お坊さんが語る、月にうさぎがいる理由「“善行”をいつまでも見られるように」

10月4日(日)、東京タワーのすぐ近くにある光明寺(東京都・港区)の僧侶・木原祐健さんが、女優・戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時〜14時30分)に出演。お寺カフェ「神谷町オープンテラス」の店長でもある木原さんが、仏教のエピソードを取り入れたスイーツを紹介した。

光明寺の本堂前には吹き抜けの空間があり、ここを神谷町オープンテラスとして開放し、週に2回ほど、お茶や手作りスイーツのおもてなしがされている。(※現在、新型コロナウイルスの影響で、おもてなしは休止。)この手作り菓子を木原さんが作っており、今年2020年2月には、エッセイ&レシピ集『神谷町オープンテラスの おもてなしお寺スイーツ12カ月』(河出書房新社)を出版。

番組でもこの“お寺スイーツ”の中から、うさぎと月の様子がかわいらしい10月の菓子「芋名月」を紹介。秋の風景を表現しただけでなく、実は仏教のエピソードも込められていると明かした。

戸田:木原さんは、光明寺さんが運営されている神谷町オープンテラスのスイーツを担当しているということで、今日は10月に振る舞われるお菓子をお持ちいただきました。なんとも素敵なスイーツで! この、うさぎは寒天ですか?

木原:うさぎは、寒天と豆乳で作りました。

戸田:豆乳が入っているから、うさぎが白っぽいベージュ色で。そして、さつま芋は「月」を表しているんでしょうかね?

木原:そうなんです。ちょうど今の時期の名月を「芋名月」と言いますので。

戸田:芋名月? 初めて聞きました! 寒天がうさぎの形にきれいにくり抜かれて、このうさぎが、月に向かって飛んで行くような盛り付けになっているんですよね。食べてみていいですか?

木原:どうぞどうぞ。

戸田:“うさぎ”を食べます。――うん、さっぱり! いくらでも食べられる感じで、凄くおいしいです! このスイーツは、どんなアイデアから生まれたんですか?

木原:やっぱり、今の時期はすごく月がきれいですし、秋の風景とか、そういうこともお伝えしていくのは大事なことかなと思いまして。

戸田:うんうん。

木原:昔のインドの、仏教の話なんですが――、食べ物を求めるお年寄りがいらっしゃったんです。

戸田:はい。

木原:そこにいろいろな動物と、うさぎもいたんです。狩りができる動物は狩りをしたり、その老人に魚を渡したり、何か植物を渡したのですが、うさぎは渡せるものが何も無かったんです。目の前で食べ物を求めるお年寄りに対して、「自分を食べてくれ」と言い残し、焚き火の中に身を投げました。

戸田:うさぎが自ら……。

木原:実はそのお年寄りの正体は、仏教を守る神様だったのです。神様は、うさぎの善行、良い行いに感動し、その様子をいつまでも、誰もが見られるように――ということで、月にうさぎの姿を映すようにした。そんな話が残っています。

戸田:なるほど。

木原:「お布施」というものがありますが、多くの方がお金をイメージされますよね。でも、お金だけじゃないんです。お布施は、“大事な方のために自分のできることを施す”ということです。自分の知識や技能、持っているものを差し出すことも大事ですし、もちろん、お金や物を差し出すことも大事です。でもそれだけではなく、誰かに寄り添ってあげるとか、自分の身をもって尽くしていくことも大事なことだと思っています。

うさぎは布施をする食べ物を見つけられず、お年寄りの為に自分の命を捧げた――そんな尊いエピソードが仏教にはあると、木原さんは紹介。この他にも、お釈迦様にまつわるお菓子もあるのだそうで、戸田は「スイーツから仏教のことを知ることができたりして面白いですね」と感心。甘いおもてなしと、優しい話に癒された様子だった。

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