29日から公開の『幸福路のチー』を掘り起こします。

ニッポン放送「しゃベルシネマ」

歴史も文化も異なる世界中の観客が声を揃える〜「これは私たちの物語」

台湾郊外に実在する“幸福路”を舞台に、主人公チーと下町で暮らす人々がたくましく生きる姿を描写した、台湾発の奇跡のアニメーション映画『幸福路のチー』。

祖母の死をきっかけにアメリカから帰郷した女性チーが、幼いころの思い出とともに現在の自分を見つめ直す物語は、2018年「東京アニメアワードフェスティバル」で、最大のダークホースとしてグランプリを受賞。

その後も各地の国際映画祭で賞を重ね、ついには2019年アカデミー賞長編アニメーションの25作品にエントリーされるなど、話題を呼んで来ました。日本でも公開を望む熱い声に後押しされて、ついに劇場公開が実現しました。

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本作は、ソン・シンイン監督が自身の半生を投影させて作り上げた作品。台湾出身のソン・シンイン監督は、1974年生まれ。京都大学で映画理論を学んだ後、アメリカに渡り、映画修士号を取得。

実写短編映画を制作し、多くの国際映画祭で上映されました。アニメーション映画を手がけるのは、本作が初となります。

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本作の制作にあたってアニメーションという表現方法を選択したとは言え、実は台湾はアニメーション不毛の地。台湾映画界ではアニメーション映画が成功した前例がなく、資金集めもままならず。アニメーターをはじめとした人材も、台湾国内で見つけるのは至難の技。

そんななか、ソン・シンイン監督は独力で資金集めに奔走。自らのアニメーションスタジオを設立し、幾度も危機を乗り越え、4年の歳月を経て本作を完成させました。

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無邪気な少女時代、親の期待に応えることが至上命題だった学生時代、理想とは違う社会、そして新しい出会い。1975年生まれの主人公チーの半生を追う形でストーリーが進む本作の背景には、台湾語禁止の学校教育、少数民族である祖母との関係、学生運動、台湾大地震など、戒厳令解除を経て民主化へと向かう、現代台湾の歴史の大きなうねりがあります。

祖母の死をきっかけにアメリカから幸福路に戻り、すっかり変わってしまった故郷の景色を見て、人生や家族の意味を考え始めるチー。「子どものころ、思い描いていた未来に、自分は立てているのか?」。人生の分岐点に立っていた彼女は、幸福路である決断をする…。

生まれた国や育った環境が違っても、人生において誰もが経験する感情をチーの人生で追体験することで、観る人の人生とリンクする瞬間に出会えるノスタルジックな1作です。

あなたは、子どものころになりたかった“自分”になれていますか?

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『幸福路のチー』

2019年11月29日(金)から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ソン・シンイン
主題歌「幸福路上/On Happiness Road」 歌:ジョリン・ツァイ
声の出演:グイ・ルンメイ、チェン・ボージョン、リャオ・ホェイジェン、ウェイ・ダーション
日本語吹き替え版:安野希世乃、LiLiCo、高森奈津美、沖浦啓之
(C)Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト http://onhappinessroad.net/

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八雲ふみね

映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

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