シニア女性誌『ハルメク』編集長・山岡朝子〜仕事の大半は“シニアが何を考えているのか”を知ること

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に雑誌『ハルメク』編集長・山岡朝子が出演。『ハルメク』の誌面のつくり方について語った。

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)毎週さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストは50代からの女性を対象とした女性誌『ハルメク』編集長の山岡朝子さんです。『ハルメク』という雑誌は本屋さんで買えませんよね?

山岡)もともとは20数年前からある『いきいき』という名前の雑誌だったのですが、最初から定期購読のみで、1度も書店には置いたことがないと思います。

黒木)月間31万部という、すごい部数です。私も読ませていただきましたが、読者の方と近いですね。さまざまな方がお出になっていて、いろいろな情報を提供しています。カテゴリーもたくさんありますね。大変ではないですか?

山岡)読者との距離を近くということをもっとも大切にしているので、取材や原稿執筆も忙しいですが、仕事の大半は読者の方とお会いしたり、読者の方からのお手紙やアンケートを読んでいます。シニアの方が何を考えているのかを、自分のなかにコピーする作業です。カテゴリーの多さも心がけていることで、1冊で50代以降の女性の悩みにもこたえ、夢を提供し、ヒントや発見も提供したいと欲張りました。1冊でいろいろなことに出会えるようにつくっています。

黒木)読むのに1ヵ月では足りないくらい、情報が多いです。

山岡)読み切れないというお声をよくいただきます。全部読む必要はなくて、関心のあるところを読んでいただければと思っています。

黒木)逆にライブラリーにしておいて、「あそこに載っていた」と何ヵ月か前の雑誌を引き出して、改めて読むこともできますよね。

山岡)当時はたんぱく質に関心がなかったけれど、数年経ってお医者さんから「たんぱく質を取った方がいいよ」と言われて、「そういえば『ハルメク』にたんぱく質の特集があったな」というように、思い出して読み返していただくこともできます。読者の方が何を求めてらっしゃるのか、ご自身で気づいていないような悩みにまで迫って、特集をつくることを心がけています。

黒木)編集部あてに、読者の方から手紙やメールが送られて来るのですか?

山岡)雑誌に読者はがきがとじ込まれていて、「編集部への短い手紙を書いてください」という題名になっています。もちろんご感想も届きますが、「孫が生まれました」とか「庭の花がきれいに咲きました」「今年から年賀状を送るのはやめました」など、日常的なものをぎっしり書いて送ってくださいます。月に2000枚届きます。それを編集部で手分けして1枚残らず読むのですが、1枚1枚では見えなくても、2000枚読むと傾向がつかめます。例えばスマホの使い方に悩んでいる方が多いなとか、孫との付き合い方に悩んでいる方が多いなとか。そこから企画が生まれて来るのです。

株式会社ハルメク『直線で作れて素敵に見えるきものリフォーム』(※画像はAmazonより)

山岡朝子(やまおか・あさこ)/雑誌「ハルメク」編集長

■1997年、主婦と生活社に入社。雑誌『すてきな奥さん』『CHANTO』などライフスタイル系の雑誌の編集長を歴任。
■2017年に「ハルメク」に入社。50代からの女性を対象とし、健康、料理、旅、ファッション、美容など、さまざまなテーマを取りあげている月刊誌『ハルメク』の編集長に就任。就任後2年で実売部数を2倍に引き上げた。

【ハルメクとは…】
■自宅直送の有料定期購読誌。書店には流通していない。
■主に50代からの女性に向けて、生き方や暮らし方を提案する雑誌構成。
■出版不況が叫ばれるなか、月間31万部を発行。
■徹底したリサーチや読者からのはがき、モニター会員との座談会など、読者とのコミュニティを活かした雑誌づくりが行われている。
■通販やイベント、リアル店舗など、雑誌との連動するコンテンツが人気。

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